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ちょっとかっこいいですよアレクさん

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矢面に立たされたアレクは大柄な男に鼻息を荒くして凝視されている。



「キラーベアの討伐と小娘がこいつのモノだってのが気にいらねえな」



さっきまで気にもかけられていなかったのに、矢面に立つとこの修羅場には困ったものだ。



さて、この状況をどうしたものかと考えていると



「俺と勝負しろ。俺が勝ったらその猫耳の小娘は俺がもらう。」

大柄な男が勝負を挑んできた。



「いいだろう。僕が勝ったらあなたは冒険者をやめることだ」

ソニアを背中に隠しているとなぜか勝負に乗ってしまった。



「ちょっとアレクさん、なに勝手に決めてるんですか」

「それは、お互いさまだ」

「そうですけど・・・・勝てるんですか?」

「どのみち、キラーベアを倒すならこの男を越えていかないといけない」

「ちょっとかっこいいですよアレクさん」



それを聞いた大柄の男は激怒した。

「これでも俺はAランクの冒険者なんだぞ。駆け出しのFランクに負けるわけがねえ」



大柄の男がアレクに拳を振りかざしてきた。

「きゃっ」

背中にいるソニアは怯えながらアレクの背中に身を隠していた。



大柄の男の拳がアレクを打ち抜こうとしたとき、その拳は眼前の紙一重で止まった。それはまるで壁を殴っているかのようなものだった。



「なんだこれは」

大柄の男は何度もアレクを殴っているが、すべて見えない薄い壁に防がれてアレクに到達しない。



アレクは右手を前に出し、力を込めた。

すると、大柄の男は両手押し扉を押し抜けて外の出口まで吹っ飛び、気を失っていた。

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