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交際宣言
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クリスマスも近づく頃街もイルミネーションに染まる中、敬介と蓮は買い物に街に出かけて陶器店から出た所で、偶然に安芸島に出会った。
「えぇっ、お前らプライベートでも一緒なんてないよな」
安芸島は言った。
「一緒だよ。敬介とは部活もプライベートでも一緒に過ごしているんだ」
そう言い切る蓮の横で、微笑みながら敬介が頷く。それを見て思わず安芸島は一言言う。
「嘘だろう」
「こんなこと、嘘をつく事じゃないだろう」
「あぁー、いつの間にだよ」
安芸島が絶句するしながら上を向く。
安芸島が誘って3人で、コーヒーショップに入った。敬介が、三人分のコーヒーを取りに立つ。
「蓮、お前なぁ、敬介は結構人気者で男女問わず狙っていたんだぜ」
「知っている」
「世田なんてある意味本気だったのに、聞いたら泣くぞ」
「それもなんとなくわかっていた」
「トンビに油揚げかよ」
フフッ、っと蓮は笑いながら敬介を目で追う。そんな穏やかな蓮の顔を見たのは初めてだった、今まで友人として過ごしていても蓮は、一歩後ろにいて、馬鹿騒ぎしていても冷静に行動していた。いつも緊張感と人生を諦めている様に感じていた。そして途轍もなく冷ややかな目をしていた。
そんなやつの寛いだ様子や愛おしいと言う眼差しを目の当たりにして安芸島は一言
『これは、敬介に蓮がやられたんだな』
呟いた。
しばらくして安芸島は世田に敬介と蓮の事を聞かれた。
「安芸島、蓮と敬介ってホントか」
「お前の耳にも入ったのか、ホントみたいだ、俺街中で目撃した。話もした」
「あー、嘘だろう、蓮ってその趣味なかったよな、俺がゼミで忙しい間に、これってないだろう」
「ご愁傷様です。お前もあの蓮の顔を見れば納得するよ。蓮が、敬介にやられたんだ」
「そうか、敬介は、蓮の事を尊敬しています、付いていきますって感じだった、蓮の復活はあいつの情熱に絆された感ありありだったと聞いていたけど、はぁー。だけど、蓮大丈夫なのか」
「何が」
「あいつの就職と言うか、実家?ってRコミュニケーションカンパニーRCCだよなぁ」
「多分、ってお前も同じ高校だったんだから知ってだろうに」
「俺の学部での連れが、そこ狙っていてこの前インターンシップに参加したときに、採用担当者から、アメリカへの本社移転のをわれたらしい、あの会社顧客がアメリカの企業も多い、顧客のニーズに応えるだけの能力はもとより英語のスキルがTOEIC800以上は必要だと言われて泣いていたよ。入社すぐとは言わないが、入社3年目にその能力が無ければアメリカ本社では働け無いって言い切られたらしい」
「マジか?800かそれはハードルが高い。偉く上から目線だな」
「俺は日本企業か起業するかを考えているからTOEICなんて特に重要じゃないから
いいけど、あの会社は成果主義で業績を伸ばしてきたから給料は高い、やり甲斐も大きい。メンタル強くない人間は無理だね」
「蓮なら大丈夫だと思うけど、あいつ850くらいだったから」
「そこじゃなかった。RCCの本社移転の日付だよ来年の10月頃って言っていた」
「後一年もないな、あぁ、敬介は知っていないだろうな、あいつは蓮のバックを全然気にしてないから、蓮が、好きになったんだろう。結構いい感じだったから応援してやろうと思っていた」
「蓮は今まで恋愛なんてしていないと言うか興味がなかった。あのお袋様ならあいつが女嫌いになるのはわかる。まさか、男に走るタイプじゃないと思っていたのに、よりにもよって敬介だぜ、結構人気で男にも女にも狙っているやつ多いのに、敬介が捨てられてぐずぐずに成れば周りがほっとかない」
「だけど、俺達が、将来アイツらに別れが来る事を知っていても口を挟むと敬介と蓮の間が、変に歪んでとんでもない事になっては困る」
「結局、見守るしかできないのか、辛いなぁ」
「そうだな」
友人たちの心配をよそに2人の間は、クリスマス、バレンタインと日々を重ねる度に信頼と愛情が溢れていった。その頃には陶芸部の中では暗黙の了解だった。2人をみんなが、優しく見守っていた。
新学期、さくらが咲く構内を敬介が、2年生、蓮が、4年生の2人が寄り添って歩く。振り向かれる事にも敬介は慣れてきた。それは、蓮と外で一緒にいるのが敬介にとって居心地が良いと思えるぐらい蓮の事が、好きになっていた。
さくらが散り急ぐ大学の講堂の前の広場で敬介は、先輩として陶芸部のサークル紹介会場に敬介はいた。下級生の敬介達はチラシ配って新入生を勧誘する。敬介は去年オドオドしていた自分を思い出して笑いながらチラシを配っていた。ろくろの周りが少し騒然となった。そこには安芸島と蓮が2人が並んでろくろの前に座っていた。部員達は今から始まるパフォーマンスを目端にかけながらチラシを配る。
彼らは夕食をかけてどちらが大きな皿を引けるのか?を競っていた。それを唖然とした顔で見ていた人に敬介は、チラシを渡す。
「えぇっ、お前らプライベートでも一緒なんてないよな」
安芸島は言った。
「一緒だよ。敬介とは部活もプライベートでも一緒に過ごしているんだ」
そう言い切る蓮の横で、微笑みながら敬介が頷く。それを見て思わず安芸島は一言言う。
「嘘だろう」
「こんなこと、嘘をつく事じゃないだろう」
「あぁー、いつの間にだよ」
安芸島が絶句するしながら上を向く。
安芸島が誘って3人で、コーヒーショップに入った。敬介が、三人分のコーヒーを取りに立つ。
「蓮、お前なぁ、敬介は結構人気者で男女問わず狙っていたんだぜ」
「知っている」
「世田なんてある意味本気だったのに、聞いたら泣くぞ」
「それもなんとなくわかっていた」
「トンビに油揚げかよ」
フフッ、っと蓮は笑いながら敬介を目で追う。そんな穏やかな蓮の顔を見たのは初めてだった、今まで友人として過ごしていても蓮は、一歩後ろにいて、馬鹿騒ぎしていても冷静に行動していた。いつも緊張感と人生を諦めている様に感じていた。そして途轍もなく冷ややかな目をしていた。
そんなやつの寛いだ様子や愛おしいと言う眼差しを目の当たりにして安芸島は一言
『これは、敬介に蓮がやられたんだな』
呟いた。
しばらくして安芸島は世田に敬介と蓮の事を聞かれた。
「安芸島、蓮と敬介ってホントか」
「お前の耳にも入ったのか、ホントみたいだ、俺街中で目撃した。話もした」
「あー、嘘だろう、蓮ってその趣味なかったよな、俺がゼミで忙しい間に、これってないだろう」
「ご愁傷様です。お前もあの蓮の顔を見れば納得するよ。蓮が、敬介にやられたんだ」
「そうか、敬介は、蓮の事を尊敬しています、付いていきますって感じだった、蓮の復活はあいつの情熱に絆された感ありありだったと聞いていたけど、はぁー。だけど、蓮大丈夫なのか」
「何が」
「あいつの就職と言うか、実家?ってRコミュニケーションカンパニーRCCだよなぁ」
「多分、ってお前も同じ高校だったんだから知ってだろうに」
「俺の学部での連れが、そこ狙っていてこの前インターンシップに参加したときに、採用担当者から、アメリカへの本社移転のをわれたらしい、あの会社顧客がアメリカの企業も多い、顧客のニーズに応えるだけの能力はもとより英語のスキルがTOEIC800以上は必要だと言われて泣いていたよ。入社すぐとは言わないが、入社3年目にその能力が無ければアメリカ本社では働け無いって言い切られたらしい」
「マジか?800かそれはハードルが高い。偉く上から目線だな」
「俺は日本企業か起業するかを考えているからTOEICなんて特に重要じゃないから
いいけど、あの会社は成果主義で業績を伸ばしてきたから給料は高い、やり甲斐も大きい。メンタル強くない人間は無理だね」
「蓮なら大丈夫だと思うけど、あいつ850くらいだったから」
「そこじゃなかった。RCCの本社移転の日付だよ来年の10月頃って言っていた」
「後一年もないな、あぁ、敬介は知っていないだろうな、あいつは蓮のバックを全然気にしてないから、蓮が、好きになったんだろう。結構いい感じだったから応援してやろうと思っていた」
「蓮は今まで恋愛なんてしていないと言うか興味がなかった。あのお袋様ならあいつが女嫌いになるのはわかる。まさか、男に走るタイプじゃないと思っていたのに、よりにもよって敬介だぜ、結構人気で男にも女にも狙っているやつ多いのに、敬介が捨てられてぐずぐずに成れば周りがほっとかない」
「だけど、俺達が、将来アイツらに別れが来る事を知っていても口を挟むと敬介と蓮の間が、変に歪んでとんでもない事になっては困る」
「結局、見守るしかできないのか、辛いなぁ」
「そうだな」
友人たちの心配をよそに2人の間は、クリスマス、バレンタインと日々を重ねる度に信頼と愛情が溢れていった。その頃には陶芸部の中では暗黙の了解だった。2人をみんなが、優しく見守っていた。
新学期、さくらが咲く構内を敬介が、2年生、蓮が、4年生の2人が寄り添って歩く。振り向かれる事にも敬介は慣れてきた。それは、蓮と外で一緒にいるのが敬介にとって居心地が良いと思えるぐらい蓮の事が、好きになっていた。
さくらが散り急ぐ大学の講堂の前の広場で敬介は、先輩として陶芸部のサークル紹介会場に敬介はいた。下級生の敬介達はチラシ配って新入生を勧誘する。敬介は去年オドオドしていた自分を思い出して笑いながらチラシを配っていた。ろくろの周りが少し騒然となった。そこには安芸島と蓮が2人が並んでろくろの前に座っていた。部員達は今から始まるパフォーマンスを目端にかけながらチラシを配る。
彼らは夕食をかけてどちらが大きな皿を引けるのか?を競っていた。それを唖然とした顔で見ていた人に敬介は、チラシを渡す。
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