19 / 61
第19話 嫉妬のダンスホール
しおりを挟む
長いようで短かった夏が終わり、秋が訪れた。そして無期限延期されていた私とレアード様の婚約パーティーの日程もようやく決まったのだった。今回こそは横やりが入らなければ良いのだが。
また、それに従い王宮のダンスホールにて行われる秋の宮廷舞踏会にて、私とレアード様のお披露目が先行して行われる事となった。この王宮のダンスホールは国の中では一番大きなダンスホール。なのでたくさんの貴族がやって来る事は想像に難くない。
(となれば、ウィルソン様とアンナさんも来るわよね……)
ウィルソン様とアンナとは会いたくない。特にアンナだ。でもアンナはよくダンスホールや社交場に顔を出しているようなので絶対来るだろうな……という諦めの気持ちが強い。
だが、宮廷舞踏会前々日のタイミングで、ある情報が女官長からもたらされてきた。
「アンナ様、お腹が膨らんできていないのですってね」
「え? そうなのですか?」
「そうみたい。今年中には生まれて来るはずだからもうお腹が膨らんでいないとおかしいのだけど……」
そう言えば避暑地へと向かい際にアンナを見た時には、彼女のお腹は膨らんではいなかった。そして今は秋。この時期にもなってお腹が膨らんで来ていないのはどう考えてもおかしい。
「だからアンナ様の嘘か想像妊娠じゃないかって噂ですよ」
「そうなのですか……」
想像妊娠についてはたまに聞いた事がある。意中の男を何としても手に入れたい、世継ぎを何としても手に入れたいという理由が要因であるパターンがダントツに多い。
で、バレたらどうするのかというと流産してしまったという事にしたり、孤児院や下層の平民街から赤ん坊を「入手」する。このどちらかだ。
(特に世継ぎに関しては適当に赤ん坊を見繕ってくる事が多いのよね。だから孤児院にいるのは男の子よりも女の子の方がほんの少しだけ多いというのも聞く……)
アンナがどう行動するか。これは気を付けて置かなければならない。
私のせいで流産したとか言われたらたまったものではないから。
(やだ、考えただけで嫌すぎる……)
夜。ダンスの練習もあったので最近はいつもより就寝時間が遅くなっている。
くたくたの身体を引きずるようにしてシャワールームでシャワーを浴びて汗を流した後は寝間着に着替えるのも面倒くさかったので下着姿で寝てしまっている。
(どうせ起きたらドレスに着替えるからいいや……)
夜明け前。目が覚めてしまった。睡眠のおかげか疲労感は大分無くなっている。ベッドから起き上がって夜明けの太陽でも見ようかなと思い、下着姿のまま誰もいないであろう中庭へと足を踏み入れた。
「おい、そんな姿を見せるなんてだめだ」
「!? れ、レアード様?!」
左横に振り返るとそこにはレアード様がいた。うそ、誰もいないと思ってたのに!
「す、すみません、すぐに……!」
「これを着ると良い」
レアード様がロング丈のジャケットを手渡してくれた。それを羽織ると彼の爽やかな香りがふんわりと鼻の奥まで届いた。これまでキスしたりしてきたけど、その時以上に香りが濃厚に感じる。あとちょっといつもより香りが違うような?
(わ、なんだかレアード様の香りに閉じ込められているみたい……)
「どうした?」
「あ、あの……良い香りだなって思って」
「香水だ。……不快じゃないか?」
「いえ、むしろこの中にいたくなってしまいます」
(わ、なんか正直に言っただけなのになんか恥ずかしい……! なんで?!)
「かわいいやつだな、本当に」
私を抱き寄せて腕を腰に回し、そのまま唇を重ねる。唇を重ねたのと同時に互いの舌が互いを求めるかのように絡みつき、放さない。
「……っ」
「ふ、……む……」
どんなデザートよりも甘くて、蕩けてしまいそうになる程のキス。それに腰には彼のごつごつしてはいるけど美しい大きな手が添えられている。その手が腰から背中へと上がっていき、私の髪を下から上へとかき上げていく。
「むっ……」
ぷはっと唇同士が離れていくと、唾液が伝ってネックレスのように滴った。
「はあ……」
「ははっ……ずっとこうしていたくなる……だが、そろそろ帰らなければな」
「あ、レアード様。どうしてこちらにいたんですか?」
「秘密の花園にいたんだ。眠れなかったからな」
そうか。確かにあそこは落ち着ける場所だ。ゆらゆらと揺らめく祭壇のろうそくに草木にツタで覆われた王家の者以外誰にも入る事が出来ない秘密の花園。
(また行ってみたいな……)
……それから、舞踏会当日。
会場には既に多くの貴族達が詰めかけてきているそうだとメイドから聞いた。私は今控室にいるのだが、そこに女官長がやって来る。
「アンナ様とウィルソン様がお越しになられました。あとラディカル子爵家も」
「そうですか……」
(やっぱり来るよね)
やっぱり来たか。ウィルソン様はともかくアンナは絶対来るよね……。ラディカル子爵家は弟達も来ているのだろうか?
もし来ているならちょっとだけでも話が出来たら嬉しい。
「やはりアンナ様のお腹は膨れていない様子。貴族の者達からも怪しむ声が出ておいでです」
「そう……」
(本人はなんて言うのでしょうね)
時間が来たので控室から移動し、廊下でレアード様と合流すると手をつないで舞台袖へと歩く。
「緊張しているか?」
「……少し」
(この程度で緊張していたら、婚約パーティー当日が持たないかもしれないし……慣らさないと)
「俺がいる。安心しろ」
そう言い切ったレアード様の顔は本当に頼もしかった。
「皆様! 王太子様とメアリー様のご登場です!」
侍従の言葉を受け、私はレアード様の腕を組み、歩く。
ステージに立つとわあっ! と花が咲いたかのような歓声が湧いた。
(あ、マルクとイーゾル!)
マルクとイーゾルの弟コンビはなんと一番真ん前に陣取って大きく拍手している。
「姉さん! 姉さん!」
「姉ちゃんめっちゃ綺麗じゃん!」
いや、綺麗と言われるのは嬉しいけどそこからバカでかい声で言われるのは恥ずかしくなるんだが、イーゾル……。
「お前の弟も来ているようだな」
と、レアード様から小声で声をかけられた。はい、そうみたいですね……。と恥ずかしさを隠しきれないまま答えるしか無かったのだった。
ステージから見下ろすと眉間に皺を寄せる両親や、複雑そうな表情を浮かべるウィルソン様、そんなウィルソン様の腕を組み、じっと私を睨みつけているアンナが見えた。
「では、このおふたりに踊っていただきましょう!」
侍従がそう呼びかけた瞬間だった。
「メアリー! 俺と踊ってくれ!」
突如、ウィルソン様がそう声をあげた。
え? なんで私と? アンナがいるじゃないか。
「メアリー! 俺は……やっぱりお前が好きだ!」
ウィルソン様の叫びに周囲は彼を驚きの目で見ながらざわめきの声をあげる。
「今更?」
「もしかして、レアード様に嫉妬しているとか?」
アンナはウィルソン様へどうして! と叫ぶが、彼はまったく聞く耳を持たない。
「メアリー! 聞いてくれ!」
ウィルソン様が貴族達をかきわけて、こちらへとやってくる。アンナも一緒だ。
「ウィルソン様! 待ってよぉ! なんでメアリー様と踊りたいのよぅ!」
「フローディアス侯爵よ、何がしたい」
「王太子殿下、メアリーを返して頂きたい……!」
「断る。そもそもメアリーへひどい態度を取っていたのはそちらだろう? そんな者にメアリーを渡す訳が無い。恥を知れ!」
広いダンスホールに嫉妬の感情が入り乱れている。
また、それに従い王宮のダンスホールにて行われる秋の宮廷舞踏会にて、私とレアード様のお披露目が先行して行われる事となった。この王宮のダンスホールは国の中では一番大きなダンスホール。なのでたくさんの貴族がやって来る事は想像に難くない。
(となれば、ウィルソン様とアンナさんも来るわよね……)
ウィルソン様とアンナとは会いたくない。特にアンナだ。でもアンナはよくダンスホールや社交場に顔を出しているようなので絶対来るだろうな……という諦めの気持ちが強い。
だが、宮廷舞踏会前々日のタイミングで、ある情報が女官長からもたらされてきた。
「アンナ様、お腹が膨らんできていないのですってね」
「え? そうなのですか?」
「そうみたい。今年中には生まれて来るはずだからもうお腹が膨らんでいないとおかしいのだけど……」
そう言えば避暑地へと向かい際にアンナを見た時には、彼女のお腹は膨らんではいなかった。そして今は秋。この時期にもなってお腹が膨らんで来ていないのはどう考えてもおかしい。
「だからアンナ様の嘘か想像妊娠じゃないかって噂ですよ」
「そうなのですか……」
想像妊娠についてはたまに聞いた事がある。意中の男を何としても手に入れたい、世継ぎを何としても手に入れたいという理由が要因であるパターンがダントツに多い。
で、バレたらどうするのかというと流産してしまったという事にしたり、孤児院や下層の平民街から赤ん坊を「入手」する。このどちらかだ。
(特に世継ぎに関しては適当に赤ん坊を見繕ってくる事が多いのよね。だから孤児院にいるのは男の子よりも女の子の方がほんの少しだけ多いというのも聞く……)
アンナがどう行動するか。これは気を付けて置かなければならない。
私のせいで流産したとか言われたらたまったものではないから。
(やだ、考えただけで嫌すぎる……)
夜。ダンスの練習もあったので最近はいつもより就寝時間が遅くなっている。
くたくたの身体を引きずるようにしてシャワールームでシャワーを浴びて汗を流した後は寝間着に着替えるのも面倒くさかったので下着姿で寝てしまっている。
(どうせ起きたらドレスに着替えるからいいや……)
夜明け前。目が覚めてしまった。睡眠のおかげか疲労感は大分無くなっている。ベッドから起き上がって夜明けの太陽でも見ようかなと思い、下着姿のまま誰もいないであろう中庭へと足を踏み入れた。
「おい、そんな姿を見せるなんてだめだ」
「!? れ、レアード様?!」
左横に振り返るとそこにはレアード様がいた。うそ、誰もいないと思ってたのに!
「す、すみません、すぐに……!」
「これを着ると良い」
レアード様がロング丈のジャケットを手渡してくれた。それを羽織ると彼の爽やかな香りがふんわりと鼻の奥まで届いた。これまでキスしたりしてきたけど、その時以上に香りが濃厚に感じる。あとちょっといつもより香りが違うような?
(わ、なんだかレアード様の香りに閉じ込められているみたい……)
「どうした?」
「あ、あの……良い香りだなって思って」
「香水だ。……不快じゃないか?」
「いえ、むしろこの中にいたくなってしまいます」
(わ、なんか正直に言っただけなのになんか恥ずかしい……! なんで?!)
「かわいいやつだな、本当に」
私を抱き寄せて腕を腰に回し、そのまま唇を重ねる。唇を重ねたのと同時に互いの舌が互いを求めるかのように絡みつき、放さない。
「……っ」
「ふ、……む……」
どんなデザートよりも甘くて、蕩けてしまいそうになる程のキス。それに腰には彼のごつごつしてはいるけど美しい大きな手が添えられている。その手が腰から背中へと上がっていき、私の髪を下から上へとかき上げていく。
「むっ……」
ぷはっと唇同士が離れていくと、唾液が伝ってネックレスのように滴った。
「はあ……」
「ははっ……ずっとこうしていたくなる……だが、そろそろ帰らなければな」
「あ、レアード様。どうしてこちらにいたんですか?」
「秘密の花園にいたんだ。眠れなかったからな」
そうか。確かにあそこは落ち着ける場所だ。ゆらゆらと揺らめく祭壇のろうそくに草木にツタで覆われた王家の者以外誰にも入る事が出来ない秘密の花園。
(また行ってみたいな……)
……それから、舞踏会当日。
会場には既に多くの貴族達が詰めかけてきているそうだとメイドから聞いた。私は今控室にいるのだが、そこに女官長がやって来る。
「アンナ様とウィルソン様がお越しになられました。あとラディカル子爵家も」
「そうですか……」
(やっぱり来るよね)
やっぱり来たか。ウィルソン様はともかくアンナは絶対来るよね……。ラディカル子爵家は弟達も来ているのだろうか?
もし来ているならちょっとだけでも話が出来たら嬉しい。
「やはりアンナ様のお腹は膨れていない様子。貴族の者達からも怪しむ声が出ておいでです」
「そう……」
(本人はなんて言うのでしょうね)
時間が来たので控室から移動し、廊下でレアード様と合流すると手をつないで舞台袖へと歩く。
「緊張しているか?」
「……少し」
(この程度で緊張していたら、婚約パーティー当日が持たないかもしれないし……慣らさないと)
「俺がいる。安心しろ」
そう言い切ったレアード様の顔は本当に頼もしかった。
「皆様! 王太子様とメアリー様のご登場です!」
侍従の言葉を受け、私はレアード様の腕を組み、歩く。
ステージに立つとわあっ! と花が咲いたかのような歓声が湧いた。
(あ、マルクとイーゾル!)
マルクとイーゾルの弟コンビはなんと一番真ん前に陣取って大きく拍手している。
「姉さん! 姉さん!」
「姉ちゃんめっちゃ綺麗じゃん!」
いや、綺麗と言われるのは嬉しいけどそこからバカでかい声で言われるのは恥ずかしくなるんだが、イーゾル……。
「お前の弟も来ているようだな」
と、レアード様から小声で声をかけられた。はい、そうみたいですね……。と恥ずかしさを隠しきれないまま答えるしか無かったのだった。
ステージから見下ろすと眉間に皺を寄せる両親や、複雑そうな表情を浮かべるウィルソン様、そんなウィルソン様の腕を組み、じっと私を睨みつけているアンナが見えた。
「では、このおふたりに踊っていただきましょう!」
侍従がそう呼びかけた瞬間だった。
「メアリー! 俺と踊ってくれ!」
突如、ウィルソン様がそう声をあげた。
え? なんで私と? アンナがいるじゃないか。
「メアリー! 俺は……やっぱりお前が好きだ!」
ウィルソン様の叫びに周囲は彼を驚きの目で見ながらざわめきの声をあげる。
「今更?」
「もしかして、レアード様に嫉妬しているとか?」
アンナはウィルソン様へどうして! と叫ぶが、彼はまったく聞く耳を持たない。
「メアリー! 聞いてくれ!」
ウィルソン様が貴族達をかきわけて、こちらへとやってくる。アンナも一緒だ。
「ウィルソン様! 待ってよぉ! なんでメアリー様と踊りたいのよぅ!」
「フローディアス侯爵よ、何がしたい」
「王太子殿下、メアリーを返して頂きたい……!」
「断る。そもそもメアリーへひどい態度を取っていたのはそちらだろう? そんな者にメアリーを渡す訳が無い。恥を知れ!」
広いダンスホールに嫉妬の感情が入り乱れている。
872
お気に入りに追加
2,290
あなたにおすすめの小説

事情があってメイドとして働いていますが、実は公爵家の令嬢です。
木山楽斗
恋愛
ラナリアが仕えるバルドリュー伯爵家では、子爵家の令嬢であるメイドが幅を利かせていた。
彼女は貴族の地位を誇示して、平民のメイドを虐げていた。その毒牙は、平民のメイドを庇ったラナリアにも及んだ。
しかし彼女は知らなかった。ラナリアは事情があって伯爵家に仕えている公爵令嬢だったのである。
完結 貴族生活を棄てたら王子が追って来てメンドクサイ。
音爽(ネソウ)
恋愛
王子の婚約者になってから様々な嫌がらせを受けるようになった侯爵令嬢。
王子は助けてくれないし、母親と妹まで嫉妬を向ける始末。
貴族社会が嫌になった彼女は家出を決行した。
だが、有能がゆえに王子妃に選ばれた彼女は追われることに……

【完】夫に売られて、売られた先の旦那様に溺愛されています。
112
恋愛
夫に売られた。他所に女を作り、売人から受け取った銀貨の入った小袋を懐に入れて、出ていった。呆気ない別れだった。
ローズ・クローは、元々公爵令嬢だった。夫、だった人物は男爵の三男。到底釣合うはずがなく、手に手を取って家を出た。いわゆる駆け落ち婚だった。
ローズは夫を信じ切っていた。金が尽き、宝石を差し出しても、夫は自分を愛していると信じて疑わなかった。
※完結しました。ありがとうございました。

継母の嫌がらせで冷酷な辺境伯の元に嫁がされましたが、噂と違って優しい彼から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
侯爵令嬢であるアーティアは、継母に冷酷無慈悲と噂されるフレイグ・メーカム辺境伯の元に嫁ぐように言い渡された。
継母は、アーティアが苦しい生活を送ると思い、そんな辺境伯の元に嫁がせることに決めたようだ。
しかし、そんな彼女の意図とは裏腹にアーティアは楽しい毎日を送っていた。辺境伯のフレイグは、噂のような人物ではなかったのである。
彼は、多少無口で不愛想な所はあるが優しい人物だった。そんな彼とアーティアは不思議と気が合い、やがてお互いに惹かれるようになっていく。
2022/03/04 改題しました。(旧題:不器用な辺境伯の不器用な愛し方 ~継母の嫌がらせで冷酷無慈悲な辺境伯の元に嫁がされましたが、溺愛されています~)

婚約したら幼馴染から絶縁状が届きました。
黒蜜きな粉
恋愛
婚約が決まった翌日、登校してくると机の上に一通の手紙が置いてあった。
差出人は幼馴染。
手紙には絶縁状と書かれている。
手紙の内容は、婚約することを発表するまで自分に黙っていたから傷ついたというもの。
いや、幼馴染だからって何でもかんでも報告しませんよ。
そもそも幼馴染は親友って、そんなことはないと思うのだけど……?
そのうち機嫌を直すだろうと思っていたら、嫌がらせがはじまってしまった。
しかも、婚約者や周囲の友人たちまで巻き込むから大変。
どうやら私の評判を落として婚約を破談にさせたいらしい。

【完結】引きこもりが異世界でお飾りの妻になったら「愛する事はない」と言った夫が溺愛してきて鬱陶しい。
千紫万紅
恋愛
男爵令嬢アイリスは15歳の若さで冷徹公爵と噂される男のお飾りの妻になり公爵家の領地に軟禁同然の生活を強いられる事になった。
だがその3年後、冷徹公爵ラファエルに突然王都に呼び出されたアイリスは「女性として愛するつもりは無いと」言っていた冷徹公爵に、「君とはこれから愛し合う夫婦になりたいと」宣言されて。
いやでも、貴方……美人な平民の恋人いませんでしたっけ……?
と、お飾りの妻生活を謳歌していた 引きこもり はとても嫌そうな顔をした。
捨てられた王妃は情熱王子に攫われて
きぬがやあきら
恋愛
厳しい外交、敵対勢力の鎮圧――あなたと共に歩む未来の為に手を取り頑張って来て、やっと王位継承をしたと思ったら、祝賀の夜に他の女の元へ通うフィリップを目撃するエミリア。
貴方と共に国の繁栄を願って来たのに。即位が叶ったらポイなのですか?
猛烈な抗議と共に実家へ帰ると啖呵を切った直後、エミリアは隣国ヴァルデリアの王子に攫われてしまう。ヴァルデリア王子の、エドワードは影のある容姿に似合わず、強い情熱を秘めていた。私を愛しているって、本当ですか? でも、もうわたくしは誰の愛も信じたくないのです。
疑心暗鬼のエミリアに、エドワードは誠心誠意向に向き合い、愛を得ようと少しずつ寄り添う。一方でエミリアの失踪により国政が立ち行かなくなるヴォルティア王国。フィリップは自分の功績がエミリアの内助であると思い知り――
ざまあ系の物語です。

不能と噂される皇帝の後宮に放り込まれた姫は恩返しをする
矢野りと
恋愛
不能と噂される隣国の皇帝の後宮に、牛100頭と交換で送り込まれた貧乏小国の姫。
『なんでですか!せめて牛150頭と交換してほしかったですー』と叫んでいる。
『フンガァッ』と鼻息荒く女達の戦いの場に勢い込んで来てみれば、そこはまったりパラダイスだった…。
『なんか悪いですわね~♪』と三食昼寝付き生活を満喫する姫は自分の特技を活かして皇帝に恩返しすることに。
不能?な皇帝と勘違い姫の恋の行方はどうなるのか。
※設定はゆるいです。
※たくさん笑ってください♪
※お気に入り登録、感想有り難うございます♪執筆の励みにしております!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる