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第二章

兎31羽 ペンで戦うお姉さん達

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 其所は修羅場だった。

「ソウマ君!こっち来てー!」
「ソウマ君あと3枚コピーお願い!」
「ソウマ君こっちはあと5部よ!」
「ソウマ君!」「ソウマ~」「ソウマちゃん」

 冒険者ギルド2階の事務所内は特別招集を発令した為、各関係機関や王都、市議会等に向けた計画書、経過報告書、追加予算申請、増援申請等々の書類作成で、ギルド職員のお姉さん達は血眼になって書類を作成している。物によっては何枚も同じ書類を作らないといけない。

 そこで僕達ソウマ&キョウカ with Mに依頼されたのは書類作成支援だった。

 北の廃墟の村にラビリンス群が突如発生したのは1週間程前らしい。ギルドは調査隊を派遣して、廃墟の村を調べた結果、数十個のラビリンスの入口が確認された。

 ラビリンスの特徴として村の奥に行くほど難易度の高いラビリンスが有り、ラビリンス内に棲息しているのは全てがアンデット系モンスターとの事だった。

 この報告を受けてギルドおよび高位の冒険者達が出した答えは、迷宮主は上位のアンデット系モンスター、詰まり死者の王ヴァンパイアや死の騎士デュラハン、若しくは高位のネクロマンサーと推測していた。

 今、この街にはA級やS級の冒険者パーティーは不在だった。従って今回集まったパーティーは各ラビリンスで攻略可能階層の調査が主な任務で、決して無理はしないようにギルドから言い渡されている。

 とは言え第1回討伐グループには、ラビリンス内で見つかったアイテムを発見したパーティーに与えられる権利を得ているので無理をするパーティーもいるだろう。

 僕達も廃墟の村の一番手前のラビリンスを割与えられたんだけど、いつもの受け付けお姉さんにヘッドハンティングされて、事務処理のお手伝いをする事になってしまった。

 初日の今日はベテランB級パーティーが出立している。僕達D級パーティーは明後日の出立になるので、その間は事務所のお手伝いをする事になったんだけど…………。

 「ソウマ君~」「ソウマ~」「ソウマちゃん~」と引っ切り無しに彼方此方の事務員お姉さん達に呼ばれている。

「この書類は5部作成でいいんですね」
「うん!宜しくね」
「はい。複製!」

「ソウマちゃん、この書類は10部コピーお願いね」
「はい。複製!」

「この書類の消失期限は3年で大丈夫ですか?」
「あ、その書類は1年でいいわよ」
「はい。複製!」


 僕の複製スキルで数々の書類をコピーしていく。普段は手書きで複数部の書類を書いているとの事だ。キョウカさんやマリヤさんもあっちにこっちにと走り回っている。

 そしてギルド職員さん達の筆速スキルが凄い!皆さんの手の動きは残像が見える程に高速で動いている。しかも綺麗な字で且つ正確無比だ。彼女達は剣では無くペンでこの戦場を戦っているのだ。

「ソウマ君~こっち来て~」
「はい、今行きま~す!」

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