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こんな気持ちは初めてだ
しおりを挟む大柄の男を吹き飛ばしたアレクは茫然としていた。
惨劇後の周りは静まり帰っている。
やってしまった。強さを隠したFランクの冒険者が目立ってしまっている。
しばらくの静寂の後、観客の皆が歓声を上げた。
「兄ちゃん、かっこよかったぜ、あんた意外と強いんだな」
「あいつらには俺たちも迷惑してたんだ。おかげですっきりしたぜ」
周りから非難されるかと思ったが、歓迎されている気がする。
「アレクさん、ありがとう」
ソニアはアレクを後ろからぎゅっと抱きしめている。
何だろう、この気持ち
こんな気持ちは初めてだ。
吹き飛ばした大柄の男はパーティの仲間が連れて帰って行った。
幸いなことに器物の損害や人のケガはなかった。
事の始終を見ていた人たちはアレクが正当防衛をしたということで、お咎めはなかった。
歓声に包まれているアレクは、大柄の男から報復を受けることなんて考えてもいなかった。
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