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本編
22)契約には支払いが必要です
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「そろそろ着く頃か……」
すでに視察用の服に着替えたグレンは、胸元の懐中時計を確認して呟いた。御者から途中に何も言われてないということは、予定通りに到着するのだろう。
「グレン」
「なんだ、ドーヴィ」
「……いやあ、キリッとしてるところ悪いんだけどよ」
すっかり宰相モードのグレンに今更言うのも悪いが、先に言っておかないと拗れることがある。ドーヴィの微妙な顔を見て、グレンは首を傾げていた。
「コサコレ男爵の野郎が大人しく捕まるならそれでいいんだが、まあ、そうはいかねえだろう」
「ああ、私もそう考えている。……それが、何か?」
「そうなった時、だ。悪魔としての俺は契約主であるお前を守る事はできるが、他の人間については手出しできねえ」
「!」
ドーヴィがグレンの護衛兼秘書官としてせっせと世話をしているのは、グレン本人が契約主であるからだ。そして、様々な出来事に口を出し手を出し、としているのも、それが全て契約主の為になること、だからだ。
そうでなければ、悪魔であるドーヴィは身動きができない。もちろん、その『悪魔のルール』を破って手当たり次第に遊ぶこともできるが……それをやってしまうと、問答無用で天使が排除のために襲いかかってくる。
悪魔がこうして世界を飛び回って遊べるのは、創造神が許した『悪魔のルール』を守るからだ。遊びにも、ルールはある。
「そ、そうか、失念していた……姉上を助けて貰った時も、新しく契約していたなそう言えば……」
「そう言うことだ。で、どうする、契約しとくか?」
「もちろんだ! ……使用人を巻き込みたくないし、もともとの予定になかったことでアンドリュー達が傷つくのも、嫌だ。そうなったら、ガルシア団長だって責任問題になるだろうし……」
ごにょごにょと言い訳のように続けるグレンの頭をドーヴィはぽんぽんと撫でてやる。本当にこの契約主は根っからの甘ちゃんで、優しさの塊だ。
「じゃ、『明らかに敵対している人間以外に害が及ばないように努力する』ってあたりで仮契約するか」
「うむ、それで頼む」
「魔力はいらねえから、精力で払ってもらおうか?」
「む……」
ドーヴィが指をちょいちょいと動かすと、グレンは対価の支払い内容に今更思い至ったのか、頬を赤く染めた。夜は積極的なところもあれども、やはり日中は恥じらいの方が勝るらしい。ドーヴィとしてはどちらも美味しいので、ありがたいところだ。
グレンが多少揺れる馬車の中、ドーヴィのそばへ移動してくる。そのまま、少しもじもじと戸惑った後、ドーヴィの肩に手を置いて体を乗り出してきた。
ドーヴィが腕を回して、揺れる馬車の中で姿勢を崩さないようにグレンを抱き寄せる。それに安心したのか、グレンもドーヴィの腕に少しばかり体重を預けつつ、自ら唇を寄せた。
「ん……」
「……グレン、それじゃあ足りねえよ。何しろ、今回は契約対象が大人数だからなァ」
触れるだけのキスで体を離そうとしたグレンを捕まえ、ドーヴィは面白そうに笑いながら言った。途端、グレンが羞恥と揶揄われた悔しさで顔を歪める。
そんな拗ねた顔つきのグレンの尖った唇を再度ドーヴィが啄んでやりながら「ほら」と催促すれば。
グレンは再度唇を寄せ、ドーヴィの唇を舌先で突いた。それに合わせてドーヴィが口を開き、グレンの舌を迎え入れて絡めとる。
「んっ」
粘膜の接触に、グレンはびくりと体を震わせた。それに構わず、ドーヴィはグレンの舌を唇で挟み、ぬるぬると刺激しつつその舌裏を整った下の歯で扱く。
グレンの舌を甘噛みしつつ、ドーヴィは手をグレンのうなじへ伸ばした。そこを優しく愛撫し、襟の隙間から鎖骨を撫でる。その度にグレンの体は小さく震え、呼吸は乱れていった。
「ぁっ……ふ……っ、ま、まて、ドーヴィ、それ以上は……っ!」
「残念、契約にはまだ支払いが足りねえんだな、これが」
狭い馬車の中、ドーヴィは器用にグレンを座席に押し倒して見下ろした。唾液でべたべたになった唇をグレンは袖で乱暴に拭っている。
(そういうところを見ると、男の子だなあって思うんだけどな)
少しだけ反応を示しているグレンの股間に手を伸ばすと、グレンは慌てたように上体を起こしてドーヴィの手を抑えた。
「まて、ドーヴィ! そ、そこはっ!」
「気持ち良すぎるってか? なーに言ってんだ、本物はこんなモンじゃねえんだぞ」
グレンの両手を片手で軽々とまとめて拘束し、ドーヴィはグレンの股間を揉みしだく。相変わらず元気は2割程度しかなさそうだが、それでも衣服の上からでもわかる程度に固くなってはいた。
それをドーヴィは片手でたっぷりと可愛がってやる。そもそも、自慰のやり方すら満足に知らなかったグレンだ。他人からもたらされる刺激的な快楽に抗えるわけもなく。
「あっ、やっ……ドーヴィ、だめ、だめだって! んんっ!」
「安心しろ、俺はこっち方面は専門家だからな」
「あ、安心、できるかっ! ……ひっ……ぁっ…!」
口では抵抗していても、体は素直と、ドーヴィはグレンを見下ろしながら舌なめずりした。グレンは頭を振って快楽から逃げようとしているが、ドーヴィがぐりっと強く刺激すると途端に頭を逸らして可愛らしい喘ぎ声を迸らせている。
思わず、ドーヴィは首を伸ばしてその喉元にかぶりついた。まだ喉仏が出っ張っていない、比較的つるりとした喉元に。
「うあっ!」
弱いところを責められ、人間としての本能が恐怖したのかグレンは悲鳴を上げた。もちろん、ドーヴィはほんの甘噛みをしているだけだ。キスマークが残らない程度に吸い付き、顎の下を舐めながらずいぶん色気ある嬌声を漏らすようになった唇へ。
無防備な唇を分厚い舌でこじ開け、ドーヴィは好きなようにグレンの口内を貪った。ドーヴィに圧し掛かられる姿勢になって、さらにグレンは苦しくなったのか、キスを交わす合間に必死で酸素を追い求めている。
苦しそうに喘ぎ、頬を赤く染め、目に涙を浮かべる顔の何といやらしく、加虐欲をそそられることか!
「……っは、おまえ、ほんっと精力まで美味いとか最高だな」
「ひゃ、あ……っ、あ……ふぁっ……」
ドーヴィは体を起こし、頭を振った。本格的に気合を入れていないと、コンプライアンスも吹き飛ばして今にでもグレンを抱きたくなる。何なら、虐めたくなる。
そんな自分に良くねえな、と苦笑いを零してドーヴィはひょいとグレンの両足を膝の部分で抱えた。
「うわっ!?」
突然の姿勢に驚いたグレンが、目を丸くしてドーヴィを見上げる。その瞬間、ぎらついた雄としてのドーヴィの金目と視線がぶつかり、グレンはぞくりと背筋を震わせた。
「本当は、な? グレン」
「な、なに……」
ドーヴィは言いながら持ったグレンの両足を大きく開き、上へと運ぶ。グレンは大きく股を開かされた格好になったことで、ハッと気が付いた。
「ここに、俺の熱くて固いヤツを」
「ひ……ド、ドーヴィ……っ!」
そのまま、ドーヴィはグレンの尻の部分へ自らの股間を押し当てる。そこは自由自在に操れる、と宣言した通りに固くなっていた。
布越しでもわかるほどに固く、熱いものが自身の尻に押し当てられている。その現実に、グレンは頭が沸騰しそうなほどに、茹っていた。恥ずかしいとも、ヤってみたいとも、怖いとも、いろんな感情が頭の中をぐるぐると走り回る。
「ぶちこんで、がつがつ掘って」
「やっ……やめっ……」
「そうすると、お前もこの辺がきゅんきゅん切なくなってな?」
「な、なに言って……っ……ひっ、ちが、そこ、ちがうっ……」
ドーヴィは大きな手でグレンの下腹部を優しく撫でる。何度も何度も、腰を軽く打ち付けながら、腹部を撫で回す。
「閨の教科書にも書いてないだろうよ。……キスより、自慰より、頭がぶっ飛ぶぐらい、気持ちいい」
低く艶のある声でドーヴィはグレンに囁く。インキュバスの囁き。と言っても、魔力は乗せていない。ただ、純粋に、声だけでグレンを煽った。
「ぁ……う……」
「ゾクゾクしてきただろう?」
ドーヴィはまだグレンの腹部を撫で、時折、ぐっと力を入れて押すようにしている。
その度に、グレンは背筋がゾクゾクとして、ドーヴィと密着している下半身から知らぬ熱が上がってきて……勝手に、尻穴がきゅっと窄まった。
「……わ、わかんないっ……!」
「ははっ、そうだな、そりゃそうだ」
泣きそうなほどに震えているグレンを見て、ようやくドーヴィは満足したのか、からりと雰囲気を変えて笑った。
滲んだ涙と垂れた唾液でべたべたになったグレンの顔を、身だしなみとして持っていたハンカチで拭ってやった。そうして、グレンを抱き起す。
「はぁー、精力、美味かったぜ」
ちゅ、と頬にキスをされて、グレンはハッと正気を取り戻した。いや、完全に取り戻してはないかもしれないが、とりあえず、顔を真っ赤にしながらドーヴィに『命令』する。
「っ! だ、だったら! ちゃんと働けよドーヴィ!!」
「はいはい、契約主様の仰せのままに」
「あ、あと、これもどうにかしろ!」
そうしてグレンが指さしたのは、自分の股間だ。大きく膨らんだ股間は、さすがに目立つ。
「はいよ」
ドーヴィは飄々と言って手を翳し、グレンの股間を鎮める。ついでに精力も頂いておいた。
「……やりすぎだ」
「悪かったって、思ってたより契約の代償が必要だったんだよ」
「だ、だからって、あんな……っ!」
そこまで言って、グレンは顔を真っ赤にして口を噤んだ。この純粋な青少年は、あれらを適切に糾弾する言葉を持たないらしい。
「えっ、何? あんな、なんだって?」
勢いが止まったグレンを見て、ドーヴィは思わず茶化してしまう。それもこれも、契約主が可愛すぎるのがいけない。
「……ドーヴィの、馬鹿っ! 馬鹿っ!」
「っはっはっは! 悪かった! からかいすぎた」
「全然悪いって思ってないだろ!! ドーヴィのばか! ばかばか!」
……育ちの良いグレンの悪態はいつだってシンプルだ。
ぽかぽかとドーヴィの分厚い胸板を殴りつけてくる契約主を、ドーヴィはそれからしばらく「悪かった」と平謝りして何とか宥めるのだった。
------
やっぱ我慢できなかったから先にイチャエチした
疑似性交はR15で大丈夫ですよね……??
しょっぱながら激しくガツガツグチュグチュするのも嫌いではないですが、こうして制限の範囲内でだんだんエロ度を高めていくのがとても好きなんですね
ついでにまだ直接的なアレとかソレとか触られてすらないはずなのに体が開発されていくのも大変に好みなんですね
そのうちグレンくんには将来的に疑似性交するだけでイッちゃうようになってもらいます(ぇ
すでに視察用の服に着替えたグレンは、胸元の懐中時計を確認して呟いた。御者から途中に何も言われてないということは、予定通りに到着するのだろう。
「グレン」
「なんだ、ドーヴィ」
「……いやあ、キリッとしてるところ悪いんだけどよ」
すっかり宰相モードのグレンに今更言うのも悪いが、先に言っておかないと拗れることがある。ドーヴィの微妙な顔を見て、グレンは首を傾げていた。
「コサコレ男爵の野郎が大人しく捕まるならそれでいいんだが、まあ、そうはいかねえだろう」
「ああ、私もそう考えている。……それが、何か?」
「そうなった時、だ。悪魔としての俺は契約主であるお前を守る事はできるが、他の人間については手出しできねえ」
「!」
ドーヴィがグレンの護衛兼秘書官としてせっせと世話をしているのは、グレン本人が契約主であるからだ。そして、様々な出来事に口を出し手を出し、としているのも、それが全て契約主の為になること、だからだ。
そうでなければ、悪魔であるドーヴィは身動きができない。もちろん、その『悪魔のルール』を破って手当たり次第に遊ぶこともできるが……それをやってしまうと、問答無用で天使が排除のために襲いかかってくる。
悪魔がこうして世界を飛び回って遊べるのは、創造神が許した『悪魔のルール』を守るからだ。遊びにも、ルールはある。
「そ、そうか、失念していた……姉上を助けて貰った時も、新しく契約していたなそう言えば……」
「そう言うことだ。で、どうする、契約しとくか?」
「もちろんだ! ……使用人を巻き込みたくないし、もともとの予定になかったことでアンドリュー達が傷つくのも、嫌だ。そうなったら、ガルシア団長だって責任問題になるだろうし……」
ごにょごにょと言い訳のように続けるグレンの頭をドーヴィはぽんぽんと撫でてやる。本当にこの契約主は根っからの甘ちゃんで、優しさの塊だ。
「じゃ、『明らかに敵対している人間以外に害が及ばないように努力する』ってあたりで仮契約するか」
「うむ、それで頼む」
「魔力はいらねえから、精力で払ってもらおうか?」
「む……」
ドーヴィが指をちょいちょいと動かすと、グレンは対価の支払い内容に今更思い至ったのか、頬を赤く染めた。夜は積極的なところもあれども、やはり日中は恥じらいの方が勝るらしい。ドーヴィとしてはどちらも美味しいので、ありがたいところだ。
グレンが多少揺れる馬車の中、ドーヴィのそばへ移動してくる。そのまま、少しもじもじと戸惑った後、ドーヴィの肩に手を置いて体を乗り出してきた。
ドーヴィが腕を回して、揺れる馬車の中で姿勢を崩さないようにグレンを抱き寄せる。それに安心したのか、グレンもドーヴィの腕に少しばかり体重を預けつつ、自ら唇を寄せた。
「ん……」
「……グレン、それじゃあ足りねえよ。何しろ、今回は契約対象が大人数だからなァ」
触れるだけのキスで体を離そうとしたグレンを捕まえ、ドーヴィは面白そうに笑いながら言った。途端、グレンが羞恥と揶揄われた悔しさで顔を歪める。
そんな拗ねた顔つきのグレンの尖った唇を再度ドーヴィが啄んでやりながら「ほら」と催促すれば。
グレンは再度唇を寄せ、ドーヴィの唇を舌先で突いた。それに合わせてドーヴィが口を開き、グレンの舌を迎え入れて絡めとる。
「んっ」
粘膜の接触に、グレンはびくりと体を震わせた。それに構わず、ドーヴィはグレンの舌を唇で挟み、ぬるぬると刺激しつつその舌裏を整った下の歯で扱く。
グレンの舌を甘噛みしつつ、ドーヴィは手をグレンのうなじへ伸ばした。そこを優しく愛撫し、襟の隙間から鎖骨を撫でる。その度にグレンの体は小さく震え、呼吸は乱れていった。
「ぁっ……ふ……っ、ま、まて、ドーヴィ、それ以上は……っ!」
「残念、契約にはまだ支払いが足りねえんだな、これが」
狭い馬車の中、ドーヴィは器用にグレンを座席に押し倒して見下ろした。唾液でべたべたになった唇をグレンは袖で乱暴に拭っている。
(そういうところを見ると、男の子だなあって思うんだけどな)
少しだけ反応を示しているグレンの股間に手を伸ばすと、グレンは慌てたように上体を起こしてドーヴィの手を抑えた。
「まて、ドーヴィ! そ、そこはっ!」
「気持ち良すぎるってか? なーに言ってんだ、本物はこんなモンじゃねえんだぞ」
グレンの両手を片手で軽々とまとめて拘束し、ドーヴィはグレンの股間を揉みしだく。相変わらず元気は2割程度しかなさそうだが、それでも衣服の上からでもわかる程度に固くなってはいた。
それをドーヴィは片手でたっぷりと可愛がってやる。そもそも、自慰のやり方すら満足に知らなかったグレンだ。他人からもたらされる刺激的な快楽に抗えるわけもなく。
「あっ、やっ……ドーヴィ、だめ、だめだって! んんっ!」
「安心しろ、俺はこっち方面は専門家だからな」
「あ、安心、できるかっ! ……ひっ……ぁっ…!」
口では抵抗していても、体は素直と、ドーヴィはグレンを見下ろしながら舌なめずりした。グレンは頭を振って快楽から逃げようとしているが、ドーヴィがぐりっと強く刺激すると途端に頭を逸らして可愛らしい喘ぎ声を迸らせている。
思わず、ドーヴィは首を伸ばしてその喉元にかぶりついた。まだ喉仏が出っ張っていない、比較的つるりとした喉元に。
「うあっ!」
弱いところを責められ、人間としての本能が恐怖したのかグレンは悲鳴を上げた。もちろん、ドーヴィはほんの甘噛みをしているだけだ。キスマークが残らない程度に吸い付き、顎の下を舐めながらずいぶん色気ある嬌声を漏らすようになった唇へ。
無防備な唇を分厚い舌でこじ開け、ドーヴィは好きなようにグレンの口内を貪った。ドーヴィに圧し掛かられる姿勢になって、さらにグレンは苦しくなったのか、キスを交わす合間に必死で酸素を追い求めている。
苦しそうに喘ぎ、頬を赤く染め、目に涙を浮かべる顔の何といやらしく、加虐欲をそそられることか!
「……っは、おまえ、ほんっと精力まで美味いとか最高だな」
「ひゃ、あ……っ、あ……ふぁっ……」
ドーヴィは体を起こし、頭を振った。本格的に気合を入れていないと、コンプライアンスも吹き飛ばして今にでもグレンを抱きたくなる。何なら、虐めたくなる。
そんな自分に良くねえな、と苦笑いを零してドーヴィはひょいとグレンの両足を膝の部分で抱えた。
「うわっ!?」
突然の姿勢に驚いたグレンが、目を丸くしてドーヴィを見上げる。その瞬間、ぎらついた雄としてのドーヴィの金目と視線がぶつかり、グレンはぞくりと背筋を震わせた。
「本当は、な? グレン」
「な、なに……」
ドーヴィは言いながら持ったグレンの両足を大きく開き、上へと運ぶ。グレンは大きく股を開かされた格好になったことで、ハッと気が付いた。
「ここに、俺の熱くて固いヤツを」
「ひ……ド、ドーヴィ……っ!」
そのまま、ドーヴィはグレンの尻の部分へ自らの股間を押し当てる。そこは自由自在に操れる、と宣言した通りに固くなっていた。
布越しでもわかるほどに固く、熱いものが自身の尻に押し当てられている。その現実に、グレンは頭が沸騰しそうなほどに、茹っていた。恥ずかしいとも、ヤってみたいとも、怖いとも、いろんな感情が頭の中をぐるぐると走り回る。
「ぶちこんで、がつがつ掘って」
「やっ……やめっ……」
「そうすると、お前もこの辺がきゅんきゅん切なくなってな?」
「な、なに言って……っ……ひっ、ちが、そこ、ちがうっ……」
ドーヴィは大きな手でグレンの下腹部を優しく撫でる。何度も何度も、腰を軽く打ち付けながら、腹部を撫で回す。
「閨の教科書にも書いてないだろうよ。……キスより、自慰より、頭がぶっ飛ぶぐらい、気持ちいい」
低く艶のある声でドーヴィはグレンに囁く。インキュバスの囁き。と言っても、魔力は乗せていない。ただ、純粋に、声だけでグレンを煽った。
「ぁ……う……」
「ゾクゾクしてきただろう?」
ドーヴィはまだグレンの腹部を撫で、時折、ぐっと力を入れて押すようにしている。
その度に、グレンは背筋がゾクゾクとして、ドーヴィと密着している下半身から知らぬ熱が上がってきて……勝手に、尻穴がきゅっと窄まった。
「……わ、わかんないっ……!」
「ははっ、そうだな、そりゃそうだ」
泣きそうなほどに震えているグレンを見て、ようやくドーヴィは満足したのか、からりと雰囲気を変えて笑った。
滲んだ涙と垂れた唾液でべたべたになったグレンの顔を、身だしなみとして持っていたハンカチで拭ってやった。そうして、グレンを抱き起す。
「はぁー、精力、美味かったぜ」
ちゅ、と頬にキスをされて、グレンはハッと正気を取り戻した。いや、完全に取り戻してはないかもしれないが、とりあえず、顔を真っ赤にしながらドーヴィに『命令』する。
「っ! だ、だったら! ちゃんと働けよドーヴィ!!」
「はいはい、契約主様の仰せのままに」
「あ、あと、これもどうにかしろ!」
そうしてグレンが指さしたのは、自分の股間だ。大きく膨らんだ股間は、さすがに目立つ。
「はいよ」
ドーヴィは飄々と言って手を翳し、グレンの股間を鎮める。ついでに精力も頂いておいた。
「……やりすぎだ」
「悪かったって、思ってたより契約の代償が必要だったんだよ」
「だ、だからって、あんな……っ!」
そこまで言って、グレンは顔を真っ赤にして口を噤んだ。この純粋な青少年は、あれらを適切に糾弾する言葉を持たないらしい。
「えっ、何? あんな、なんだって?」
勢いが止まったグレンを見て、ドーヴィは思わず茶化してしまう。それもこれも、契約主が可愛すぎるのがいけない。
「……ドーヴィの、馬鹿っ! 馬鹿っ!」
「っはっはっは! 悪かった! からかいすぎた」
「全然悪いって思ってないだろ!! ドーヴィのばか! ばかばか!」
……育ちの良いグレンの悪態はいつだってシンプルだ。
ぽかぽかとドーヴィの分厚い胸板を殴りつけてくる契約主を、ドーヴィはそれからしばらく「悪かった」と平謝りして何とか宥めるのだった。
------
やっぱ我慢できなかったから先にイチャエチした
疑似性交はR15で大丈夫ですよね……??
しょっぱながら激しくガツガツグチュグチュするのも嫌いではないですが、こうして制限の範囲内でだんだんエロ度を高めていくのがとても好きなんですね
ついでにまだ直接的なアレとかソレとか触られてすらないはずなのに体が開発されていくのも大変に好みなんですね
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