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ちょっとアレクさん、何するんですか!
しおりを挟むメイド服姿を見た猫耳少女が立ち上がりそうになっていたところをアレクが手で制止した。
おそらく、メイド服の少女が猫耳少女の妹なのだろう。
「その猫耳少女はいくらするでんすか?」
アレクは商人に金額を聞いた
「この子は磨けば光る素材であり、まだまだ身体的成長の見込みが十分にございます。金貨100枚といったところですな」
金貨1枚で貧困の平民一家族で一月間は十分に暮せる金額である。
今のアレクと猫耳少女の全金額を合わせても到底足りる金額ではない。
ここは一旦引くしかない。
「僕たちはその子を買い取るだけの金貨を持ち合わせていません。金貨を用意するまで待っていただけないでしょうか。」
それを聞いた商館の主は、苦い顔をした。
「この商品は人気商品でして、その他大勢のお客様がお買い求めになられています。今ここで決済の手続きをとっていただかないと購入はできません。尚、後日、資金を用意されて当商館にお越しくださいましても構いません。ですが、同じ商品が残っている保証はありません」
それを聞いたアレクは交渉が下手だったと痛感した。
なにかこの展開をひっくり返すような奥の手はないかと思考していると、非人道的なこの手しかなかった。
「それならば、これならどうでしょう」
アレクは猫耳少女のフードを外した姿を、商館の主に披露した。
「ちょっとアレクさん、何するんですか!」
ピョコっと飛び出たモフモフの猫耳を恥らいながら手で隠そうとする猫耳少女が可愛かった。
「ほう、これは美しい猫耳でございますな。」
商館の主は感心したように頷いた。
「こちらがあなた所有物であるなら、売っていただけるということでございましょう」
それを聞いた猫耳少女と、彼女の妹の顔が青ざめていた。
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