魔法王国の受難

張果老

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プロローグ

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荒涼としたパルテノン神殿を彷彿させるかのような、寒々とした王の間。
玉座の後ろには巨大な門、前方は5段ほど低く作られた謁見場。
程よく高地に造られている為吹き抜ける風は冷たく…
麓から此方に向かったと報告があった侵略者達は未だに着かない。

実際、寒い。

夏場ならちょうど良いかもと思うが、今は秋、そこそこ寒い。

自分の種族的に寒さには強いが、何もせずひたすら玉座で待つのは寒いし暇だ。

かといって後ろに在る巨大な門を潜り抜け城内(適温)に入ったら、中に居る非戦闘民の命が危険だ。

何せ相手は人族史上主義者からの堂々とした暗殺者。通称『勇者とその仲間(軍隊)』だからだ。

この後ろに在る門は、人族史上主義者達の魔の手を塞ぐ唯一無二の門。『絶界門』我々が悪逆の限りを尽くす者たちから隔絶させた断界絶壁に存在する窓口。

その最後の門番として代々我々魔法王国の王が居なくてはならない。

いや、こうして座ってるだけでも決裁書とかの仕事は溜まって来るんダケドネ!
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