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第5章
「あそこに橋があるだろ。」とおじさんが指さす。
しおりを挟む「ここどこ?」と橋を渡ってしばらくして、風流な山々の見える場所に出た。
「宇治だよ。宇治十帖のね。」とおじさんは隣で言う。
「そっか、宇治茶の宇治やね。」とうちはちょっと冗談ぽく言う。
「そうだね。」としかおじさんが答えてくれへんから、ちょっと面白くない。
「あそこに橋があるだろ。」とおじさんが指さす。
「え、見えへん。」とうちは背伸びする。
「ほら、小さな赤い橋。」と確かに小さい川に、小さい橋が架かってる。
「あそこが決戦の場所さ。」とおじさんが言った。
「戦争?」とうちが聞くと、おじさんは笑った。
「そうだね。その前にもう一か所だけ行くところがある。」とおじさんは言う。
「え、また。」とうちは不満をもらす。
「これで最後さ。法皇さんに挨拶しないとね。」とおじさんは言って、もう一度ニンマリ笑った。
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