『性』を取り戻せ!

あかのゆりこ

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本編

37)おなかいっぱい

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 ドーヴィがかぷり、とグレンの胸の飾りを口に含む。

「ひゃっ!」

 色気、と言うよりは可愛いの成分が若干多めな悲鳴を上げたグレンだ。

 小さいながらも立派に服の下で存在を主張している粒を、ドーヴィは歯で挟んで前後に扱く。自らの指で弄っていた時よりも強い刺激に、グレンは肩を震わせながら感じ入っていた。

「ふっ……ぁっ……ん……」

 ドーヴィは唇で挟み直して、やわやわと揉みしだく。強い刺激から一転、柔らかなものに包まれた甘い刺激に、グレンはどこか不服そうに息を漏らす。

 それを喉奥だけでクッと笑ったドーヴィは、グレンの腰を掴んで下から大きく突きあげた。

「あっ!」

 ……今度は、だいぶ色気のついた叫び声を。

 気を良くしたドーヴィは、上と下からグレンを責め立てる。

 もちろん、服と言う壁があるから、ドーヴィの与える刺激は間接的なものだ。それでも、やはり赤い実の成分によって高められている体にはなかなか厳しいのか。グレンは目を潤ませて、快楽を逃がそうと首を振る。

 ズボンと言う壁に阻まれていても、ドーヴィの棒の先端はグレンの下の口をぐりぐりと押し広げるように動く。痛みが発生しないぎりぎりのところで、ドーヴィは円を描くように腰を動かした。

 くぷり、とハマった先端がじわりじわりとグレンの下の口の入り口、縁を責め立てる。

 それと同時に、ドーヴィはグレンの胸を両方とも丁寧に可愛がった。可愛らしい小さな粒だけでなく、その周囲の薄い肉まで大きな口で覆い、吸い上げる。

「やっ、ぁ……んっ……ぁっ、ドーヴィ、それ、はっ……!」
「きもちいいだろ?」

 舌先で胸の粒を突きながら、ドーヴィはグレンを見上げて笑う。ドーヴィの腰の上で大きく股を開いて喘ぎ悶えていたグレンは……少し時間を置いてから小さく頷いた。

 低く笑いを零すドーヴィと、恥ずかしそうに目を伏せるグレン。ドーヴィは笑いつつも、片手を伸ばしてグレンの頭を撫でた。そのまま、手を滑らせて顎の下をくすぐり、鎖骨を撫でる。その小さな愛撫でも、グレンは敏感に反応して熱い吐息を漏らした。

「あの実の効果もだいぶ出てるんだろうな」
「ふぁ……ぞくぞく、するぅっ……やぁっ……」

 普段より間違いなく敏感になり、快楽に弱くなっているグレンの体。それをドーヴィは余すところなく、手を這わせ、口を這わせ、舌を這わせ、時に自身の武器で突きまわし、存分に堪能した。

 全身から生み出される快楽の波に翻弄され、グレンは瞳に涙を溜めてドーヴィに訴える。

「あっ、や、ドーヴィ、へん、だってぇっ……!」
「変、じゃなくて、気持ちいい、な。ほら、言ってみろ」
「き、きもち、いいっ……」
「グレン、どこ触って欲しい? どこも気持ちいいだろう?」

 抱き上げたグレンの股間を、下から膝頭でぐりぐりと責め上げながらドーヴィはグレンの耳に低い声で囁いた。もちろん、耳をしゃぶることも、舐ることも忘れない。耳が弱いグレンは、ドーヴィが楽しそうに耳の穴に舌を差し入れるだけで、甲高い悲鳴をあげて体を震わせる。

「み、みみは、いやっ……!」
「本当に耳弱いよなぁ……で、耳以外ならどこがいいって?」
「う、うう……えっと……ま、まえ……」

 そう言って、グレンは顔を真っ赤にしながら、自身の股間を手で覆った。お上品な言葉が咄嗟に出てこなかったらしい。それなら別に幼児語で訴えてくれても構わないんだがなぁ、と思うドーヴィだ。

 可愛いじゃないか、グレンが恥ずかしそうにしながらおちん……いや待て、それを言わせたらなんか天使に怒られそうな気がする。ドーヴィは寸前でハッ! と気が付いた。どうやら謎の赤い実の成分で興奮しているのは、グレンだけではないようだ。危なかった。

「ここが一番気持ちいいっていうのは、男なら当然だからな」
「う、ん……あんっ……あっ……」
「どんどん気持ち良くなっていいんだぞ」

 それこそ、すっきり射精するぐらいまで。

 あれだけ、過去のトラウマが原因で勃起不全に悩まされていたグレンが、今や少しの刺激でもしっかり身を固くし、さらに「触られて気持ち良い」と認めるまでになった。

 普通の男なら当然の事でも、グレンにとってはとても大きな進歩だ。徐々にではあれども、グレンもまた、過去を克服しようと頑張っているのだ。

「ぁ……あ、きもち、いい……それ、まえ、さきっぽ……」

 ドーヴィに半ば抱き着く形になりながら、グレンはドーヴィの肩に顔を埋めて小さく喘ぐ。もちろん、ドーヴィもそんなグレンを抱きしめてやりながら、優しくグレンの気持ちいいところを撫で回した。

「……グレン、どうだ、出そうか?」
「んっ……わ……わかん、ない……」

 グレンは声を固くして、ドーヴィの質問に答えた。やはり、出せと言われると過去が頭を過ってプレッシャーとなるのだろう。そんなグレンの頭を撫でてつつドーヴィは低い甘ったるい声で「そうか、無理はしなくていいからな」と囁いた。

 その囁きでぶるりと体を震わせ、また一つ甘やかされて蕩けたグレンは、おずおずと口を開いた。

「ふぁ……ドーヴィ……むね、も、さわって……っ」
「そっちもか。いいぞ、両方可愛がってやる」
「んっ……」

 ドーヴィが胸と股間を、それぞれに可愛がる。

 じんわりと広がっていく快楽の波は、まるでお湯に浸かっているようでもあり、頭がぼうっとしてくる。グレンはドーヴィに縋るように抱き着きながら、熱い吐息を漏らし続けた。

 熱に浮かされていても、その熱を発散する術をグレンはまだ知らない。だからずっと、その熱が体に溜まり続け……少しばかり苦しくなってくる。

「んんっ、ドーヴィ、もう……」
「もうお腹いっぱいか?」
「……うん」

 苦しいけど、嫌じゃない。それをどう伝えたら良いかわからず、グレンは困ったようにドーヴィを見上げた。そうすれば、大人のドーヴィは的確にグレンの気持ちを汲み取ってくれる。

 ……その、包容力の高さとでも言うべきか。そうしてドーヴィがグレンの願いをしっかりと汲み取って、ちゃんと昇華してくれることが、グレンにとっては何よりも気持ち良かった。自分が、世界中の誰よりも大切にされて、甘やかされて……愛されているようで。

 ドーヴィはグレンを抱え直すと、あちこちに口づけの雨を降らせた。それは舌を絡める激しい物ではなく、溜まった熱を吸い上げるかのように優しく、そして甘やかだ。

 荒い呼吸も徐々に落ち着き、グレンは目を伏せてドーヴィに体を完全に預けた。気持ちいいけど苦しくて、苦しいけど嫌じゃない。だけど、今のグレンにそれらをすべて受け止めるのは難しかった。

 ちゃんとドーヴィはそれを理解して、責める手を止める。さすがのドーヴィも、グレンがこれまでの契約者とは全く違うということを学習したのだ。これ以上愛撫を施しても、グレンは追い詰められるだけ。

「何事も腹八分目がいいからな。今日はこれぐらいにしておくか」
「うん……おなか、いっぱい」
「ハハハ、そりゃ良かった」

 ドーヴィは、グレンに性的な行為は気持ち良くて楽しくて、幸せな事だと知って貰いたいだけだ。それをうまく言語化できないなりに、おなかいっぱいと答えたグレンも実に可愛らしい。
 
 幼子をあやすように、背中をぽんぽんと軽く叩くと、グレンはますます背中を丸めてドーヴィにしがみつく。

「……ドーヴィとこういう事するのは、嫌いじゃないからな」
「おお、そうかそうか、そりゃ良かった」
「だけど……僕はどうしたらいいかわからないし……すぐ、お腹いっぱいに、なっちゃう、から……」

 どうやらドーヴィの契約主は、ドーヴィの手を止めさせてしまった事を気に病んでいるようだ。グレンは根っからの真面目人間で、そして他人に対して優しすぎる。

「俺はお前が少食なのもわかってるさ。グレンはグレンなりの速度で慣れていけばいい」
「ドーヴィは、それでいいのか?」
「いい。構わない。……というか、あれだな、お前が18歳になるまで結局手を出せないと思うとだな……」

 割と切実な問題だった。

 そう、グレンは成人済みの16歳であって、多少はお目こぼしされる年齢だが盛大にはお目こぼししてくれない年齢だ。

 今日だって例の赤い実で盛り上がってしまって……ドーヴィとしてはだいぶ理性を鉄壁にするのが大変だったりする。もう今すぐにでも服を脱がして、その下にある胸の小さな粒も、精通済みなのに元気がない分身も、後ろのもう一つの口も、全部直接触れたかったのだ。

 だがしかし、それはなかなかハードルが高い。警告してきた天使を全員返り討ちにすることもできるが、それはそれでド派手な戦いになってグレンの気が休まらないだろう。

「そ、そうか……なあドーヴィ」
「なんだ?」
「……18歳になったら、もっと……激しくなる、のか?」

 その質問をしたグレンの瞳は。恐怖に揺れているようでもあり、期待に満ちて輝いているようでもあった。

 それに応えるなら、ドーヴィの回答は一つ。

「そりゃもちろん。もっと激しいに決まってるだろ」
「もっと激しい……」
「こんなもんじゃないぐらい激しい」
「激しい」

 おうむ返しに繰り返し。グレンはもう一度、「はげしい……」と小さく呟いた。ボッ、と顔から耳まで全てが真っ赤になる。

「……何を想像したんだ、グレン」
「な、なんでもないっ!」
「なんだよ言ってみろよ、お前のエッチな妄想を」
「!!! べ、べ、べ、別に、そんな妄想していないからなっ!!」

 それまでドーヴィにべったりしていたグレンが、両手でドーヴィの頬をぎゅうと押し退ける。ドーヴィは顔を押されながらも面白そうに笑った。

 それがまた面白くなかったのか、グレンはぷくりと頬を膨らませて今度はぽかぽかとドーヴィの胸を叩く。ドーヴィの体格に対して、グレンの華奢な腕から繰り出されるパンチは実に可愛いものだ。

 グレンもそれをわかってじゃれているだけ。恥ずかしいのを、誤魔化そうとしているだけだ。

「いてて、俺には契約主のエッチな願望を叶える役目がだな……」
「ぼ、僕はっ! ドーヴィとそういう契約は結んでないからなっ!」
「いずれ結ぶんだからいいだろ少しぐらい」
「まだ結んでないっ!」

 どうやら18歳になったらグレンはちゃんとドーヴィとそれはそれはエッチな契約を結んでくれるつもりらしい。であるからには、それはもうドーヴィは契約主様を極上の快楽天国に連れていくしかないだろう。

「いやあ後2年、長いねえ……」

 今度はぺちぺちと頬を叩かれつつ、ドーヴィはそう呟いた。後2年、ドーヴィは手を出さずに我慢できるのだろうか……。 
 

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遅刻した

着衣エロは最高なんですよ
服を着たままがっちゅんばこばこも好きですが
服を着たまま一切突っ込まずに延々と服の上からエッチなことして受けちゃんの体を追い立てるっていうのが好きで
それで我慢できなくなっておねだりするのもいいし
「服着てるのにっ……!」って思いながらそのままイッちゃうのもいい
しかもそうしてイッた後に服をちょっと直しただけで日常に戻すっていう鬼畜(?)仕様まで含めて良いです
良き事です

あとグレンくんに「おちん〇ん」って言わせたい
少年みたいなグレンくんが恥ずかしそうに身悶えしながら「おち〇ちん」って言うのが非常に可愛い
普段、背伸びした言い方をしているのに、その口から繰り出される「おち〇ち〇」というギャップがとても良い
良き事です

良き事です……(別のコラム(?)の方に書くべきだったなと今更思った)
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