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第29話 鑑定。オープン・ザ・プライス
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「この気はなんですか?」
「気?」
「はい。聖水で清められた様な、神々しささえも感じますわ」
俺とルミアーナ様は大聖堂を出て、温泉を掘削している場所に到着した。
まだ建物も何も無い道中、ルミアーナ様が俺の手を握ってきた。神に誓った婚約を経て、俺とルミアーナ様の距離が一気に縮まった。えへへ、異世界最高!
そうなんだよな。この温泉掘削場周辺は、心が落ち着く極上温泉に入っている様な、そんな感じがずっとしている。
辺りを見回しているルミアーナ様に、最初に見つけた、ソフトボールクラスのダイヤモンド鉱石を見せた。
「こ、これがダイヤモンドなのですか!?」
「はい。鑑定結果で白金貨一万枚の価値があるみたいです」
「イ、イチマンマイ?」
これ一つで国王代理様が抱え込んでいる借金を帳消しに出来る。
「それではこれを宝石にカットしますね」
ダイヤモンドは磨いてこそ輝きを放つ。現代で働いていた時に勉強した宝石の知識が、異世界で役に立つのはなんとも皮肉な話だ。
ダイヤモンドのカットは多面に磨けばいい訳ではない。各面からダイヤモンドの中に光を入れ、光の結晶を閉じ込める事で内部から輝きを放ち、更に外からの反射光も交わると、その光は神々しく輝きだす。
「錬聖、ダイヤモンド、エクストラカット!」
ダイヤモンド原石の品質は大きさだけではなく、色と不純物の量でも価値が変わってくる。錬聖スキルで再構成されたダイヤモンドは無色透明、不純物無しのピュアダイヤモンドとなる。
そして球体に近いダイヤモンド原石に数千のカットが施されて、完成したダイヤモンドは激しく眩い光を放っていた。
「ウォォォォォォッ!」
「ハワワワワワワッ!」
「何じゃこりゃ!」
「か、神が降臨なされましたか!?」
余りにも光り輝くダイヤモンドに俺とルミアーナ様は何を言っているのか分からないぐらいにパニックになった。
◆
ようやく心が落ち着いた俺とルミアーナ様。
「では鑑定をしますね」
「は、はい。如何ほどの価値が付くのでしょうか……」
「では、鑑定ッ! オープン・ザ・プライス!」
「「…………」」
ゴクリと俺はつばを飲み込む。その金額を日本円に直した場合、俺は生まれてこの方、そんな数字はニュースでしか見た事がない。
「い、如何ほどでしたか……」
「七ヒャク……」
「七百?」
「白金貨七五三万枚……」
「……万……枚?」
「はい。七五三万枚。しちごさんですね」
日本円にして七兆五三〇〇億円。もう訳が分からない金額だ。
「国王級……、いえ世界宝級ですわね! 高価過ぎて売ることは出来ませんわ! オホ……オホホホホ」
いつもは自信に満ち溢れているルミアーナ様のオホホが、今ばかりは引き攣ったオホホになっていたのは仕方のない事だろう。
「気?」
「はい。聖水で清められた様な、神々しささえも感じますわ」
俺とルミアーナ様は大聖堂を出て、温泉を掘削している場所に到着した。
まだ建物も何も無い道中、ルミアーナ様が俺の手を握ってきた。神に誓った婚約を経て、俺とルミアーナ様の距離が一気に縮まった。えへへ、異世界最高!
そうなんだよな。この温泉掘削場周辺は、心が落ち着く極上温泉に入っている様な、そんな感じがずっとしている。
辺りを見回しているルミアーナ様に、最初に見つけた、ソフトボールクラスのダイヤモンド鉱石を見せた。
「こ、これがダイヤモンドなのですか!?」
「はい。鑑定結果で白金貨一万枚の価値があるみたいです」
「イ、イチマンマイ?」
これ一つで国王代理様が抱え込んでいる借金を帳消しに出来る。
「それではこれを宝石にカットしますね」
ダイヤモンドは磨いてこそ輝きを放つ。現代で働いていた時に勉強した宝石の知識が、異世界で役に立つのはなんとも皮肉な話だ。
ダイヤモンドのカットは多面に磨けばいい訳ではない。各面からダイヤモンドの中に光を入れ、光の結晶を閉じ込める事で内部から輝きを放ち、更に外からの反射光も交わると、その光は神々しく輝きだす。
「錬聖、ダイヤモンド、エクストラカット!」
ダイヤモンド原石の品質は大きさだけではなく、色と不純物の量でも価値が変わってくる。錬聖スキルで再構成されたダイヤモンドは無色透明、不純物無しのピュアダイヤモンドとなる。
そして球体に近いダイヤモンド原石に数千のカットが施されて、完成したダイヤモンドは激しく眩い光を放っていた。
「ウォォォォォォッ!」
「ハワワワワワワッ!」
「何じゃこりゃ!」
「か、神が降臨なされましたか!?」
余りにも光り輝くダイヤモンドに俺とルミアーナ様は何を言っているのか分からないぐらいにパニックになった。
◆
ようやく心が落ち着いた俺とルミアーナ様。
「では鑑定をしますね」
「は、はい。如何ほどの価値が付くのでしょうか……」
「では、鑑定ッ! オープン・ザ・プライス!」
「「…………」」
ゴクリと俺はつばを飲み込む。その金額を日本円に直した場合、俺は生まれてこの方、そんな数字はニュースでしか見た事がない。
「い、如何ほどでしたか……」
「七ヒャク……」
「七百?」
「白金貨七五三万枚……」
「……万……枚?」
「はい。七五三万枚。しちごさんですね」
日本円にして七兆五三〇〇億円。もう訳が分からない金額だ。
「国王級……、いえ世界宝級ですわね! 高価過ぎて売ることは出来ませんわ! オホ……オホホホホ」
いつもは自信に満ち溢れているルミアーナ様のオホホが、今ばかりは引き攣ったオホホになっていたのは仕方のない事だろう。
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