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バレンタイン前日
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~グループメッセージのやり取り~
(律) 男子諸君、明日は暇かね?
(千春) 暇だけど面倒くさいのはパス
(夏目) 特に予定はありません。なにか思いついたんですか?
(律) よし!じゃあ集まろう!本題はシークレットで。
いつもの公園のクマの像前に11時集合ね♡
じゃあ解散!
(夏目) 了解です
(千春) え、怖すぎて了解できないが?!
~個人メッセージ~
(夏目) こんにちは、いきなりの連絡すみません
(律) 大丈夫よ!どったの?
(夏目) これから会えませんか?買いたいものがありまして
(律) いいよ!何買うの?彼女へのプレゼントとか??ニヤ
(夏目) 彼女ができたら相談しますね
今回はバレンタインのチョコを買いたくて、
(律) 逆バレンタインするんだ!良いねぇ早速行こうよ!
(夏目) ありがとうございます
メッセージでのやり取りが終わり待ち合わせをすることになった。
「やっほー夏目くん、待たせてごめんね」
「こんにちは、律先輩。僕も今来た所なので大丈夫ですよ」
律が遅刻をしたのではなく夏目が予定より早めに着いていたらしい。にも関わらず、紳士的対応に少し胸が鳴る。
「さっチョコ買いに行こう!」
動揺を隠すように強引に話を進めデパートに入った。
「はい、今日はよろしくお願いします」
「うん!早速だけど相手の好みとかわかる?喜びそうなものとか」
「かなりの甘党だと思います。それと、出来れば可愛いパッケージは避けたいです」
確かに、甘党な女性も居ると思うし可愛いパッケージを好まない女性も少なかれ居るだろう。
だが、律はこの発言に疑問が湧いた。
(甘党、可愛いのは好きじゃない。もしかして。でも聞いていいのかな、隠してるかもだし。それに私の勘違いの可能性も)
身長と童顔なのがコンプレックスで可愛いは禁句の男を1人知っている。
頭を抱えて悩んでいる律の姿を見て、分かったみたいだな、ぐらいの軽い感情の夏目。なんなら反応をみて面白がっているようだ。
「先輩どうかしましたか?」
あくまでしらを切る夏目を見てついにしびれを切らしてしまった。
「千春に…渡すための…ち、チョコだったり…する…の、かな…?なーんて」
もごもごと顔色を伺うように言う。だが彼には想定内の質問であった。
「ふふ…バレていましたか」
「絶対面白がってたでしょう!もう言っていいのかヒヤヒヤしたんだから!!」
数時間が経過しデパート内にある喫茶店で一休みすることになった。
「いいチョコあった?」
「ある程度目星は付きました。メニューどうぞ」
「それは良かった!ありがとう」
1つしかないメニューを律向きに渡し目を通す。
「うぁ~抹茶フェアだって!美味しそうだね!」
「先輩は抹茶がお好きなんですか?」
「そうなの!昔お母さんがお茶の先生やっててその影響かな」
嬉しそうに思い出話をする律のことをみて自分の幼少期と重ねた。
だが、そんな輝いた過去なんて1つも思い出せはしなかった。
(きっと幸せな家庭で育ったんだな)
羨ましいとかそんな感情はない。なんだかもっと澄んだような浄化される感情になった。
抹茶フェアを満喫しお腹いっぱいになった2人は、店を出て決めていたチョコを買いに行った。
その途中で夏目が急に止まった。
「あっ、先輩が探していた新刊あそこの本屋さんに売ってるらしいですよ?売り切れるといけないので先に行っててください。お会計済ませてから僕も行きますので」
律がずっと探していた本を覚えていて提案してくれたのだ。
「まじで?!神すぎるよ夏目くん!!」
ありがとうと伝え律は猛ダッシュで消えた。
(さて、早く済ませよう)
夏目は千春用のチョコともう1つ違う箱を持って会計を済ませた。
「お待たせしました、お目当てのものはありましたか?」
首をこてんと傾げて聞いた。
(おっふ…可愛い、あざとすぎる…!)
「か、買えたよ~ありがとね!」
(あっぶねー心の声が漏れそうになったぜ…)
「それはなによりです」
と笑いスっと律の紙袋を持った。
この日ついでにと寄った店で服や小物、本などを買っていたので、いつもより荷物が多めだった。
重いものもないし私用の物だから自分で持つと言ったが、声が被ってしまい彼には届かなかった。
「もうこんな時間ですし帰りましょうか」
結局持たせたままいつの間にか律の自宅に着いていた。
「ごめんね、荷物持たせたままで。ありがとう!」
申し訳なさそうに謝りお礼を伝えると、夏目も同じように言った。
「僕の方こそ、いきなりお誘いしたうえに手伝ってもらいありがとうございました。律先輩のおかげで良いものが買えました」
「いえいえ、私もすごく楽しかったよ!」
少し話をして今日は解散。
~律宅~
(今日は楽しかったなぁ。それにしても夏目くん、すっごく紳士的だった)
車道側をいつの間キープvエスカレーターをのぼる時は後ろに、降りる時は自分が前に立っていた。それに会ってからずっと歩くスピードも合わせてナチュラルにレディーファーストしていたのだ。
(キュンときた!)
よしっ!といつも以上に大きな声をだし漫画を描き始める。
~夏目宅~
色々と成果を得られご満悦なようすで今日買ったチョコを眺めていた。
(どんな反応をするだろうか)
わくわくしながらそんなことを考え表情が緩む。
彼が受け取ってくれますように
あわよくば喜んでくれますように…
(律) 男子諸君、明日は暇かね?
(千春) 暇だけど面倒くさいのはパス
(夏目) 特に予定はありません。なにか思いついたんですか?
(律) よし!じゃあ集まろう!本題はシークレットで。
いつもの公園のクマの像前に11時集合ね♡
じゃあ解散!
(夏目) 了解です
(千春) え、怖すぎて了解できないが?!
~個人メッセージ~
(夏目) こんにちは、いきなりの連絡すみません
(律) 大丈夫よ!どったの?
(夏目) これから会えませんか?買いたいものがありまして
(律) いいよ!何買うの?彼女へのプレゼントとか??ニヤ
(夏目) 彼女ができたら相談しますね
今回はバレンタインのチョコを買いたくて、
(律) 逆バレンタインするんだ!良いねぇ早速行こうよ!
(夏目) ありがとうございます
メッセージでのやり取りが終わり待ち合わせをすることになった。
「やっほー夏目くん、待たせてごめんね」
「こんにちは、律先輩。僕も今来た所なので大丈夫ですよ」
律が遅刻をしたのではなく夏目が予定より早めに着いていたらしい。にも関わらず、紳士的対応に少し胸が鳴る。
「さっチョコ買いに行こう!」
動揺を隠すように強引に話を進めデパートに入った。
「はい、今日はよろしくお願いします」
「うん!早速だけど相手の好みとかわかる?喜びそうなものとか」
「かなりの甘党だと思います。それと、出来れば可愛いパッケージは避けたいです」
確かに、甘党な女性も居ると思うし可愛いパッケージを好まない女性も少なかれ居るだろう。
だが、律はこの発言に疑問が湧いた。
(甘党、可愛いのは好きじゃない。もしかして。でも聞いていいのかな、隠してるかもだし。それに私の勘違いの可能性も)
身長と童顔なのがコンプレックスで可愛いは禁句の男を1人知っている。
頭を抱えて悩んでいる律の姿を見て、分かったみたいだな、ぐらいの軽い感情の夏目。なんなら反応をみて面白がっているようだ。
「先輩どうかしましたか?」
あくまでしらを切る夏目を見てついにしびれを切らしてしまった。
「千春に…渡すための…ち、チョコだったり…する…の、かな…?なーんて」
もごもごと顔色を伺うように言う。だが彼には想定内の質問であった。
「ふふ…バレていましたか」
「絶対面白がってたでしょう!もう言っていいのかヒヤヒヤしたんだから!!」
数時間が経過しデパート内にある喫茶店で一休みすることになった。
「いいチョコあった?」
「ある程度目星は付きました。メニューどうぞ」
「それは良かった!ありがとう」
1つしかないメニューを律向きに渡し目を通す。
「うぁ~抹茶フェアだって!美味しそうだね!」
「先輩は抹茶がお好きなんですか?」
「そうなの!昔お母さんがお茶の先生やっててその影響かな」
嬉しそうに思い出話をする律のことをみて自分の幼少期と重ねた。
だが、そんな輝いた過去なんて1つも思い出せはしなかった。
(きっと幸せな家庭で育ったんだな)
羨ましいとかそんな感情はない。なんだかもっと澄んだような浄化される感情になった。
抹茶フェアを満喫しお腹いっぱいになった2人は、店を出て決めていたチョコを買いに行った。
その途中で夏目が急に止まった。
「あっ、先輩が探していた新刊あそこの本屋さんに売ってるらしいですよ?売り切れるといけないので先に行っててください。お会計済ませてから僕も行きますので」
律がずっと探していた本を覚えていて提案してくれたのだ。
「まじで?!神すぎるよ夏目くん!!」
ありがとうと伝え律は猛ダッシュで消えた。
(さて、早く済ませよう)
夏目は千春用のチョコともう1つ違う箱を持って会計を済ませた。
「お待たせしました、お目当てのものはありましたか?」
首をこてんと傾げて聞いた。
(おっふ…可愛い、あざとすぎる…!)
「か、買えたよ~ありがとね!」
(あっぶねー心の声が漏れそうになったぜ…)
「それはなによりです」
と笑いスっと律の紙袋を持った。
この日ついでにと寄った店で服や小物、本などを買っていたので、いつもより荷物が多めだった。
重いものもないし私用の物だから自分で持つと言ったが、声が被ってしまい彼には届かなかった。
「もうこんな時間ですし帰りましょうか」
結局持たせたままいつの間にか律の自宅に着いていた。
「ごめんね、荷物持たせたままで。ありがとう!」
申し訳なさそうに謝りお礼を伝えると、夏目も同じように言った。
「僕の方こそ、いきなりお誘いしたうえに手伝ってもらいありがとうございました。律先輩のおかげで良いものが買えました」
「いえいえ、私もすごく楽しかったよ!」
少し話をして今日は解散。
~律宅~
(今日は楽しかったなぁ。それにしても夏目くん、すっごく紳士的だった)
車道側をいつの間キープvエスカレーターをのぼる時は後ろに、降りる時は自分が前に立っていた。それに会ってからずっと歩くスピードも合わせてナチュラルにレディーファーストしていたのだ。
(キュンときた!)
よしっ!といつも以上に大きな声をだし漫画を描き始める。
~夏目宅~
色々と成果を得られご満悦なようすで今日買ったチョコを眺めていた。
(どんな反応をするだろうか)
わくわくしながらそんなことを考え表情が緩む。
彼が受け取ってくれますように
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