55 / 61
第55話 アンナ視点⑦
しおりを挟む
「ヴェリーヌス島行きの港が見えてきたな」
「ああ、そうだなあ……でもなんかごろごろ音が鳴ってる気がするが」
「雷だな。どうせここまで降っては来ないだろう」
御者達の話し声と何か光を感じた時。いきなり荷車のような罪人用の馬車ごと私は吹き飛ばされた。
え? 何?! と思った刹那、私は勢いよく硬い地面に叩きつけられる。それは御者や護衛の者達も同じだったようで彼らの驚き混じりの悲鳴が聞こえた。
「うわあああっ?!」
そしてさああああ……と小雨か極々小さなあられが降ってきた。私の身体にもそれらはぽつぽつと落ちてくる。なんとか身体を起こすが周囲にいた人達に目覚める気配は感じられない。もしかして死んじゃってる?
馬車を引く馬は自力で立ち上がった後、そのままかぽかぽと前へと歩いていく。私はその様子を止めようとする気にはなれなかった。だって身体中が痛いし。
「……雷?」
なるほど。馬車に雷が落ちて吹き飛ばされたのか。すると目の前の馬車から何か焦げ臭いにおいと火が発生した。
雷で火災が発生したのね。
「……!」
逃げなきゃ。ここから逃げないと火事に巻き込まれる。私は軋む身体を引きずるようにして後方へと逃れた。
「はあっ……はあっはあっ」
その後はとにかく逃げて逃げて……逃げ続けた。途中で転んだり何かにぶつかったりもしたけど、気が遠くなるまで逃げ続けた。
「……ここ、どこまで来たかしら……」
そこからはあてもなく歩き続けた。喉の渇きにも気づかないくらい。
そして私は気が付いたら……見知らぬ建物の天井が視界に入っていた。木造りの粗末な天井。平民の家である事は一目見て分かった。
「あら、お気づきになりましたか?」
左側からまた見知らぬ女性の声が聞こえて来る。首を傾けたらそこには若い少女が立っていた。
癖のある茶色い長髪を2つに分けてまん丸にして束ねている。そして赤い瞳に顔にはそばかすと平民のような服装を着ていた。
「あなたは?」
「私はティナ。あなたの名前をお聞かせくださる?」
アンナ。と言おうとした所で声が出なくなった。頭の中で適当に名前を考えて、それを口に出す。
平民の割には言葉遣いはしっかりしてるのね。ご両親の教育がちゃんと行き届いているのかしら。それとも没落貴族?
「アーミアよ。あなたが私をここまで連れてきてくれたの?」
「正確には、私の両親ですわね」
「ご両親は?」
「今、お医者様を呼びに行っていますわ。もうそろそろお戻りになるかと」
げっ、それはまずい! と思ったけど、身体中がとにかく痛い。これじゃあだめだ。
「あなた、身体中傷だらけでぼろぼろだったのですよ? 何かあったのですか?」
「あーー……」
移送中だったなんて言える訳が無い。ゆっくりと起き上がって自分の腕を見てみるとあちこちに包帯が巻かれてあるのが見えた。
「ごめんなさい。言いたくないの」
「そうでしたか。こちらこそごめんなさい」
「いや、大丈夫よ。包帯巻いてくれてありがと」
「どういたしまして」
なぜだろう。見知らぬ平民の家にいるせいか、今の私の心はとても凪いでいる。でも……はたしてこれでいいのかという思いだってある。
確かにメアリー様の言う通り、彼女を陥れようとしても幸せは得られなかった。フローディアス侯爵家の広々とした屋敷に住めたくらい。
だけど……このまま穏やかに暮らすと言うのは……我慢ならない。そう考えて炎を燃やす自分もいる。
「こちらです……!」
「おやおや、どうかなさいましたか?」
おいぼれの医者がよぼよぼと歩きながら部屋へ入って来た。
「ああ、その……転んでしまって」
「ふむふむ、応急手当は済んでいるようですな。他に痛い個所はありますかな?」
医者は私の身体を触る事無く目視のみで診察している。食い入るように見つめているが、果たしてそれで診察していると言えるのだろうか?
「まあ、全身が痛いわね。鈍い感じの痛みかしら」
「そうですか。では痛み止めの薬を処方いたしましょう。しばらくは安静になさってくださいな」
「ありがとう」
久しぶりにすんなりとありがとう。の言葉が言えた気がする。診察が終わるとティナの両親が私の元へと近寄って来た。
「あの、あなた、お名前はなんていうのですか?」
「この方はアーミアと言うそうですわよ、お母様。あっアーミアさん。こちら私の両親になりますわ」
ティナが母親に私を紹介してくれた。母親はティナよりかは明るい色の茶髪をしている。ふくよかな身体つきで少し地味な顔つきだ。
父親は白髪交じりの短髪で、ややがっしりした身体つきの人物だ。顔や身体のあちこちに傷があるという事は猟師か山仕事をしている人物だろうか?
「あら、そう。アーミアさん。初めまして」
「こちらこそ初めまして……」
「アーミアさん、この家は狭いが……良かったら自分の家に帰った方がいいんじゃあないのか?」
ティナの父親からそう指摘されると言い返す言葉が出てこなかった。そうね。平民の家は狭いものね。よそ者の私へかける情けがある余裕なんてないでしょう。
「わかりました。なら……ここから出ていくわ。ご心配おかけして申し訳ないわね」
「ちょ、ちょっと待ってください! せめて今日くらいはここにいた方がよろしいと存じます!」
ここでティナがそう大きな声を出した。あら、この子は優しいのね。
「ティナがそう言うのなら……」
「それにあなた、今日はナナがお給金を持って帰ってくる日じゃない。お金は大丈夫よ」
「そうだな」
それから体感で40分後。部屋の外がばたばたとあわただしく動き始める。誰か来たみたい。
「ナナ! 帰って来たのね……!」
「ただいま戻りました。お給金はボーナスもついてたくさんもらったわ……! でも誰か1人、王宮のメイドとして働いてもらえる人物を紹介しなくちゃいけなくなって……」
「お姉様! おかえりなさい……! 今日からしばらくはお休みね……!」
「ティナ、久しぶり! 元気にしているようで何よりだわ!」
ナナという人物はティナの姉のようだ。そしてナナはティナと共にこちらの部屋へと入って来た。
「お姉様、実はけが人を看病しているの。アーミアさんとおっしゃってね」
「そうなの? あ、申し遅れました。初めてお目にかかります。ナナと申します。ティナは私の妹です」
「こちらこそはじめまして。アーミアよ」
そういえば彼女は王宮のメイドがどうとか言っていたな。王宮、それすなわちメアリー様が幸せを満喫している場所。このナナの声を聴いた瞬間、私は私の人生を決めた。
「ねえ、ナナって言うのよね?」
「ええ、そうだけれど……」
「私、アーミアって言うの。王宮へ紹介してくれないかしら?」
私からの申し出に対し、ナナは驚きの表情を見せる。
「ええっ?! で、でも明日には向かわないといけないのですよ……?」
「それでもかまわないわぁ。だって王宮に行けるんだもの。中々無いわよ、王宮のメイドとして働けるだなんて」
「た、確かに……そうだけれど……」
「お願い! 私を王宮へ連れて行って……!」
結果、私は王宮のメイドとして紹介してくれる事となった。ああ、でも何度か捕まっているから顔がバレてしまうわね。お化粧だけではどうにもならない部分だってある。なら……。
「ちょっとそれ、貸してくれる?」
ベッドから起き上がった私は、身体中を襲う鈍い痛みに耐えながらティナとナナの父親が腰に付けていたナイフを奪い取るようにして借りる。そしてそれを額に当てて思いっきり切り裂いた。
これなら……私だと分からないはず。
「えっ……!」
ティナ達は目をかっ開いてあり得ないとでもいう風な顔つきをしている。
「ああ、そうだなあ……でもなんかごろごろ音が鳴ってる気がするが」
「雷だな。どうせここまで降っては来ないだろう」
御者達の話し声と何か光を感じた時。いきなり荷車のような罪人用の馬車ごと私は吹き飛ばされた。
え? 何?! と思った刹那、私は勢いよく硬い地面に叩きつけられる。それは御者や護衛の者達も同じだったようで彼らの驚き混じりの悲鳴が聞こえた。
「うわあああっ?!」
そしてさああああ……と小雨か極々小さなあられが降ってきた。私の身体にもそれらはぽつぽつと落ちてくる。なんとか身体を起こすが周囲にいた人達に目覚める気配は感じられない。もしかして死んじゃってる?
馬車を引く馬は自力で立ち上がった後、そのままかぽかぽと前へと歩いていく。私はその様子を止めようとする気にはなれなかった。だって身体中が痛いし。
「……雷?」
なるほど。馬車に雷が落ちて吹き飛ばされたのか。すると目の前の馬車から何か焦げ臭いにおいと火が発生した。
雷で火災が発生したのね。
「……!」
逃げなきゃ。ここから逃げないと火事に巻き込まれる。私は軋む身体を引きずるようにして後方へと逃れた。
「はあっ……はあっはあっ」
その後はとにかく逃げて逃げて……逃げ続けた。途中で転んだり何かにぶつかったりもしたけど、気が遠くなるまで逃げ続けた。
「……ここ、どこまで来たかしら……」
そこからはあてもなく歩き続けた。喉の渇きにも気づかないくらい。
そして私は気が付いたら……見知らぬ建物の天井が視界に入っていた。木造りの粗末な天井。平民の家である事は一目見て分かった。
「あら、お気づきになりましたか?」
左側からまた見知らぬ女性の声が聞こえて来る。首を傾けたらそこには若い少女が立っていた。
癖のある茶色い長髪を2つに分けてまん丸にして束ねている。そして赤い瞳に顔にはそばかすと平民のような服装を着ていた。
「あなたは?」
「私はティナ。あなたの名前をお聞かせくださる?」
アンナ。と言おうとした所で声が出なくなった。頭の中で適当に名前を考えて、それを口に出す。
平民の割には言葉遣いはしっかりしてるのね。ご両親の教育がちゃんと行き届いているのかしら。それとも没落貴族?
「アーミアよ。あなたが私をここまで連れてきてくれたの?」
「正確には、私の両親ですわね」
「ご両親は?」
「今、お医者様を呼びに行っていますわ。もうそろそろお戻りになるかと」
げっ、それはまずい! と思ったけど、身体中がとにかく痛い。これじゃあだめだ。
「あなた、身体中傷だらけでぼろぼろだったのですよ? 何かあったのですか?」
「あーー……」
移送中だったなんて言える訳が無い。ゆっくりと起き上がって自分の腕を見てみるとあちこちに包帯が巻かれてあるのが見えた。
「ごめんなさい。言いたくないの」
「そうでしたか。こちらこそごめんなさい」
「いや、大丈夫よ。包帯巻いてくれてありがと」
「どういたしまして」
なぜだろう。見知らぬ平民の家にいるせいか、今の私の心はとても凪いでいる。でも……はたしてこれでいいのかという思いだってある。
確かにメアリー様の言う通り、彼女を陥れようとしても幸せは得られなかった。フローディアス侯爵家の広々とした屋敷に住めたくらい。
だけど……このまま穏やかに暮らすと言うのは……我慢ならない。そう考えて炎を燃やす自分もいる。
「こちらです……!」
「おやおや、どうかなさいましたか?」
おいぼれの医者がよぼよぼと歩きながら部屋へ入って来た。
「ああ、その……転んでしまって」
「ふむふむ、応急手当は済んでいるようですな。他に痛い個所はありますかな?」
医者は私の身体を触る事無く目視のみで診察している。食い入るように見つめているが、果たしてそれで診察していると言えるのだろうか?
「まあ、全身が痛いわね。鈍い感じの痛みかしら」
「そうですか。では痛み止めの薬を処方いたしましょう。しばらくは安静になさってくださいな」
「ありがとう」
久しぶりにすんなりとありがとう。の言葉が言えた気がする。診察が終わるとティナの両親が私の元へと近寄って来た。
「あの、あなた、お名前はなんていうのですか?」
「この方はアーミアと言うそうですわよ、お母様。あっアーミアさん。こちら私の両親になりますわ」
ティナが母親に私を紹介してくれた。母親はティナよりかは明るい色の茶髪をしている。ふくよかな身体つきで少し地味な顔つきだ。
父親は白髪交じりの短髪で、ややがっしりした身体つきの人物だ。顔や身体のあちこちに傷があるという事は猟師か山仕事をしている人物だろうか?
「あら、そう。アーミアさん。初めまして」
「こちらこそ初めまして……」
「アーミアさん、この家は狭いが……良かったら自分の家に帰った方がいいんじゃあないのか?」
ティナの父親からそう指摘されると言い返す言葉が出てこなかった。そうね。平民の家は狭いものね。よそ者の私へかける情けがある余裕なんてないでしょう。
「わかりました。なら……ここから出ていくわ。ご心配おかけして申し訳ないわね」
「ちょ、ちょっと待ってください! せめて今日くらいはここにいた方がよろしいと存じます!」
ここでティナがそう大きな声を出した。あら、この子は優しいのね。
「ティナがそう言うのなら……」
「それにあなた、今日はナナがお給金を持って帰ってくる日じゃない。お金は大丈夫よ」
「そうだな」
それから体感で40分後。部屋の外がばたばたとあわただしく動き始める。誰か来たみたい。
「ナナ! 帰って来たのね……!」
「ただいま戻りました。お給金はボーナスもついてたくさんもらったわ……! でも誰か1人、王宮のメイドとして働いてもらえる人物を紹介しなくちゃいけなくなって……」
「お姉様! おかえりなさい……! 今日からしばらくはお休みね……!」
「ティナ、久しぶり! 元気にしているようで何よりだわ!」
ナナという人物はティナの姉のようだ。そしてナナはティナと共にこちらの部屋へと入って来た。
「お姉様、実はけが人を看病しているの。アーミアさんとおっしゃってね」
「そうなの? あ、申し遅れました。初めてお目にかかります。ナナと申します。ティナは私の妹です」
「こちらこそはじめまして。アーミアよ」
そういえば彼女は王宮のメイドがどうとか言っていたな。王宮、それすなわちメアリー様が幸せを満喫している場所。このナナの声を聴いた瞬間、私は私の人生を決めた。
「ねえ、ナナって言うのよね?」
「ええ、そうだけれど……」
「私、アーミアって言うの。王宮へ紹介してくれないかしら?」
私からの申し出に対し、ナナは驚きの表情を見せる。
「ええっ?! で、でも明日には向かわないといけないのですよ……?」
「それでもかまわないわぁ。だって王宮に行けるんだもの。中々無いわよ、王宮のメイドとして働けるだなんて」
「た、確かに……そうだけれど……」
「お願い! 私を王宮へ連れて行って……!」
結果、私は王宮のメイドとして紹介してくれる事となった。ああ、でも何度か捕まっているから顔がバレてしまうわね。お化粧だけではどうにもならない部分だってある。なら……。
「ちょっとそれ、貸してくれる?」
ベッドから起き上がった私は、身体中を襲う鈍い痛みに耐えながらティナとナナの父親が腰に付けていたナイフを奪い取るようにして借りる。そしてそれを額に当てて思いっきり切り裂いた。
これなら……私だと分からないはず。
「えっ……!」
ティナ達は目をかっ開いてあり得ないとでもいう風な顔つきをしている。
374
お気に入りに追加
2,292
あなたにおすすめの小説
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております

事情があってメイドとして働いていますが、実は公爵家の令嬢です。
木山楽斗
恋愛
ラナリアが仕えるバルドリュー伯爵家では、子爵家の令嬢であるメイドが幅を利かせていた。
彼女は貴族の地位を誇示して、平民のメイドを虐げていた。その毒牙は、平民のメイドを庇ったラナリアにも及んだ。
しかし彼女は知らなかった。ラナリアは事情があって伯爵家に仕えている公爵令嬢だったのである。

戻る場所がなくなったようなので別人として生きます
しゃーりん
恋愛
医療院で目が覚めて、新聞を見ると自分が死んだ記事が載っていた。
子爵令嬢だったリアンヌは公爵令息ジョーダンから猛アプローチを受け、結婚していた。
しかし、結婚生活は幸せではなかった。嫌がらせを受ける日々。子供に会えない日々。
そしてとうとう攫われ、襲われ、森に捨てられたらしい。
見つかったという遺体が自分に似ていて死んだと思われたのか、別人とわかっていて死んだことにされたのか。
でももう夫の元に戻る必要はない。そのことにホッとした。
リアンヌは別人として新しい人生を生きることにするというお話です。

溺愛されている妹がお父様の子ではないと密告したら立場が逆転しました。ただお父様の溺愛なんて私には必要ありません。
木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるレフティアの日常は、父親の再婚によって大きく変わることになった。
妾だった継母やその娘である妹は、レフティアのことを疎んでおり、父親はそんな二人を贔屓していた。故にレフティアは、苦しい生活を送ることになったのである。
しかし彼女は、ある時とある事実を知ることになった。
父親が溺愛している妹が、彼と血が繋がっていなかったのである。
レフティアは、その事実を父親に密告した。すると調査が行われて、それが事実であることが判明したのである。
その結果、父親は継母と妹を排斥して、レフティアに愛情を注ぐようになった。
だが、レフティアにとってそんなものは必要なかった。継母や妹ともに自分を虐げていた父親も、彼女にとっては排除するべき対象だったのである。

【完結】引きこもりが異世界でお飾りの妻になったら「愛する事はない」と言った夫が溺愛してきて鬱陶しい。
千紫万紅
恋愛
男爵令嬢アイリスは15歳の若さで冷徹公爵と噂される男のお飾りの妻になり公爵家の領地に軟禁同然の生活を強いられる事になった。
だがその3年後、冷徹公爵ラファエルに突然王都に呼び出されたアイリスは「女性として愛するつもりは無いと」言っていた冷徹公爵に、「君とはこれから愛し合う夫婦になりたいと」宣言されて。
いやでも、貴方……美人な平民の恋人いませんでしたっけ……?
と、お飾りの妻生活を謳歌していた 引きこもり はとても嫌そうな顔をした。

公爵閣下に嫁いだら、「お前を愛することはない。その代わり好きにしろ」と言われたので好き勝手にさせていただきます
柴野
恋愛
伯爵令嬢エメリィ・フォンストは、親に売られるようにして公爵閣下に嫁いだ。
社交界では悪女と名高かったものの、それは全て妹の仕業で実はいわゆるドアマットヒロインなエメリィ。これでようやく幸せになると思っていたのに、彼女は夫となる人に「お前を愛することはない。代わりに好きにしろ」と言われたので、言われた通り好き勝手にすることにした――。
※本編&後日談ともに完結済み。ハッピーエンドです。
※主人公がめちゃくちゃ腹黒になりますので要注意!
※小説家になろう、カクヨムにも重複投稿しています。

前世の記憶が蘇ったので、身を引いてのんびり過ごすことにします
柚木ゆず
恋愛
※明日(3月6日)より、もうひとつのエピローグと番外編の投稿を始めさせていただきます。
我が儘で強引で性格が非常に悪い、筆頭侯爵家の嫡男アルノー。そんな彼を伯爵令嬢エレーヌは『ブレずに力強く引っ張ってくださる自信に満ちた方』と狂信的に愛し、アルノーが自ら選んだ5人の婚約者候補の1人として、アルノーに選んでもらえるよう3年間必死に自分を磨き続けていました。
けれどある日無理がたたり、倒れて後頭部を打ったことで前世の記憶が覚醒。それによって冷静に物事を見られるようになり、ようやくアルノーは滅茶苦茶な人間だと気付いたのでした。
「オレの婚約者候補になれと言ってきて、それを光栄に思えだとか……。倒れたのに心配をしてくださらないどころか、異常が残っていたら候補者から脱落させると言い出すとか……。そんな方に夢中になっていただなんて、私はなんて愚かなのかしら」
そのためエレーヌは即座に、候補者を辞退。その出来事が切っ掛けとなって、エレーヌの人生は明るいものへと変化してゆくことになるのでした。

【完結】何故こうなったのでしょう? きれいな姉を押しのけブスな私が王子様の婚約者!!!
りまり
恋愛
きれいなお姉さまが最優先される実家で、ひっそりと別宅で生活していた。
食事も自分で用意しなければならないぐらい私は差別されていたのだ。
だから毎日アルバイトしてお金を稼いだ。
食べるものや着る物を買うために……パン屋さんで働かせてもらった。
パン屋さんは家の事情を知っていて、毎日余ったパンをくれたのでそれは感謝している。
そんな時お姉さまはこの国の第一王子さまに恋をしてしまった。
王子さまに自分を売り込むために、私は王子付きの侍女にされてしまったのだ。
そんなの自分でしろ!!!!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる