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第九話

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「ねぇ…亜嵐?…っちょ…最近…んあっ…弄るのやめてっ…」
「んー?…何?…んくくっ…最近、二琥よゆーじゃん?…良く喋って…可愛いっ…」
さっきから亜嵐の指先が穴の入り口をクニクニと揉んでいる…

亜嵐との両思い記念日…
(俺じゃない…亜嵐が制定したんだ!)
からもう一ヶ月以上…
あれから亜嵐は事の度に、俺のソコを弄ってくる…

いつもの様に快楽に溺れながらも、俺はまだソコを死守していた…

「…俺とだったら、絶対こっちも気持ち良いのに?」
「…むっ、無理…亜嵐っ!んあっ…」
後ろから亜嵐に包まれながら、俺はその両手で玩ばれているようだった…
「ダメ…二琥…まだ余裕でしょ?…良く見せて?」

亜嵐に軽く押し倒されると、両方の足首をひょいっと持ち上げられた。
腰が立ち俺の秘部は亜嵐の目の前に広げられている…

「まじでっ!…イヤだぁ…恥ずかしい…」
「二琥…それ煽ってるって言うんだよ?…やばっ…」
亜嵐は興奮を高めたようで、辺りの香りは噎せる程甘く…
妖艶な瞳で俺のソコを見おろしながら、亜嵐は自分を追い詰めている…

「…っちょ…二琥…先にイカせて?…」
恥ずかしすぎる体勢に、いっそのこと俺が先に気が遠くなれば良いのにと思っていた…

亜嵐が息を飲むと…

ソコからの熱い液体が、俺の穴めがけて降り注いだ。
すぐにとろみのあるその液体は、俺の尻の間へと滴り落ちる…

「…っはぁ…おっと、垂れ流し…くくっ」
亜嵐はさも愉しそうに垂れていくその液体を自分の指に絡めとると、俺の穴へ戻していく…
「亜嵐っ…何してっ…?…んー!」
「大丈夫っ…こうしたら絶対痛くないからっ♪」

亜嵐は滑りを絡めた指ごと、俺の穴へと一気に射し込んだ…

「まじっ…やだっ…こわいっ…」
「大丈夫だよっ♪…っほら?くぷくぷゆってる…」
ぬちゅぬちゅという湿った音が響き、俺の中で確かに異物が蠢いているのがわかる…
「っん?…二琥の中…っくく…中まで可愛いの?」

「っはぁっ…んあーっ…っあっ…」
蠢いた指が俺の内側から突き上げると、言い知れない快感に襲われた…
「んーっ♪ここっ?…二琥?…気持ち良いでしょ?」
亜嵐の指はその場所を何度も何度も刺激し、液体の動く音と共に全身に伝わる…

少し勢いを弱めていた場所へ血液が集まり始め…
ソレは直接触られていないのに、いつの間にか固く腫れ上がってヒクついていた…

「くくっ…二琥じょーず♪…このままイッて良いよ♪」
完全に標的にされた場所を内側から何度も刺激されて、下半身の快楽が何処から発信されているのかわからなくなる…
亜嵐は胸板で俺の膝を曲げると、胸で小さくヒクついている突起を口に含んだ…

亜嵐に内側から弄られながら、舌で転がされ…
限界に達した快感は、触られてもいない先っぽから溢れだした…
亜嵐の骨盤辺りにぶつかった液体は、俺の臍へと滴り落ちる…

「っく…二琥…凄い…いっぱい出てるよ?」
「っはぁ…はぁ…はぁ…あー。…亜嵐。俺…何か大事なものを失った気分…」
「んくくっ…二琥、大丈夫♪まだだから♪」
「っえ?」
「…でも、気持ち良かったでしょ?」

…………
………

亜嵐が次は…とか言い出して、うっかり授業に遅れる所だった…
俺は慌てて準備をすると、大学へと急いでいる。

(んー…まだなんか異物感が…でも、想像より痛くなかったのは…やっぱ亜嵐のアレのおかげ?…痛いっていうより…むしろ気持ちい…)

(…うーわ。俺何考えてんだよ?…ここ外なのに…)

(亜嵐といると、性の感覚が…崩壊しそう…)

真っ昼間の都会の道で、うっかり俺は卑猥な記憶を辿っていた…
………
「あっ♪二琥君っ♡」
急に高い声に呼ばれビクッとなって振り返ると、俺の左肘には肌色のたわわな胸がペタっと押し付けられていた…
「っへ?…胸…じゃないっ…」
俺は慌てて左手を振ると、その手は僅かに緩めた腕を滑らせ手首を絡めて来た…
「…おはよう…田中さん…」
「ね~ぇ?二琥君だって田中でしょ?だからぁ…うーあって呼んでよぉ♡」
亜嵐といつもいるせいか、俺はこの猫なで声が苦手だった…
「ん?二琥君今日も甘い匂いする~♡この匂いだ~い好きぃ♡」

田中雨愛(たなかうーあ)なんて亜嵐に似た響きなのが凄い嫌だ。最近大学に来ると、この娘に付きまとわれている…
雨愛が言うには俺が入学した頃に、何かで話したらしいのだが…
理事長に襲われた頃だろうか?…俺は良く覚えていなかった。

「ねぇ…田中さん…近いっ」
距離を取ろうとしてる間に、大学に着いてしまった。
「二琥君がうーあって呼んでくれたら、離れるかもぉ♡」
腕を組んで登校してきたカップルに見えそうな俺達を、大学から出てきた数人がチラチラ見ている…
もちろん、俺が目立っているのではない。
俺の横の美少女の露になった肌を、すれ違い様に二度見しているのだ。

この娘は自分の良さを最大限に魅せる方法を知っているのだろう…薄い茶色の細い髪の毛を高い位置に結んで、スカーフ?みたいな布を巻き付けてある。
何だかたくさん睫毛が生えた大きな二重は、目尻が少しだけ垂れていた。
そして、何より胸の上半分は全て見えている服から、たわわな二つの膨らみがこぼれ落ちそうだった…
黙っていれば既婚者(男とだけど…)の俺でも可愛いと思う。

そんな娘に明らかに言い寄られている俺が、ちっともなびかない事がちょっと切ない…

「ねぇ~え?二琥君聞いてる?」
いつの間にか、俺の指は小さくて細い指に絡め取られていた…
「いや、田中さん…ホント離して?」
「うーあっ♡」
「はぁ…うーあ、もう離して?」
「うはぁ♡名前呼び♡」
かろうじて俺の手は解放されたが、俺は何だか負けた気がしていた…

………

「んじゃ♡二琥君♡また後でっ♡」
構内に入るとひらりと踵を返した雨愛とは幸い違う授業をとっていたようだ。雨愛はそのまま楽しそうに構内の奥へと消えていった…

…………
……

その日の講義も充実していたし、帰りには雨愛に出会さず帰って来れた…
なのに家が見えて来ると、どっと疲れが溢れ出す…
「…ただいま」
力なく呟くと、奥から亜嵐が何だか怪訝な顔つきで出てきた…

「っえ?亜嵐どうしたの?」
亜嵐の見たことの無い顔に、驚きつつも咄嗟に機嫌を伺ってしまった。
「…二琥?やっぱり二琥は女の子…好きだよね?…っいや、性別ってか…そういう事じゃないんだけど…」
「亜嵐?なんで?」
亜嵐の言葉に、ふと昼間のたわわの感触を左肘が思い出してドキッとしてしまう…

「昼間…見ちゃった…」

「…っえ?」

浮気がばれた時ってこんな感じなんだろうな…
何も無かった俺でさえ、昼間の事を亜嵐にどう説明すべきか頭がフル回転していた…
「二琥?…抱かせて?」
「え?」
「いつもの意味じゃない。俺…ダメかも」
「亜嵐?」
「別の意味でおかしくなりそう…」
亜嵐の様子に、俺は昼間の説明をする事を忘れてしまっていた…
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