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第31話 聖紋

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「この宝玉はサセタ神様に捧げます。例え我らが道が深淵に繋がろうとも、地獄の闇に閉ざされるようとも、その宝玉を持ちて、我らをお照らし下さい」

 超巨大ダイヤモンドは余りにも法外な価値のため、サセタ神様に献上する事にした。サセタ神様は女神様だ。ダイヤモンドの宝石を貰ったらきっと喜ぶに違いない。


「宜しかったのですか?」

「あれは俺たちには荷が勝ちすぎる。サセタ神様にお任せしよう」


 すると、俺の左手が光り輝き、光が消え、左の手のひらを開けて見てみれば、そこには何処かで見た紋様が刻まれていた。


「なんだコレ?」

「えっ、こ、これは聖紋ですわ!?」


 あ~、思い出した。ルミアーナ様の左腕に刻まれていた紋様だ。


「素晴らしいですわ、トーマ様! サセタ神様から聖紋を頂けるなんて」

「聖紋って何なんですか?」

「サセタ神様に選ばれた者のみに与えられる刻印ですわ。聖紋を持つ者は、わたくしルミアーナと、教皇様、そしてトーマ様の三人だけですわ」

「へ~、なんかかっこいいな」

「サセタ神様からの感謝の気持ちですわね。オホホ」


 祭壇に立つサセタ神様の像を見上げれば、サセタ神様のお顔が俺に微笑んでいる。そんな気がした。


「ありがとうございます、サセタ神様。それでルミアーナ様、この聖紋にはどんな効果があるんですか」

「オホホ。何もございませんわ」

「…………」

「強いて言うのならば、大司教の悔しがるお顔が見られる事ぐらいですわね。オホホホホ」


 …………御守りみたいなものだな。


 ――――――
【作者より】
この回を書いた時は、出張中だったため、非常に少ない文字数になっています。スミマセン。
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