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その他小ネタ
お昼寝なお話
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その日の政務室には、異様な緊張が走っていた。
「……ん……」
小さく零れた声は、この部屋の主であるクランストン宰相閣下の物。静まり返った政務室に、その声は驚くほど大きく響いた。
そして、その声を聞いた政務官達は、誰ともなく顔を見合わせ、思いを一つにする。
――閣下が、居眠りしている……!!
小柄な体に不釣り合いな大きな執務机と椅子に挟まれたグレン・クランストンは、ペンを片手に持ったままこくり、こくりと首を揺らしていたのだった……! 寝てる! これは間違いなく寝てる!
だがしかし。宰相閣下に申せる立場のアンドリューもマリアンヌもちょうど席を外している。さらに間の悪い事にクランストン宰相のモンペ……違った、護衛のドーヴィも軍部に用事があって出かけていたのだった。
どうする、どうする、と政務官たちが囁き合っている間に、クランストン宰相の頭はどんどん落ちていく。
(まずい、このままでは書いたばかりの書類に顔が当たってしまう……!)
するとどうなるか。乾いていないインクが閣下の顔にべったりと着く。インクで顔が汚れるということは、クランストン宰相閣下をピカピカに磨き上げる事に精を出していると噂のドーヴィ殿の逆鱗に触れる。
イコール、死。
しかーし! 気持ちよさそうにこっくりこっくりしているクランストン宰相閣下を起こすのも忍びない!
これがマリアンヌであれば「閣下、ベッドのご用意ができております」とスムーズに仮眠室へ案内できるのだが、あいにく室内にいる下っ端政務官達にはそこまでの勇気はなかった。
例え優しいクランストン宰相閣下と言えども、やはり下っ端からすると恐ろしい殿上人でもあるのだ。
と、政務官達が右往左往しているとも知らず、グレンは口をむにゃむにゃと動かし……突然、びくりと肩を震わせた。
「……へぁっ! ……うーん……」
同時に気の抜けた変な声を上げ、少しばかり顔を上げたが。また、低く唸って頭を下げてしまった。
一瞬、閣下が起きた! とざわめいた政務室に、再び緊張が戻る。
ところでクランストン宰相閣下、寝言も可愛いですね? と余計な一言が囁かれたが、他の政務官に脇腹を肘打ちされて黙った。護衛の地獄耳を考えれば、確かに黙っておいた方が身のためかもしれない。
「……どうするよ、これ」
「ドーヴィ様も戻ってくるまでまだまだかかりそうなのでしょ? もう起こすしかないのでは……」
「誰が起こすんだよ」
「私は仮眠室の用意をした方が良いと思うわ」
ぼそぼそぽそぽそごそごそ。室内の政務官達が頭を寄せ集めて内緒話をしている。お前ら仕事しろ。
そして、クラスティエーロ王国の頭脳である彼らが出した答えは……『とりあえず全部準備する』だった。なるほどさすが国家運営の頭脳、どのようなパターンも取りこぼさない、全てに対応して見せると言う気概を感じられる。……本当か?
まあとにかく。
一人はドーヴィに早く戻るように軍部へ走り出し。もう一人は城内視察中のアンドリューを呼びに向かい。
そして仮眠室を準備するようにメイドを呼びだし、クランストン宰相閣下の仕事が滞っても問題ないかを全て確認し。
それからそれから、関係各所とのスケジュール調整にてんやわんや。居眠りしている少年だろうが、その身は一国の宰相なわけで、仕事や会合やその他諸々の調整は非常に難しいのだ。
……つまり、それらを全部軽々と調整してクランストン宰相閣下を簡単に寝かしつけるドーヴィやマリアンヌ達の方がだいぶおかしい。人間離れしている。確かに一人は人外だが、残り二人のマリアンヌとアンドリューは普通の人間だぞ……?
「準備、良し!」
仕事を放り投げてバタバタと宰相閣下のお昼寝準備を終えた政務官達は、ついに最後の仕事に取り掛かる事にする。そう、宰相閣下への声掛けだ。
ごくり、と誰ともなく唾を飲み込む。声を掛ける生贄もとい代表者は、一番年長の人間だ。
(以前の宰相に比べればマシ、比べれマシ……)
そう心の内で唱えながら、小さく名前を呼ぶ。
「閣下、宰相閣下……」
「ん……んー……」
「クランストン宰相閣下……っ!」
なかなか起きないグレンに、たまらず代表者は肩を軽く叩く。その途端、グレンは悲鳴と共に文字通りに飛び上がって椅子から転げ落ちた。
「大丈夫ですか!?」
慌てて周囲の政務官達が駆け寄り、グレンを助け起こす。その際にも、グレンの口からは小さな悲鳴が漏れた。
「ヒッ……」
しばらく助け起こされたままに目をぱちぱち、寝起きの顔をしていたグレンだったがそのうち状況を把握したのか心配そうに自分を見る面々の顔を順番に見渡した。
そう、グレンの悲鳴で「あ、これ後でドーヴィ殿に〆られるやつだ」と全員顔を真っ青にしている面々の顔を。
「お、おお……?」
「コホン、閣下の体調がお悪い様でしたので、お声がけいたしました」
断じて居眠りしていたから起こしました、とは言わない。絶対に言わない。それは過保護なドーヴィに追いかけ回されて全員窓から吊るされるから、というわけではなく、純粋に上位の存在に恥をかかせてはならないという、ごく一般的な配慮だ。
何度も言うが、こんなに可愛くて妙な悲鳴をあげる年若い少年であっても、ここにいる誰よりも偉い立場にいる圧倒的殿上人である。まかり間違っても子供扱いしてはならない。
「仮眠室のご用意ができておりますので、どうぞそちらでお休みください」
「スケジュール等はある程度調整済みです」
「現在、緊急で閣下のサインが必要な書類がないことも確認終わっております」
ずいっとグレンを取り囲んだ政務官達が流れるように次々にグレンへと告げた。グレンは目を白黒させながら「う、うむ……」とあいまいに頷く。
が。頭を勢いよく振ると、グレンはシャキッと背筋を伸ばして立った。小柄なグレンであれども、その身に宿るある種のカリスマは確かに存在している。ぐっと拳を握り仁王立ちすれば、そこにいるのは先ほどまで居眠りしていた少年とは思えない。
「……い、いや、それには及ばん。仕事があるからな。私の体調は別に、問題ないぞ!」
……そう言われてしまうと、困ってしまうのが政務官達だ。ここでドーヴィやマリアンヌのように適当にあしらって仮眠室に連れて行くことができれば良いが、あいにくそこまでの高等技術を誰も持ち合わせていない。
それぞれが「どうする?」と視線を交わす中、グレンはそそくさと椅子に座り直してペンを持つ。
「迷惑をかけたな。私の事は気にせず、皆も仕事に戻りなさい。私も仕事に戻る――」
「誰が仕事に戻るって?」
「!」
グレンがさきほどとは違う意味で体を小さくピョン!と跳ねさせた。ちなみに、全く同じように政務官達も小さく跳ねてからピーンと背筋を伸ばした。
この低い声は。もはや振り返るまでも無く、わかる。ほんのり怒りが滲んでいる声……!
「ドーヴィ!」
「ったく、『閣下の体調が悪そうだからなるべく早く戻ってきてください』って言われて帰ってきてみればよぉ」
「! べ、別に、私は体調不良ではないぞ!」
グレンが慌てて両手を振るが、ドーヴィはそれをじろりと睨んだ。そして無言でブーツの音を響かせて執務机に近づくと、椅子に座っているグレンを器用に椅子と机の間から引き抜いて肩に担ぐ。
「うわぁっ!」
「体調不良者はとっととベッドに行けっつーんだよ」
「だから! 私は別に平気だと!」
ドーヴィの肩の上でグレンがじたばたと暴れるが、ドーヴィはそれを物ともせずにスタスタと仮眠室へと足を向ける。
……しばらく。クランストン宰相閣下殿が喚く声が聞こえてきていたが、それもそのうちぱたりと消えなくなった。
静かになった政務室の中で、政務官達はピシリと固まったまま、ごくりと唾を飲み込む。
仮眠室の方から、足音が聞こえてきた。聞き慣れた、政務室の中で唯一の硬い音を響かせるブーツの音が。
「……よお、グレン様が世話になったな」
ヒャア、と悲鳴を上げなかっただけマシだろう。のっそりと政務室に顔を出したドーヴィに、政務官達は再度、直立不動になりながらむやみやたらに首を縦に振った。
そんな面々を一通り見渡した後、ドーヴィはふぅと息を吐く。
平民と言う身分であっても、ドーヴィは宰相付きの秘書であり、立場は上である。そして何より、シンプルに怖い。怖い。
草食系が集まっている政務官達にとって、肉食動物を想起させる鋭い眼差しと武官のような逞しい体を持ったドーヴィは、何をしでかさなくても普通に怖いのだ。
「今回の件、ご苦労だった。それから、今後もグレン様が体調不良……いや、居眠りをするようなら、今回のように対処して欲しい。よろしく頼む」
「はっはいっ!」
ドーヴィはそれだけを言いおき、また仮眠室の方へと戻っていったようだった。
ドーヴィが姿を消して、それでもしばらくは緊張が張り詰めたままの政務室。それがようやく弛緩したのは、慌てた様子で戻ってきたアンドリューのおかげだった。
「アンドリュー様~!」
「死ぬかと思いました……」
「ううっ、怖かった……!」
……大の大人である政務官達に泣きつかれ、アンドリューは思わず天を仰いだらしい。
---
何が書きたかったかってそりゃもうこっくりこっくり居眠りしちゃうグレンくん可愛いって話ですよ(そんなストレートな
そして寝てる!ってざわつくモブたちを書きたかった
書いてても面白くはないけど毒にもならない感じです
ちなみにドーヴィに窓から吊るされた人はいます(え???
「……ん……」
小さく零れた声は、この部屋の主であるクランストン宰相閣下の物。静まり返った政務室に、その声は驚くほど大きく響いた。
そして、その声を聞いた政務官達は、誰ともなく顔を見合わせ、思いを一つにする。
――閣下が、居眠りしている……!!
小柄な体に不釣り合いな大きな執務机と椅子に挟まれたグレン・クランストンは、ペンを片手に持ったままこくり、こくりと首を揺らしていたのだった……! 寝てる! これは間違いなく寝てる!
だがしかし。宰相閣下に申せる立場のアンドリューもマリアンヌもちょうど席を外している。さらに間の悪い事にクランストン宰相のモンペ……違った、護衛のドーヴィも軍部に用事があって出かけていたのだった。
どうする、どうする、と政務官たちが囁き合っている間に、クランストン宰相の頭はどんどん落ちていく。
(まずい、このままでは書いたばかりの書類に顔が当たってしまう……!)
するとどうなるか。乾いていないインクが閣下の顔にべったりと着く。インクで顔が汚れるということは、クランストン宰相閣下をピカピカに磨き上げる事に精を出していると噂のドーヴィ殿の逆鱗に触れる。
イコール、死。
しかーし! 気持ちよさそうにこっくりこっくりしているクランストン宰相閣下を起こすのも忍びない!
これがマリアンヌであれば「閣下、ベッドのご用意ができております」とスムーズに仮眠室へ案内できるのだが、あいにく室内にいる下っ端政務官達にはそこまでの勇気はなかった。
例え優しいクランストン宰相閣下と言えども、やはり下っ端からすると恐ろしい殿上人でもあるのだ。
と、政務官達が右往左往しているとも知らず、グレンは口をむにゃむにゃと動かし……突然、びくりと肩を震わせた。
「……へぁっ! ……うーん……」
同時に気の抜けた変な声を上げ、少しばかり顔を上げたが。また、低く唸って頭を下げてしまった。
一瞬、閣下が起きた! とざわめいた政務室に、再び緊張が戻る。
ところでクランストン宰相閣下、寝言も可愛いですね? と余計な一言が囁かれたが、他の政務官に脇腹を肘打ちされて黙った。護衛の地獄耳を考えれば、確かに黙っておいた方が身のためかもしれない。
「……どうするよ、これ」
「ドーヴィ様も戻ってくるまでまだまだかかりそうなのでしょ? もう起こすしかないのでは……」
「誰が起こすんだよ」
「私は仮眠室の用意をした方が良いと思うわ」
ぼそぼそぽそぽそごそごそ。室内の政務官達が頭を寄せ集めて内緒話をしている。お前ら仕事しろ。
そして、クラスティエーロ王国の頭脳である彼らが出した答えは……『とりあえず全部準備する』だった。なるほどさすが国家運営の頭脳、どのようなパターンも取りこぼさない、全てに対応して見せると言う気概を感じられる。……本当か?
まあとにかく。
一人はドーヴィに早く戻るように軍部へ走り出し。もう一人は城内視察中のアンドリューを呼びに向かい。
そして仮眠室を準備するようにメイドを呼びだし、クランストン宰相閣下の仕事が滞っても問題ないかを全て確認し。
それからそれから、関係各所とのスケジュール調整にてんやわんや。居眠りしている少年だろうが、その身は一国の宰相なわけで、仕事や会合やその他諸々の調整は非常に難しいのだ。
……つまり、それらを全部軽々と調整してクランストン宰相閣下を簡単に寝かしつけるドーヴィやマリアンヌ達の方がだいぶおかしい。人間離れしている。確かに一人は人外だが、残り二人のマリアンヌとアンドリューは普通の人間だぞ……?
「準備、良し!」
仕事を放り投げてバタバタと宰相閣下のお昼寝準備を終えた政務官達は、ついに最後の仕事に取り掛かる事にする。そう、宰相閣下への声掛けだ。
ごくり、と誰ともなく唾を飲み込む。声を掛ける生贄もとい代表者は、一番年長の人間だ。
(以前の宰相に比べればマシ、比べれマシ……)
そう心の内で唱えながら、小さく名前を呼ぶ。
「閣下、宰相閣下……」
「ん……んー……」
「クランストン宰相閣下……っ!」
なかなか起きないグレンに、たまらず代表者は肩を軽く叩く。その途端、グレンは悲鳴と共に文字通りに飛び上がって椅子から転げ落ちた。
「大丈夫ですか!?」
慌てて周囲の政務官達が駆け寄り、グレンを助け起こす。その際にも、グレンの口からは小さな悲鳴が漏れた。
「ヒッ……」
しばらく助け起こされたままに目をぱちぱち、寝起きの顔をしていたグレンだったがそのうち状況を把握したのか心配そうに自分を見る面々の顔を順番に見渡した。
そう、グレンの悲鳴で「あ、これ後でドーヴィ殿に〆られるやつだ」と全員顔を真っ青にしている面々の顔を。
「お、おお……?」
「コホン、閣下の体調がお悪い様でしたので、お声がけいたしました」
断じて居眠りしていたから起こしました、とは言わない。絶対に言わない。それは過保護なドーヴィに追いかけ回されて全員窓から吊るされるから、というわけではなく、純粋に上位の存在に恥をかかせてはならないという、ごく一般的な配慮だ。
何度も言うが、こんなに可愛くて妙な悲鳴をあげる年若い少年であっても、ここにいる誰よりも偉い立場にいる圧倒的殿上人である。まかり間違っても子供扱いしてはならない。
「仮眠室のご用意ができておりますので、どうぞそちらでお休みください」
「スケジュール等はある程度調整済みです」
「現在、緊急で閣下のサインが必要な書類がないことも確認終わっております」
ずいっとグレンを取り囲んだ政務官達が流れるように次々にグレンへと告げた。グレンは目を白黒させながら「う、うむ……」とあいまいに頷く。
が。頭を勢いよく振ると、グレンはシャキッと背筋を伸ばして立った。小柄なグレンであれども、その身に宿るある種のカリスマは確かに存在している。ぐっと拳を握り仁王立ちすれば、そこにいるのは先ほどまで居眠りしていた少年とは思えない。
「……い、いや、それには及ばん。仕事があるからな。私の体調は別に、問題ないぞ!」
……そう言われてしまうと、困ってしまうのが政務官達だ。ここでドーヴィやマリアンヌのように適当にあしらって仮眠室に連れて行くことができれば良いが、あいにくそこまでの高等技術を誰も持ち合わせていない。
それぞれが「どうする?」と視線を交わす中、グレンはそそくさと椅子に座り直してペンを持つ。
「迷惑をかけたな。私の事は気にせず、皆も仕事に戻りなさい。私も仕事に戻る――」
「誰が仕事に戻るって?」
「!」
グレンがさきほどとは違う意味で体を小さくピョン!と跳ねさせた。ちなみに、全く同じように政務官達も小さく跳ねてからピーンと背筋を伸ばした。
この低い声は。もはや振り返るまでも無く、わかる。ほんのり怒りが滲んでいる声……!
「ドーヴィ!」
「ったく、『閣下の体調が悪そうだからなるべく早く戻ってきてください』って言われて帰ってきてみればよぉ」
「! べ、別に、私は体調不良ではないぞ!」
グレンが慌てて両手を振るが、ドーヴィはそれをじろりと睨んだ。そして無言でブーツの音を響かせて執務机に近づくと、椅子に座っているグレンを器用に椅子と机の間から引き抜いて肩に担ぐ。
「うわぁっ!」
「体調不良者はとっととベッドに行けっつーんだよ」
「だから! 私は別に平気だと!」
ドーヴィの肩の上でグレンがじたばたと暴れるが、ドーヴィはそれを物ともせずにスタスタと仮眠室へと足を向ける。
……しばらく。クランストン宰相閣下殿が喚く声が聞こえてきていたが、それもそのうちぱたりと消えなくなった。
静かになった政務室の中で、政務官達はピシリと固まったまま、ごくりと唾を飲み込む。
仮眠室の方から、足音が聞こえてきた。聞き慣れた、政務室の中で唯一の硬い音を響かせるブーツの音が。
「……よお、グレン様が世話になったな」
ヒャア、と悲鳴を上げなかっただけマシだろう。のっそりと政務室に顔を出したドーヴィに、政務官達は再度、直立不動になりながらむやみやたらに首を縦に振った。
そんな面々を一通り見渡した後、ドーヴィはふぅと息を吐く。
平民と言う身分であっても、ドーヴィは宰相付きの秘書であり、立場は上である。そして何より、シンプルに怖い。怖い。
草食系が集まっている政務官達にとって、肉食動物を想起させる鋭い眼差しと武官のような逞しい体を持ったドーヴィは、何をしでかさなくても普通に怖いのだ。
「今回の件、ご苦労だった。それから、今後もグレン様が体調不良……いや、居眠りをするようなら、今回のように対処して欲しい。よろしく頼む」
「はっはいっ!」
ドーヴィはそれだけを言いおき、また仮眠室の方へと戻っていったようだった。
ドーヴィが姿を消して、それでもしばらくは緊張が張り詰めたままの政務室。それがようやく弛緩したのは、慌てた様子で戻ってきたアンドリューのおかげだった。
「アンドリュー様~!」
「死ぬかと思いました……」
「ううっ、怖かった……!」
……大の大人である政務官達に泣きつかれ、アンドリューは思わず天を仰いだらしい。
---
何が書きたかったかってそりゃもうこっくりこっくり居眠りしちゃうグレンくん可愛いって話ですよ(そんなストレートな
そして寝てる!ってざわつくモブたちを書きたかった
書いてても面白くはないけど毒にもならない感じです
ちなみにドーヴィに窓から吊るされた人はいます(え???
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頑張れ、ドーヴィ笑
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笑ってもらえてよかったです!!(ドーヴィ曰く笑えねえ!だそうで……)
少なくともグレンくんが18歳になっていろいろ解禁されたら戻るはずです笑
その日があるかもしれないのでお楽しみに!!!!