【完結】国外追放の王女様と辺境開拓。王女様は落ちぶれた国王様から国を買うそうです。異世界転移したらキモデブ!?激ヤセからハーレム生活!

花咲一樹

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第59話 街の声

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【とある職場】


「ねぇ、あなた矢鱈と顔が輝いてない?」

「えへへ、最近できたブティックで化粧水を買ったの」

「化粧水? ファンデーションじゃなくて?」

「ここの最高級化粧水が凄いのよ! 小さな瓶で金貨一枚なんだけど、今なら無料サンプルを配ってるの!」

「ちょ、ちょっと何それ!」

「最初に貰った試供品使って、あとは一番安い瓶の化粧水でもお肌キラキラなのよ!」

「な、なんてお店!?」

「それはね――――」





【リア充デート】


「お待たせ~」

「お、おう……」

「ん? どうかした?」

「い、いや、その服、可愛いな」

「あ、ありがとう。可愛い?」

「ああ、赤と黒のデザインに白いフリルがあって、珍しい服だよな?」

「うん。新しくできたお店で買ったんだ~。今日のデート、そのお店に行ってみない? 欲しい物があるんだ~」

「別にいいけど、洋服屋だろ?」

「ウフフ~、行ってからのお楽しみ~」





【とあるパーティー会場】


「ねえ、伯爵夫人の指輪見ましたか?」

「ええ、これ見よがしに見せびらかしていましたわ」

「でも、あのダイヤモンド、凄く輝いていましたわね」

「ええ、ダイヤモンドは素晴らしかったですわね」

「いったい、どこで手にいれたのかしら」





【とある姉妹のお部屋】


「お姉ちゃん、その下着可愛いいね」

「凄い着心地がいいのよ。ブラジャーは、胸をしっかりと形を整えてくれるし、パンティも滑らかで、これを履いたら他のパンティは履きたくなくなるわね」

「へえ、私も欲しいな。お姉ちゃん、貸してよ」

「それがね、胸の大きさやお尻の大きさでサイズが違うの。あなたの胸が大きくなったら貸してあげるわよ」

「……一生無理だと思う」

「ふふ、今度一緒に買いに行きましょ。化粧水もとてもいい物があるのよ」





【街の中で友達と】


「ポイント貯まった?」

「まだまだだけど、楽しみだね」

「お母さんも、ポイントラリーの紙を眺めてはニヤニヤしてるよ」

「うちもそうだよ。ポイントが貯まったらただで化粧水貰えるっていいよね」

「面白いお店だよね」

「うん。化粧水を買うなら絶対あの店だよね」

「今日はどうする?」

「あのお店って冷やかしオッケーなんだよね」

「うん」

「じゃあ行く場所は決まったね」





【とある八百屋】


「毎度あり~」

「旦那さん、ちゃんとスタンプ押してよ」

「はいはい。おっ、だいぶ貯まってるね奥さん」

「それはそうよ。お買い物は全部、この商店街でしてるんだから」

「うちとしても助かるよ。今月には入ってから売り上げが倍増だよ」

「そういえば娘さんは、あのお店で働いてるのよね」

「ああ、毎日が楽しいみたいで、元気に家を飛び出ているよ」

「この間、あのお店で見かけたけど、そばかすだらけだったあの娘が、綺麗になってわよね」

「なんでも、店員は最高級化粧水が使いたい放題らしいな」

「なにそれ!? 小さな瓶でも金貨一枚もするのよ!」

「店長のイレーヌ様曰く、店員が肌荒れしていたら駄目らしいぞ」

「そうかもしれないけど、贅沢すぎないかしら」

「あいつも、お給与を貰うのが申し訳ないって言ってたよ」

「まったく羨ましいかぎりだね。うちの娘もあのお店で働かせたいよ」

「そういや、店を拡張するから近々に求人募集が有るって言ってたな」

「本当かい! うちの娘でも働けるのかい」

「ん~、どうだかな。でも募集は地元優先って言ってたから、おたくの嬢ちゃんもワンチャンあるんじゃねえか」

「そりゃいい事を聞いたよ。ありがとね」





【アマノガワブティック】



「「「おはようございます、イレーヌ様」」」

「皆様、おはようございます。本日はオーナーのトーマ様が視察に来られます」

「「「きゃぁぁぁぁぁぁ!」」」

「なんですか、はしたない声をあげて」

「だってトーマ様が来るんですよ!」

「またあの凛々しいお顔を見れるなんて~」

「トーマ様って素敵ですよね~」

「イレーヌ様はトーマ様とご結婚されるのですか?」

「ば、ば、ば、馬鹿な事は言わないでください」


(わたしがトーマ様と? ど、どうしましょう! えへ、えへへ)


「イレーヌ様、よだれ出てますよ」

「うっ、さ、さあ開店準備をしてください」

「「「は~い」」」


カラン、カラン♪


「お店、もうやってますか?」

「冷やかしですけど……」

「どうぞ、中に入って下さい」


「「「アマノガワブティックへ、ようこそいらっしゃいました、お客様!」」」

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