異世界ウサギ紀行 ー 最強鎧の神装鎧月兎が羞ずかし過ぎる！？

第四章

兎68羽 自分のベッドで寝たよ？

　「ハワワワ～」と言うキョウカさんの声で目が覚めた。ん、まぁ、そうなるよね。

「な、なんでソウマ君が私のベッドで寝てるの！？」

　僕は布団から手を出して隣のベッドをツンツン指差す。

　キョウカさんは最初は「？」顔だったけど、僕が指差すベッドに気が付いて顔を真っ赤にした。

「えっ、えっ、アレ？えっ、私？な、なんで！」

　僕は布団から両手を出してI don't knowのジェスチャーをする。

「わ、私が……食べた……食べちゃった……？」

「あ、いやいや、食べてないし、食べられてもいないよ(汗)」

「えっ、あ、うん……(ほっ)」

　何やら朝から微妙な空気になってしまった。事故でマシュマロに触れてしまったのは内緒だよ！

　朝食を食べに一階に降りる。食堂にはマリヤさんとレミーナさんが先に来ていた。

「おはよう」
「お、おは、おはよう……ございます……」

　僕達が挨拶するとマリヤさんが速攻駆け寄って来た。

「大丈夫でしたかキョウカさん！ソウマさんはちゃんと自分のベッドで寝ましたか？寝ましたよね！」

「うん。僕は自分のベッドでちゃんと寝たよ」

「ふ～、良かったです」

　マリヤさんはキョウカさんには自分のベッドで寝たかを聞かなかったから、キョウカさんは何とか回避成功のようだよ。



　朝食も済ませて部屋で旅支度をしているとフロントから呼び出しがあった。何かと思いながら僕とキョウカさんがフロントに行くと、獣耳の女の子三人をつれて八剣伝トリオが僕達を待っていた。

「おはよう楮山君！」

「お、おはよう……ございます……」

　アレ？爽やかな挨拶？この人達ってこんなにコミュ力あったっけ？昨日の今日では誰が何君なのか忘れてしまった。昨日聞いた気もするけどさっぱり分からない。

　場所を食堂に移してみんなが席に座る。

「昨日はゴメンね。つい癖でバックレちゃったよ」

　どんな癖だよ！って突っ込みたくなるが、相手のペースに乗っちゃいけない。クラスメイトとはいえ異世界転移者だ。PVPの可能性は否定出来ない。

「…………」

「アレ？警戒してる？」
「PVPはヤバいからな」
「流石は楮山氏でござる！」

「僕がPKとか疑わないんですか？」

　彼らから見て僕がプレイヤーキラーって勘繰りをしている可能性だってある。

「いや、それは全く考えてないよ」

　真ん中に座り和服チックな着物を着た狐耳の女の子と朝からラブラブに寄り添っている人がPKを否定した。

「どうしてですか？」

「コンちゃんが君達から悪意を感じていないからだ」

「コンちゃん？」

　僕の問いに狐耳の女の子がクスっと妖艶な微笑をした。