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敬介は、すごく寝心地の良いベッドの上で寝ていた事に気づいた時はもうすっかり朝だった。
『あっ、痛い』
頭痛とすごい喉の渇きと見慣れないパジャマを着ている事に驚きながら、ベッドの周りを見た。ベッドは、自宅のベッドの2倍以上の広さに気分が落ち着かなくなった。
『ここは何処?異世界なんてないよなぁ、僕は東山敬介だけど俺大丈夫かなぁ?』
敬介は自分の身体を触った。別段おかしい所はない事を確認して、覚悟を決めてベッドから降りて、部屋のドアを開けた。
「おはようございます、すみません」
『良いコーヒーの匂い、すげーマンションだ、誰の?』
「おい、やっと起きたのか?」
後ろから急に声をかけられた。振り向くとそこには
「レ、蓮、蓮先輩がど、どうして?」
「お前勢いよく俺の酒を飲んでぶっ倒れたんだ。お前の下宿に送るにしても急性アルコール中毒なんかにでもなって死んだら寝覚めが悪いって、原因は俺だと言ってみんなが避難の目で俺を見やがるし、1番あそこから俺の家が近いからみんなでここに運んだんだ」
「ここは先輩の家ですか?ご迷惑をおかけしました。ご両親にご挨拶させてください」
「ここは俺しかいない、母親が遺産分けでここを貰ったが、本人は再婚して今はアメリカにいる」
「こんな広い所で1人暮らし、寂しくありませんか?」
「お前って良い育ちをして来たんだな。ここに来て、俺に寂しくないかと聞いたのお前が初めてだよ」
そう言って笑っている。
敬介は、何か間違った事を言ったのか考えてもわからなかった。
「普通どう言えば良いのですか?」
「先輩ものすごく金持ちなんですねとか、お付き合いしませんか?とか」
「はぁ、そうですか、俺は男だし付き合えませんし祖父がよく言っているんです、お金持ちだからという視点で人を見るなと言われていたので、それにお金って先輩が稼いだお金でもないですよね。だったらこんな大きな家に一人で暮らしていると俺ならいくらお金が有っても寂しいなと思っただけです。昨日はご迷惑をおかけしました。帰ります」
敬介はそう言って頭を下げる。
「ごめん、ごめん、意地悪したいわけでもないよ。本当にそうだと思うよ。俺は母親のおこぼれでここに住んでいるだけだ。だから、君の反応が新鮮でうれしかったんだよ。朝ご飯の支度はできているから食べて帰ったら良いから、一緒に食べよう。その前に顔と歯を磨くだろう、こっち来て」
蓮先輩はそう言って、洗面所に連れて来てくれた。新しい歯ブラシと歯みがき粉とタオルを渡してくれた。
「終わったらさっきの廊下端にリビングが、有るから来て」
と言って、出ていった。
敬介は、洗面を終えてリビングに着くと蓮にテーブルの前へ連れていかれた。
「すげー、パンだけじゃない」
と言った敬介の声に蓮は微笑んだ。
そこには、おしゃれにワンディッシュにサラダやベーコン、スクランブルエッグとぶどうがのっていた。パンはクロワッサン、後カフェオレから湯気がたっていた。
「コレ先輩が作ったんですか?」
「いいや、俺が一人暮らしで何も作れないと思っている叔父が、定期的にここの掃除と買い物をしてくれる人を寄こしてくれている。冷蔵庫にはそんな食材があるから俺はベーコンと卵を焼くぐらいだ」
「そうなんですね、だから綺麗に片付いているんだ」
「さ、食べよう」
蓮が、敬介を促して食べようとする。敬介は、一言
「いただきます」
と言った。蓮は、久しぶりにその言葉を聞いた。そして、蓮も一言
「いただきます」
と言うのであった。
『あっ、痛い』
頭痛とすごい喉の渇きと見慣れないパジャマを着ている事に驚きながら、ベッドの周りを見た。ベッドは、自宅のベッドの2倍以上の広さに気分が落ち着かなくなった。
『ここは何処?異世界なんてないよなぁ、僕は東山敬介だけど俺大丈夫かなぁ?』
敬介は自分の身体を触った。別段おかしい所はない事を確認して、覚悟を決めてベッドから降りて、部屋のドアを開けた。
「おはようございます、すみません」
『良いコーヒーの匂い、すげーマンションだ、誰の?』
「おい、やっと起きたのか?」
後ろから急に声をかけられた。振り向くとそこには
「レ、蓮、蓮先輩がど、どうして?」
「お前勢いよく俺の酒を飲んでぶっ倒れたんだ。お前の下宿に送るにしても急性アルコール中毒なんかにでもなって死んだら寝覚めが悪いって、原因は俺だと言ってみんなが避難の目で俺を見やがるし、1番あそこから俺の家が近いからみんなでここに運んだんだ」
「ここは先輩の家ですか?ご迷惑をおかけしました。ご両親にご挨拶させてください」
「ここは俺しかいない、母親が遺産分けでここを貰ったが、本人は再婚して今はアメリカにいる」
「こんな広い所で1人暮らし、寂しくありませんか?」
「お前って良い育ちをして来たんだな。ここに来て、俺に寂しくないかと聞いたのお前が初めてだよ」
そう言って笑っている。
敬介は、何か間違った事を言ったのか考えてもわからなかった。
「普通どう言えば良いのですか?」
「先輩ものすごく金持ちなんですねとか、お付き合いしませんか?とか」
「はぁ、そうですか、俺は男だし付き合えませんし祖父がよく言っているんです、お金持ちだからという視点で人を見るなと言われていたので、それにお金って先輩が稼いだお金でもないですよね。だったらこんな大きな家に一人で暮らしていると俺ならいくらお金が有っても寂しいなと思っただけです。昨日はご迷惑をおかけしました。帰ります」
敬介はそう言って頭を下げる。
「ごめん、ごめん、意地悪したいわけでもないよ。本当にそうだと思うよ。俺は母親のおこぼれでここに住んでいるだけだ。だから、君の反応が新鮮でうれしかったんだよ。朝ご飯の支度はできているから食べて帰ったら良いから、一緒に食べよう。その前に顔と歯を磨くだろう、こっち来て」
蓮先輩はそう言って、洗面所に連れて来てくれた。新しい歯ブラシと歯みがき粉とタオルを渡してくれた。
「終わったらさっきの廊下端にリビングが、有るから来て」
と言って、出ていった。
敬介は、洗面を終えてリビングに着くと蓮にテーブルの前へ連れていかれた。
「すげー、パンだけじゃない」
と言った敬介の声に蓮は微笑んだ。
そこには、おしゃれにワンディッシュにサラダやベーコン、スクランブルエッグとぶどうがのっていた。パンはクロワッサン、後カフェオレから湯気がたっていた。
「コレ先輩が作ったんですか?」
「いいや、俺が一人暮らしで何も作れないと思っている叔父が、定期的にここの掃除と買い物をしてくれる人を寄こしてくれている。冷蔵庫にはそんな食材があるから俺はベーコンと卵を焼くぐらいだ」
「そうなんですね、だから綺麗に片付いているんだ」
「さ、食べよう」
蓮が、敬介を促して食べようとする。敬介は、一言
「いただきます」
と言った。蓮は、久しぶりにその言葉を聞いた。そして、蓮も一言
「いただきます」
と言うのであった。
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