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大変なことになっていますよ!
しおりを挟むソニアは2匹のウサギを追いかけている。
手で捕まえようと追いかけても、本気になったウサギの逃げ足は速い。
やがて、一匹でさえ捕まえることができないソニアは息切れで動きを止めていた。
そこへ、アレクの魔法が2匹のウサギに同時に直撃し、仕留めることができた。
「初めからアレクさんが仕留めればいいじゃないですか」
その光景を見たソニアは不満を挙げていた。
「楽しかっただろ?」
アレクは笑っている
「アレクさんって姉さんのときのように、ちょっと人が悪いところがありますよね」
ソニアも満更でもなかったようだった。
アレクとソニア狩りをしている。
2匹のウサギと鹿の一頭を仕留めた二人はそれらを抱えて深い森の中に入っていった。
深い森の中に到達した二人は、火を起こし、薪をくべた。
火の上に仕留めたウサギと鹿を丸焼きとして吊るしあげていた。
ウサギと鹿が程よく焼き上がってきたところに、熟成した焼肉のタレをかけた。
タレがジュワっと音をたてながら濃厚な味が肉に染み込み、肉とタレの香りを含んだ煙が森の奥深くに拡散していった。
その煙がソニアとアレクの鼻腔をついた。
「美味しそうですね」
ソニアが食べたそうにしている。
「食べてみるか?」
アレクの問いかけにソニアは嬉しく返事をした
「はい!」
ウサギの肉を二人で食べた。
これがなかなか美味しいのだ。
「あの濃厚なタレの味わいが肉と一緒に食べると、程よく味付けになっていて、とっても美味しいです!」
ソニアもご満悦だった。
焼肉のタレは上手くできていたようだ。
アレクとソニアが仲良く美味しくウサギと鹿の肉を食べていると、森の奥からグルルという呻き声が聞こえた
キラーベアが森の奥から姿を現した。
それも一体だけではない。
わんさかわんさか集まってきている。
アレクが焼いた肉と焼肉のタレがキラーベアの鼻腔を刺激して集まってきたのだ。
その光景を見たソニアはアレクの焼肉のタレを使った作戦を身をもって知ることができた。
「ちょっとアレクさん、大変なことになっていますよ!」
二人の周囲にはキラーベアが30数体集まってきていたのだった。
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