【本編完結】優しい気持ちが灯るまで~君と見た月に(改稿終了)

Rei0【風鈴】

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文化祭の夜*

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 文化祭の打ち上げが終わった後、仲間から離れて2人は蓮のマンションに行く。てを絡ませて酔いを醒ましつつ歩く2人は特別話すこともなくマンションの部屋のドアを閉めた瞬間に2人の唇は合わさり深いキスが始まった。
 玄関からベッドまでお互いの服を脱がし合いながら唇は離れない。
「れん、せ、ん、パイ、好き」
「敬介、俺も、おまえ、が好きだ」
 ベッドに傾れ込んで2人は上に下にとなりながら、蓮は、敬介の胸を摘み口に含んで、敬介の自身の先からはしどけなく蜜が溢れていた。
 蓮はベッドサイドからローションを出して、両手で温めて敬介のものを口に含んでいく。
「れ、ん、あーあーもーダメ。はなして、出る~あー」
 蓮は、そのまま敬介の白濁を飲むと、にっこり笑った。
「今日はもう少しがんばってね」
「うふーん」
 蓮は敬介の蕾に指を入れながら、少しずつ広げて行く。
 だんだんと気持ち良すぎて敬介は喘ぎ声を上げる。
「あー、あーいーい」
 蓮のものにコンドームを被せローションを塗して少しずつ敬介の蕾に入って行く。
「敬介、力を抜いて」
「あーもーダ、めーもーむ、り」
 蓮は、敬介の胸を摘み力みを散らしながら、少しずつ進めていきながら全てが入った。
「入った、痛いところはない」蓮が優しく聞く。
 敬介は、目を潤ませて首を縦に振る。
 蓮は少し馴染ませて、少しずつ動かした。そして慣れた頃に剥き差しを大胆にしながら攻めて行く。敬介は、蓮の動きに翻弄されながら、喘ぐ。
「あー、れーんおかしくなってしまう」
「けいすけ、俺もイキそうだ」
 敬介のものもの唆り立ちながら蜜を溢していた。
「もう、いくー、いく」
 そして2人の手を繋いで最後に向けて
「敬介、一緒行こう」
 と言いながら2人は果てた。
 敬介を抱きしめながら、キスを繰り返した。
 敬介は、あまりの気持ちよさに気を失ってしまった。蓮は敬介の中から自分の物を出して、敬介の蕾が閉じていく様を見ていた。
「敬介、愛している。お前を最後まで守り切る」
 しばらくして敬介は気が付いて、呟いた。
「蓮、僕も君が好き、愛している」
 2人は、風呂に入って、湯船に二人で浸かる。
「蓮、これからも素晴らしい作品を作ってね。応援しているから」
「あぁ、頑張るよ。ただ、家の仕事がこれから先増えるかも知れない。敬介に寂しい思いをかけるかもしれないけど、陶芸は、まだまだ作りたいものがあるんだ」
「君の家の事は僕は知らないでおくよ、僕は君の負担になりたくないから、それでいいよね。だけど敬介の通りたいものって何?」
「君とおそろいの茶碗と湯呑」
「素敵だね。楽しみだな」
 2人は、抱き合いながら湯船でキスを深くしていく。そして、夜は更けていく。
 文化祭の夜から、2人は週末蓮の家で過ごすようになった。蓮は、ひとり暮らしが長い分料理が上手くて、簡単に色々と作る。それには敬介もびっくりした。蓮はコンビニ飯や外食が多い人と思い込んでいたからだった。敬介もひとり暮らしをするにあって、味噌汁や煮物など和食メインだが、母親と祖母にレシピノートを渡されたので、それを使って、ひとり暮らしの中でもできるだけ作っていた。
 2人で食事を作り、ゆっくりと愛し合い過ごす時間は敬介にとっても蓮にとっても安らぎの時間だった。愛情は2人を深く結びつけていく。
 外出する時も、一緒に自転車に乗って近所の美術館や公園で過ごす。買い物をする時には自然と手を繋ぐ。敬介も始めは人の目を気にしていたが、蓮は、平気だった。この頃は敬介が蓮の手を積極的に繋いでいる。大学内では学年も学部も違うので会う事も少なかった。陶芸部では殆ど作品を作ることが多いので、その間はどちらも集中している姿しか周りのみんなは見ていない。陶芸部では2人の事は仲の良い先輩、後輩と言う認識だった。
 敬介は、蓮に家の空いている部屋に越してくるかと言われたが、敬介はこの関係が蓮の就職で終わりを迎えてもいいように固辞していた。
 敬介の姉が大学時代に付き合っていた人と同棲していたのに別れたのがお互いの就職だった。その時、別れたのにアパートをお互い出れずに愛情もないのに一緒の部屋で済まなくてはならず、彼が家を探して出て行くまでの1カ月大変だったと姉から何回も聞かされていたので、漠然だったが甘えたくなかった。
 男同士の恋愛について敬介の家族は多分驚くかも知れないが、反対を強く言わないだろうと敬介は思っていた。だけど、蓮の実家の人達は猛烈に反対すると安易にわかる。後継として次の世代を遺していく事を蓮は求められると思う。
 今は今だけは敬介は、蓮の事が好きで彼の側を離れたくはなかった。1日でも長く蓮といたい、そして一緒に陶器を焼きたい。敬介の切ない思いだった。
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