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第18話 サセタ教の教えはおあずけでした
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「シルフィさん、サセタ教の教えは覚えてますよね」
「はい。異性には無闇に肌を触らせてはいけないです。でも私とトーマお兄様は兄妹ですから大丈夫ですね。ルミアーナ様だと教えにそぐう事になりますね。フフフ」
風呂を出たらルミアーナ様は起きていた。
「お風呂に入っていたんですの?」
「はい、トーマお兄様と二人で」
そして、肩に寄り添うクスノハ様をソファーに寝かし、ヌッと起き上がると、何故かシルフィとの問答が始まってしまったのだが……。
「む、無闇にと言うのは好意のない相手の事ですわ。シルフィさんはトーマ様をお嫌いなんですよね。いけませんわよ、無闇に肌を触れさせては」
「ルミアーナ様も、お兄様の事を良いとこ無しのキモデブ、豚デブ、百貫デブとか言ってましたよね」
「そ、そ、それは…………リ、リオン様の事ですわ。トーマ様はキモデブでも、豚デブでも、百貫デブでもありませんわ。それに、わたくしには操を捧げる覚悟もございますわ」
赤い顔で俺を見つめるルミアーナ様。み、操ってあれだよね!?
「お兄様! 鼻の下をいくら伸ばしても、サセタ教の教えは『結ばれる迄は健全であれ』だよ」
そ、そうだった。最終行為は結婚するまでは禁止。おあずけ教の別名をすっかり忘れていた。
ヤりたければさっさと結婚しなさいという教えにより、サセタ神のお告げによる早期の結婚率は八十%を越えているとか。
「わ、分かってるよ」
「分かっていらっしゃるなら、さあ、参りましょう。あくまでも健全にですわ。オホホ」
妖しく光るルミアーナ様の瞳は、悪魔でも健全にの顔をしていた。
◆
「痒いところはありませんか?」
結局、ルミアーナ様の髪の毛を洗っている俺。もちろん裸ではなく、短パンに半袖シャツだ。
「オホホ。至福の時ですわ」
金髪ゆるふわウェーブのルミアーナ様の髪の毛をシャワーで濡らすとドストレートになった。
「ルミアーナ様の髪の毛ってストレートなんですか?」
「オホホ。乾くとウェーブになる整髪魔法をかけてありますの」
整髪魔法! 何それ!? 面白い! スキルメイクで覚えよう!
「トーマ様……」
「なんですか?」
急に真剣で、それでいて哀しみが込もった声になった。
「……今のわたくしは、王女でも無く、資産も無く、ただの女ですわ。そんなわたくしはトーマ様の婚約者の資格はありますか?」
「えっ? 当たり前ですよ。逆に俺の方が自信ないですよ」
何せ、さっき迄はただのキモデブだった。たまたま手に入れた錬聖のスキル。しかしスキルと人間性は別問題だ。ルミアーナ様が神聖のギフトの事を口に出さなかったのも、俺と同じ理由かもしれない。
「さて、魅力的なルミアーナ様。次はトリートメントを付けますよ」
「……よ、宜しくお願いいたしますわ!」
振り返ったルミアーナ様と視線が重なる。アハハ、ウフフとお互いに笑い、少しだけルミアーナ様との距離が縮んだ気がした。
◆
シルフィも素敵だったが、ルミアーナ様も素敵すぎる。モコモコの泡を手につけて、透き通るような白い背中を撫でるように洗いつつ、その感触に俺の脳がおピンクになっていく。
「では、前の方も宜しくお願いいたしますわ。わたくし、自分で体を洗った事が無いので、洗い方が分かりませんのよ。オホホ」
そして、スルスルっと前を隠していた白いバスタオルが、腿に落ちる。
オホホじゃねえよ!
一瞬見えた白い双丘から目を背け、後退りする。
「トーマ様には……わたくしを見て頂きたいのです……。ふしだらな女の子だと思いますか?」
振り返るルミアーナ様。ふくよかな白い双丘にピンクの蕾。初めて見る女の子の膨らみ、しかも学院一の美少女の裸に頭の中が真っ白になる。
「……何故、俺なんですか?」
リオンの記憶にはルミアーナ様と話をした記憶がない。俺が痩せたからとかで、好意を寄せるほど、ルミアーナ様がチョロインだとは思えない。
「そうですわね。では少しだけお話いたしますわ」
「……その前に前を隠して下さい」
「オホホ、わたくしの裸には魅力は無かったようですね」
「逆ですよ! 魅力的過ぎるので隠して下さい!」
「オホホ」と笑いながらバスタオルを巻いてくれた。
「ではトーマ様、共にお風呂に入りましょう」
……はい?
「はい。異性には無闇に肌を触らせてはいけないです。でも私とトーマお兄様は兄妹ですから大丈夫ですね。ルミアーナ様だと教えにそぐう事になりますね。フフフ」
風呂を出たらルミアーナ様は起きていた。
「お風呂に入っていたんですの?」
「はい、トーマお兄様と二人で」
そして、肩に寄り添うクスノハ様をソファーに寝かし、ヌッと起き上がると、何故かシルフィとの問答が始まってしまったのだが……。
「む、無闇にと言うのは好意のない相手の事ですわ。シルフィさんはトーマ様をお嫌いなんですよね。いけませんわよ、無闇に肌を触れさせては」
「ルミアーナ様も、お兄様の事を良いとこ無しのキモデブ、豚デブ、百貫デブとか言ってましたよね」
「そ、そ、それは…………リ、リオン様の事ですわ。トーマ様はキモデブでも、豚デブでも、百貫デブでもありませんわ。それに、わたくしには操を捧げる覚悟もございますわ」
赤い顔で俺を見つめるルミアーナ様。み、操ってあれだよね!?
「お兄様! 鼻の下をいくら伸ばしても、サセタ教の教えは『結ばれる迄は健全であれ』だよ」
そ、そうだった。最終行為は結婚するまでは禁止。おあずけ教の別名をすっかり忘れていた。
ヤりたければさっさと結婚しなさいという教えにより、サセタ神のお告げによる早期の結婚率は八十%を越えているとか。
「わ、分かってるよ」
「分かっていらっしゃるなら、さあ、参りましょう。あくまでも健全にですわ。オホホ」
妖しく光るルミアーナ様の瞳は、悪魔でも健全にの顔をしていた。
◆
「痒いところはありませんか?」
結局、ルミアーナ様の髪の毛を洗っている俺。もちろん裸ではなく、短パンに半袖シャツだ。
「オホホ。至福の時ですわ」
金髪ゆるふわウェーブのルミアーナ様の髪の毛をシャワーで濡らすとドストレートになった。
「ルミアーナ様の髪の毛ってストレートなんですか?」
「オホホ。乾くとウェーブになる整髪魔法をかけてありますの」
整髪魔法! 何それ!? 面白い! スキルメイクで覚えよう!
「トーマ様……」
「なんですか?」
急に真剣で、それでいて哀しみが込もった声になった。
「……今のわたくしは、王女でも無く、資産も無く、ただの女ですわ。そんなわたくしはトーマ様の婚約者の資格はありますか?」
「えっ? 当たり前ですよ。逆に俺の方が自信ないですよ」
何せ、さっき迄はただのキモデブだった。たまたま手に入れた錬聖のスキル。しかしスキルと人間性は別問題だ。ルミアーナ様が神聖のギフトの事を口に出さなかったのも、俺と同じ理由かもしれない。
「さて、魅力的なルミアーナ様。次はトリートメントを付けますよ」
「……よ、宜しくお願いいたしますわ!」
振り返ったルミアーナ様と視線が重なる。アハハ、ウフフとお互いに笑い、少しだけルミアーナ様との距離が縮んだ気がした。
◆
シルフィも素敵だったが、ルミアーナ様も素敵すぎる。モコモコの泡を手につけて、透き通るような白い背中を撫でるように洗いつつ、その感触に俺の脳がおピンクになっていく。
「では、前の方も宜しくお願いいたしますわ。わたくし、自分で体を洗った事が無いので、洗い方が分かりませんのよ。オホホ」
そして、スルスルっと前を隠していた白いバスタオルが、腿に落ちる。
オホホじゃねえよ!
一瞬見えた白い双丘から目を背け、後退りする。
「トーマ様には……わたくしを見て頂きたいのです……。ふしだらな女の子だと思いますか?」
振り返るルミアーナ様。ふくよかな白い双丘にピンクの蕾。初めて見る女の子の膨らみ、しかも学院一の美少女の裸に頭の中が真っ白になる。
「……何故、俺なんですか?」
リオンの記憶にはルミアーナ様と話をした記憶がない。俺が痩せたからとかで、好意を寄せるほど、ルミアーナ様がチョロインだとは思えない。
「そうですわね。では少しだけお話いたしますわ」
「……その前に前を隠して下さい」
「オホホ、わたくしの裸には魅力は無かったようですね」
「逆ですよ! 魅力的過ぎるので隠して下さい!」
「オホホ」と笑いながらバスタオルを巻いてくれた。
「ではトーマ様、共にお風呂に入りましょう」
……はい?
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