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第52話 ウィルソン様の死
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公務である歌劇の観覧が終わり、王宮へと戻る。これからも書斎で仕事が待っている状態だ。
夕方、日が暮れようとしていた時の事。
「レアード様、フローディアス侯爵の姉家族がお越しになっております。面会を願い出ております」
「わかった。通せ。応接室で会おう」
「かしこまりました」
「メアリーはここで待機していろ」
「いや、私も参ります」
「分かった」
ウィルソン様の姉……マリリン様。セルファー王国の伯爵家に嫁いでいる人物だ。結婚式で一度お会いして挨拶を交わしたくらいで、話をした事はない。
だが、黒髪に目鼻立ちの整った美人で、背は高くグラマラスな体型をしている事は覚えている。
「急な面接の申し出、まことに申し訳ありませんでした。この度はおふたりにご挨拶したくこちらへと参りました」
応接室に入ると、紺色の地味なドレス姿のマリリン様が幼い男子2人を連れていた。深々と丁寧に謝罪するマリリン様に、レアード様が頭を上げるように。と伝える。
「ここまでよく来てくれた」
「いえ、これくらい当然の事です」
落ち着いた様子のマリリン様だが、言葉の端々には焦りのようなものも感じられる。もしかしたら私の気のせいなだけかもしれないが……。
「ほら、王太子殿下と妃殿下よ。ご挨拶なさって?」
マリリン様が幼い男子2人のそう優しく穏やかに声をかけた。
「初めまして、ウィンズと申します。お目にかかれて光栄に存じます」
「えっと、はじめまして。キートともうします」
「この2人は兄弟でございます。まだまだ至らぬ所もございますが、よろしくお願い申し上げます……」
ウィンズとキートの兄弟はぽかんとした表情だ。まあ、まだまだ幼いしそのようなもんだろう。
キートはずっとウィンズの服の裾を握りしめている。
「では、お話に入らせていただきますね。今、兄には子がいないと聞いております。なのでウィンズとキートのどちらかをフローディアス侯爵家の跡継ぎにしたいと……」
「わかった。そこは親族の間でしっかりと協議をして決めてほしい」
「わかりました。そのようにします。あと……王太子妃様」
「はい、なんでございましょうか?」
ここで私に話を振るとは……私がウィルソン様と子供を産んでおけばよかったのに! とか言われそうで若干不安が募る。
「兄がご迷惑をおかけしたようで本当に申し訳ありませんでした。謝ってすむ問題ではない事も理解しております」
「マリリン様……」
「王太子殿下とぜひ、幸せをお掴みになられてください。私は何もできなかった身ですから……」
「いえ、そんな……」
まさか謝られるとは思ってもみなかったので少し動揺してしまう。
その後は互いの近況などについて少し話をした後、マリリン様は幼い兄弟を引き連れて王宮から去り、ウィルソン様のいるゲーモンド侯爵の屋敷へと向かって行った。
彼女達の姿を玄関で見送った後、レアード様はぼそりと呟いた。
「なんであの男はああなんだろうな?」
「ウィルソン様の事ですか?」
「ああ、そうだ。妹やいとこは誠実な者だったが」
「……アンナの噂を心の底まで信じてしまわれたのでしょうね」
「そうだろうな……」
でも、もうそんなもの気にしなくても良い気がしている。なぜなら私はレアード様の妻だから。
今もこれからも、レアード様のおそばにいるだけだ。
「戻りましょう、冷えてしまいます」
「ああ。メアリーは強くなったな」
「そうでしょうか?」
「ああ、契約を結んだ時からは本当に強くなった。まるでお前と本当に妻になったかのようだ。俺は契約だろうがなかろうがお前を愛するのには変わらないがな」
「そう仰っていただき、光栄でございます……!」
手をつないだ私達は、屋内へと戻っていく。
それから3日後。ウィルソン様が亡くなったと言う知らせが王宮内に飛び込んできた。
「え、本当?」
「はい、お亡くなりになったようです……」
「そうですか、お伝えくださりありがとうございました」
私達がいる女官達の部屋に訪れ、話を伝えてくれた侍従へ感謝の言葉を伝えると、ふう……と息を吐く。
どこか肩の上に重くのしかかったものが取れたというか、胸の中にぽっかりと穴が開いたかのような、すっきりはしたけど寂しいというよくわからない感覚を覚えた。
「メアリー様、王太子殿下がお呼びでございます」
「女官長……! わかりました、行ってまいります」
その後、レアード様からもウィルソン様が亡くなった事を伝えられた。
「彼から手紙が届いている。読むか?」
「……」
本当は読むべきなのだろうけど、正直読みたくないと言う気持ちの方が強い。どうせ読んだって未練がましい内容しかないんだろうなという気持ちもある。
でも、ここで読まないと本当に最後だし……。
「わかりました、読ませてくださいませ」
「無理はするなよ」
「はい、お気遣いありがとうございます」
手紙を開けると文字はメイドが代筆したという旨が一番最初に記されていた。
『この手紙はゲーモンド侯爵家屋敷に務めるメイドによって代筆されています事をご了承ください。もう俺は幾ばくも無い命だ。メアリーの事を最初から信じしっかり向き合って愛していればこのような事にはならなかったかもしれない。しかし愚かな真似をしたのは俺の方だ。どうかメアリーには幸せになってもらいたいと願う』
手紙を読み終えた私はそっとレアード様に手紙を返した。
「読ませていただきました」
「そうか」
それだけを交わした後、レアード様は手紙を近くにいた侍従にヒョイッと渡したのだった。
その後。ウィルソン様の葬儀が執り行われた。彼の葬儀に来たのは親族だけ。侯爵の葬儀としては幾分寂しいものだったそうだ。
勿論私は出席していない。そもそも私達の元に案内状が届いていないのだから、行けないのもあるが。
「メアリー、新たなフローディアス侯爵が今日の午後、挨拶に来るそうだ」
「誰が後を継ぐか、決まったのですね」
「ああ、そうだ。まだまだ幼い侯爵だから、こちらとしてもしっかり導いてやらないとな」
そして午後。応接室にて新たなフローディアス侯爵が母親であるマリリン様に手を引かれてとことこと現れた。
夕方、日が暮れようとしていた時の事。
「レアード様、フローディアス侯爵の姉家族がお越しになっております。面会を願い出ております」
「わかった。通せ。応接室で会おう」
「かしこまりました」
「メアリーはここで待機していろ」
「いや、私も参ります」
「分かった」
ウィルソン様の姉……マリリン様。セルファー王国の伯爵家に嫁いでいる人物だ。結婚式で一度お会いして挨拶を交わしたくらいで、話をした事はない。
だが、黒髪に目鼻立ちの整った美人で、背は高くグラマラスな体型をしている事は覚えている。
「急な面接の申し出、まことに申し訳ありませんでした。この度はおふたりにご挨拶したくこちらへと参りました」
応接室に入ると、紺色の地味なドレス姿のマリリン様が幼い男子2人を連れていた。深々と丁寧に謝罪するマリリン様に、レアード様が頭を上げるように。と伝える。
「ここまでよく来てくれた」
「いえ、これくらい当然の事です」
落ち着いた様子のマリリン様だが、言葉の端々には焦りのようなものも感じられる。もしかしたら私の気のせいなだけかもしれないが……。
「ほら、王太子殿下と妃殿下よ。ご挨拶なさって?」
マリリン様が幼い男子2人のそう優しく穏やかに声をかけた。
「初めまして、ウィンズと申します。お目にかかれて光栄に存じます」
「えっと、はじめまして。キートともうします」
「この2人は兄弟でございます。まだまだ至らぬ所もございますが、よろしくお願い申し上げます……」
ウィンズとキートの兄弟はぽかんとした表情だ。まあ、まだまだ幼いしそのようなもんだろう。
キートはずっとウィンズの服の裾を握りしめている。
「では、お話に入らせていただきますね。今、兄には子がいないと聞いております。なのでウィンズとキートのどちらかをフローディアス侯爵家の跡継ぎにしたいと……」
「わかった。そこは親族の間でしっかりと協議をして決めてほしい」
「わかりました。そのようにします。あと……王太子妃様」
「はい、なんでございましょうか?」
ここで私に話を振るとは……私がウィルソン様と子供を産んでおけばよかったのに! とか言われそうで若干不安が募る。
「兄がご迷惑をおかけしたようで本当に申し訳ありませんでした。謝ってすむ問題ではない事も理解しております」
「マリリン様……」
「王太子殿下とぜひ、幸せをお掴みになられてください。私は何もできなかった身ですから……」
「いえ、そんな……」
まさか謝られるとは思ってもみなかったので少し動揺してしまう。
その後は互いの近況などについて少し話をした後、マリリン様は幼い兄弟を引き連れて王宮から去り、ウィルソン様のいるゲーモンド侯爵の屋敷へと向かって行った。
彼女達の姿を玄関で見送った後、レアード様はぼそりと呟いた。
「なんであの男はああなんだろうな?」
「ウィルソン様の事ですか?」
「ああ、そうだ。妹やいとこは誠実な者だったが」
「……アンナの噂を心の底まで信じてしまわれたのでしょうね」
「そうだろうな……」
でも、もうそんなもの気にしなくても良い気がしている。なぜなら私はレアード様の妻だから。
今もこれからも、レアード様のおそばにいるだけだ。
「戻りましょう、冷えてしまいます」
「ああ。メアリーは強くなったな」
「そうでしょうか?」
「ああ、契約を結んだ時からは本当に強くなった。まるでお前と本当に妻になったかのようだ。俺は契約だろうがなかろうがお前を愛するのには変わらないがな」
「そう仰っていただき、光栄でございます……!」
手をつないだ私達は、屋内へと戻っていく。
それから3日後。ウィルソン様が亡くなったと言う知らせが王宮内に飛び込んできた。
「え、本当?」
「はい、お亡くなりになったようです……」
「そうですか、お伝えくださりありがとうございました」
私達がいる女官達の部屋に訪れ、話を伝えてくれた侍従へ感謝の言葉を伝えると、ふう……と息を吐く。
どこか肩の上に重くのしかかったものが取れたというか、胸の中にぽっかりと穴が開いたかのような、すっきりはしたけど寂しいというよくわからない感覚を覚えた。
「メアリー様、王太子殿下がお呼びでございます」
「女官長……! わかりました、行ってまいります」
その後、レアード様からもウィルソン様が亡くなった事を伝えられた。
「彼から手紙が届いている。読むか?」
「……」
本当は読むべきなのだろうけど、正直読みたくないと言う気持ちの方が強い。どうせ読んだって未練がましい内容しかないんだろうなという気持ちもある。
でも、ここで読まないと本当に最後だし……。
「わかりました、読ませてくださいませ」
「無理はするなよ」
「はい、お気遣いありがとうございます」
手紙を開けると文字はメイドが代筆したという旨が一番最初に記されていた。
『この手紙はゲーモンド侯爵家屋敷に務めるメイドによって代筆されています事をご了承ください。もう俺は幾ばくも無い命だ。メアリーの事を最初から信じしっかり向き合って愛していればこのような事にはならなかったかもしれない。しかし愚かな真似をしたのは俺の方だ。どうかメアリーには幸せになってもらいたいと願う』
手紙を読み終えた私はそっとレアード様に手紙を返した。
「読ませていただきました」
「そうか」
それだけを交わした後、レアード様は手紙を近くにいた侍従にヒョイッと渡したのだった。
その後。ウィルソン様の葬儀が執り行われた。彼の葬儀に来たのは親族だけ。侯爵の葬儀としては幾分寂しいものだったそうだ。
勿論私は出席していない。そもそも私達の元に案内状が届いていないのだから、行けないのもあるが。
「メアリー、新たなフローディアス侯爵が今日の午後、挨拶に来るそうだ」
「誰が後を継ぐか、決まったのですね」
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