虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する

あかのゆりこ

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【第二部】魔王覚醒編

35)小悪党の終わり

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「――なるほど、ではここまでの記憶はないのですね?」
「うむ。地下室と思わしきところで例の禁術に使う薬を飲まされ、それから気が付いたら……今になっていたのだ」

 ゆっくりと歩きつつ、グレンは教会騎士二人と現状について擦り合わせを行っていた。

 不幸中の幸い、と言うべきなのか。兵器として規則正しい健康的な生活をさせられていたグレンの肉体は、無事そのものである。

「詳細は、また拠点に戻ってから診察させてください」

 いくつか聞き取りをして、教会騎士のアマンダはそう締めくくった。結論としては、精神面も特に異常はない……ものの、数日前から今日までの記憶が一切ない事。それから、一部過去の記憶についても、混濁が見られる事。

 ただ、一番の問題であった『洗脳』については完全に解呪されているとの判断であり、これによって教会内部で出ていた魔王討伐の令は、完全に取り消しとなったのであった。

――グレンは、いくつか隠し事をしている。

 素直で直情的なグレンでも、貴族として隠し事の一つや二つはできるものだ。

 過去の記憶に混濁があるのは確かだが、それ以外にもドーヴィに関することはなるべく言及するのを避けた。

 そして、ここ数日の記憶についても、そう。記憶が無いわけではない、グレンにはドーヴィと過ごしたあの延々とピクニックの話をするだけの記憶が残っている。

(ドーヴィ……ごめん……!)

 その時は全く何も思わなかったが、今、こうして理性を取り戻してみれば……ドーヴィにとっては非常に苦痛な時間だっただろう。

 戻ってきたら、真っ先に謝ろう、とグレンは思う。

 戻ってきたら。

 ドーヴィは『必ず戻ってくる』と言っていた。グレンは、ドーヴィの事を信じている。だから、グレンもずっとドーヴィの事を待つつもりだ。

 いつになるのか、どうやって戻ってくるのかもわからないが。

 ぎゅ、とさきほど拾い上げたドーヴィのペンダントを握りしめる。小さなペンダントなのに、ドーヴィのぬくもりをグレンに思い出させてくれた。

「……」

 教会騎士――天使の一人であるアマンダは、そのグレンの姿を見て目を細める。……ここで、悪魔についてグレンから根掘り葉掘り聞き出すほど、無粋な事はしない。

 ちら、と隣のもう一人の天使である大男のゴードンを見れば、黙って目配せをしてきた。どちらとも口には出さなかったが、思うところは一緒である。

 重くなった空気を振り払うかのようにアマンダは、にこやかな笑みを浮かべて俯いてしまったグレンの顔を伺うようにした。

「こちらの状況としては、シルヴェザン元帥閣下がクレイア子爵を包囲し、現在攻略中のようです。戦力差からしても、ほぼ無傷で勝てるだろう、とのことですよ」
「! 兄上……!」

 パッと顔を上げたグレンが、喜色に満ちた声でシルヴェザン元帥の事をそう呼ぶ。その無作法も、二人の天使は聞かなかったことにしておいた。

「それにしても、クレイア子爵がこのような事をするなんて……彼女は悪魔憑きだったのか?」
「シルヴェザン元帥閣下は、その可能性が高いと仰っていましたね」

 すでにドーヴィから情報を得ていたレオンは、クレイア子爵ことモア・クレイアの背後に悪魔がいることを知っている。

 そして、この天使二人も戦乱の悪魔・フィルガーがモア・クレイアと契約したことを知っている。

 だが、強制転移させられてからすぐに薬で意識を奪われていたグレンはその事実を知らないし、この騒動に巻き込まれた大部分の人間もグレン同様に悪魔が絡んでいる事を知らない。

 自分は前に立たず、人間を戦線に出してその様子を楽しむフィルガーらしい、上手い隠れ方だった。とは言え、同じ悪魔憑きのグレンを相手にするには、肝心の契約者であるモアがあまりにも力不足であったが。

 と、その時。耳に金属音がちらりと飛び込んでくる。天使二人、アマンダとゴードンは即座にアイコンタクトを交わして警戒態勢へと移行する。

「クランストン宰相閣下……お気を付けください、近くで戦闘が発生しているようです」
「!」

 聞こえてきた金属音は、間違いなく剣と剣が打ち合わされる音。それも、かなり激しそうだ。

 騎士二人はグレンを守るような陣形に移動し、周囲を警戒しながら音が鳴り響く方へと近づく。

「先に見てくる」
「わかった」

 ゴードンを残してアマンダは一人、先行する。人間の性別上、女性騎士、というカテゴリにはなっているアマンダだが、実際は戦闘型天使であり、その戦闘力は人間の男性をも凌駕する。

 とは言え、さすがに人間であるグレンの前でそこまで実力を発揮することも無いが。

 身体強化を掛けたアマンダが一瞬で二人の目の前から姿を消した。

 ゴードンはグレンを守りつつ、そばにあった大木に身を寄せる。グレンも黙ってゴードンに従った。

 ……すぐに、アマンダが戻ってくる。戻ってきたアマンダの顔は、やや緊迫した色を帯びていた。グレンをちら、と見てから、ゴードンに視線を戻して見てきた内容を話し出す。

「後続の騎士達が、敵の残党と戦闘中です」
「おお……助太刀が必要そうか?」
「ええ。かなりの手練れ集団らしく……苦戦していますね」

 天使二人が残っているはずだが、それでも苦戦するとは。ゴードンは思案気な顔をする。

 その表情から事態を察したグレンが口を開いた。

「私には構わず、救援に行ってやれないか」
「いえ、しかし、それでは閣下の身が……」
「私も一応は戦える方だ。気にしないでくれ」

 気にしないでくれ、と言われてはいそうですか、とならないのが教会騎士……だが、二人はグレンの実力を知っている。悪魔の力を身に宿した、この世界の要警戒人物ランキング上位に入るこの少年の実力を。

「……では、失礼いたします」

 そう言ってアマンダは駆けだした。ゴードンもグレンに一礼をしてから、アマンダに続く。

 残されたグレンも、何か助けになれば、と思い音のする方へと小走りに足を向けた。残念ながら、グレンは身体強化の魔法が非常に苦手だ。ドーヴィ曰く「無い物は強化しようが無いからなぁ」とのこと。

 無いとはどういうことだ! と怒ったのも懐かしい。思わず、グレンは鼻をすする。少しの思い出でも、緩んだ涙腺にはよく響く。

 せっかくアマンダから大好きな兄の活躍を聞いて一瞬で持ち直した気分も、しおしおと枯れてしまった。グレンはすっかり肩を落としながら、剣戟の音がする方へと近づく。

 木を盾にしながら覗いてみれば。そこには、白銀の鎧に身を包んだ教会騎士数人と小汚い姿をした盗賊のような男たちが剣を交えていた。

 すでに地面には何人かが横たわっており、そこには教会騎士らしき人物も倒れている。

 本来であれば盗賊程度に引けは取らない教会騎士達だが、今回は純粋に人数の差で押し負けているようだ。

 何とか支援できないか、と戦況を冷静に見極めていたグレンだったが――剣を取り、暴れる人間達の中に、見知った顔を見つけて一瞬で怒髪天を衝くほどの怒りを覚えた。

「貴様ァッ! ザトー!」
「!! グレン・クランストン! なぜここにっ!」

 飛び出したグレンに、慌てたのはアマンダとゴードンだ。グレンが突出した魔力量の持ち主であり、魔術師としての力量も確かなものだと知ってはいる。が、かと言って近接戦闘が行われている戦場に足を踏み込めるほどの武術の心得は無いはずという事も、知っている。

「クランストン宰相閣下! お下がりください!」

 そう言うが、グレンの視線は一点、今回の事件の黒幕と言っても過言ではないザトーにのみ注がれており。……それはそうだろう、グレンが意識を失う前に、最後に会った『敵』なのだから。

 あの時、ザトーは執事の皮を投げ捨ててずいぶんとグレンに乱暴を働いた。それだけではない、明らかに自分がクレイア子爵を操ってこの事態を引き起こした、と言わんばかりに、丁寧に説明してくれたのだ。

 記憶が混濁してようとも、その時に覚えた怒りをグレンは忘れていない。大切なクラスティエーロ王国民の平和を脅かそうとするザトーに対する、激しい怒りを。

 対するザトーは、逆にグレンを見て怯えた表情を見せた。それまで、教会騎士相手に勇猛果敢に剣を振るっていたと言うのに。

「こ、ここまで逃げてきたんだぞっ!?」

 予期せぬ相手を前に、ザトーは狼狽えた声で言葉を吐いた。フィルガーに貰った助言通りに、包囲した王都の騎士達を何とか突破して、もうすぐ逃げ果せると言ったところだったのに。

 ザトーの目の前で、グレンが右手を振り上げる。それはこの数日で、何回も見た姿だった。

「てめえら! 避けろ!」
「お頭!?」

 避けろ、と言われて回避できるなら、全員無傷で戦場から脱出できるはず。それができないから、命を落とす戦士がいるわけで。

「貴様だけは、許さん! 王国の敵めっ!」

 何なら、ドーヴィを殺した犯人でもあるのだ。そう思ったら、グレンの怒りはもはや怒髪天を超えて、神にまで届く勢いだ。

 怒りと共に射出されたグレンの得意技である氷の槍は、ザトー達目掛けて一直線に進む。それは普通の人間なら回避不能な速度であるが――歴戦の傭兵であるザトーならば。

 振り上げた右手と、氷の槍の先端。そこから、着弾する場所を推測して、回避する。ドーヴィが行った事を、同じようにザトーも本能レベルの反射神経で行う。

 ザトーが寸前で氷の槍を回避し、回避したことにニヤリと口角を上げた。

 ……が。グレンとて、ドーヴィとずっとピクニックの話だけをしていたわけではないのだ。

 間髪入れず、グレンは氷の槍を撒き散らす。

 そして、振り上げた右手をぐっ、と握りこんだ。

 その瞬間、氷の槍が空中で爆発し、小さな氷の礫となってザトー達へ襲い掛かる。

「!!」

 例え礫と言えども、その大きさは十分に威力があるもの。思わず、それぞれが足を止め、あるいは地面に崩れ落ちる。

「まだだっ!」

 さらにグレンは右手を振り下ろした。その瞬間、ザトー達の足元に大きな穴が開く。

「うおおおおっ!!」

 各場所でで悲鳴と共に、盗賊の様な姿の男達だけが、地面に飲み込まれていった。

「……このまま、埋めて殺しても良いのだが」

 地面の下から響く怒声と悲鳴を聞きながら、グレンは歩みを進める。そして、ザトーが埋もれた穴の前で、立ち止まり。

「敵には手加減をしろ、と言われていたからな」

 穴の上でグレンがぐっと握り拳を作ると、土から木の根の様なものが突然生え始め、穴の上に蓋を作った。土で埋めるのではなく、木の根で封をする。これならば這い上がってきても出れはしないが、空気不足で窒息することもない。

 グレンはくるり、と振り返り、剣を持ったまま固まっている教会騎士の面々を見る。

「こいつらは、私に対して禁術を発動させた人間達だ。捕えて拷問して、詳細を聞き出す必要があるだろう」
「……はっ。宰相閣下の仰る通りです」

 拷問、する必要あるのか……? と一瞬だけアマンダは疑問が頭を過ったが、黙って敬礼を返すに留めておいた。下手に藪を突いたら、蛇が出るだろうことは、さすがのアマンダにも理解できたのだ。


 ……ふと、ドーヴィから「敵に手加減しろとは言ったけどそっちじゃねえ!」と言われたような気がして、グレンは空を見上げた。しかし、視界に入るのは鬱蒼と生い茂る木々のみで。

「気のせい……かぁ……」

 早くもドーヴィが恋しくなって、幻聴でも聞こえたのかもしれない。ザトーを(グレンなりに)懲らしめて多少は溜飲を下げていたものの、違うところでまたしてもグレンの気持ちは下り坂になってしまったのであった。

---


ローデン「手加減して欲しいのはこちらです閣下!!!」


しばらくは落ち着いた進行です(落ち着いた……??)

グレンくんと教会の距離感と言うか口調とか態度とか、たぶん以前からガバガバ設定を発揮してしまって
バラバラになってるのでそのうち直すかもしれません
なんか最初の頃は教会に敬語使ってたっぽいけど今は偉そうな態度になってる
まあグレンくん本当に偉くなっちゃったので……
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