上 下
15 / 77
第一章

兎15羽 やっぱり僕のモノ?

しおりを挟む
 翌朝は朝食を済ませると僕達は冒険者ギルドに足を運んだ。

 朝の冒険者ギルドには沢山の冒険者達が、今日のクエストを求めて集まってきている。

「み、皆さん凄く強そう……」

 四ノ宮さんはベテラン冒険者達を見て萎縮している。

「うん、僕達よりも何倍も強いと思うよ。あの人達は何度も危険な目に合い、数々のモンスターを倒してきた歴戦の勇者なんだから」

「そ、そうですよね」

「僕達も頑張って、あの人達の背中に追い付こう」

「はい」

 受付カウンターは戦場と化している。僕達みたいな子鹿が入り込めば瞬殺間違いなしだ。
 カウンターが空くのを待ってから、四ノ宮さんの冒険者登録を無事済ませた。
 クエスト掲示板から初心者お約束の薬草採取のクエスト依頼書を持って受付のお姉さんに渡した。

「二人はパーティー登録してなかったよね?」

「パーティー登録ですか?」

「ギルドでパーティー登録すると『パーティーの加護』を付与出来るのよ」

「何ですか、それは?」

「『パーティーの加護』は各個人が得た経験値の50%をパーティーメンバーでシェア出来るの。初めの内はどうしても前衛職に経験値が偏るわ。でも本当は早く後衛職を育てたいはずよ。強い魔法使いや優秀な神官が後ろにいるってだけで、前衛職は安心して闘う事が出来るから」

「確かにそうですね。どうする四ノ宮さん?」

「は、はい!パーティー登録しましょう!」

「いいの? 四ノ宮さんは前衛職だから四ノ宮さんの経験値を半分僕が貰う事になっちゃうよ?」

「大丈夫ですよ!楮山さんもあの鎧を着れば全く怪我無く戦えますから!」

「………………あの鎧…………僕が着るの?」

 四ノ宮さんがジト目だ。

「あれは楮山さんの鎧ですから」

 ジト~~~~~。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ブラック宮廷から解放されたので、のんびりスローライフを始めます! ~最強ゴーレム使いの気ままな森暮らし~

ヒツキノドカ
ファンタジー
「クレイ・ウェスタ―! 貴様を宮廷から追放する!」  ブラック宮廷に勤めるゴーレム使いのクレイ・ウェスターはある日突然クビを宣告される。  理由は『不当に高い素材を買いあさったこと』とされたが……それはクレイに嫉妬する、宮廷魔術師団長の策略だった。  追放されたクレイは、自由なスローライフを求めて辺境の森へと向かう。  そこで主人公は得意のゴーレム魔術を生かしてあっという間に快適な生活を手に入れる。    一方宮廷では、クレイがいなくなったことで様々なトラブルが発生。  宮廷魔術師団長は知らなかった。  クレイがどれほど宮廷にとって重要な人物だったのか。  そして、自分では穴埋めできないほどにクレイと実力が離れていたことも。  「こんなはずでは……」と嘆きながら宮廷魔術師団長はクレイの元に向かい、戻ってくるように懇願するが、すでに理想の生活を手に入れたクレイにあっさり断られてしまう。  これはブラック宮廷から解放された天才ゴーレム使いの青年が、念願の自由なスローライフを満喫する話。 ーーーーーー ーーー ※4/29HOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝! ※推敲はしていますが、誤字脱字があるかもしれません。 見つけた際はご報告いただけますと幸いです……

腹ぺこエルフの美食道~リルとルラの大冒険~

さいとう みさき
ファンタジー
ここはとある異世界。 剣と魔法の世界で魔獣や魔物が跋扈する世界。 そんな世界のとあるエルフの村に異世界から転生してきた榛名愛結葉(はるなあゆは)と赤城拓人(あかぎたくと)の二人は毎日毎日エルフの村のまずい飯に悩まされていた。 しかしそこから女神の伴侶と言われるエルフのシェルが里帰りで事態は一転、愛結葉と拓人の転生者である双子の姉妹、リルとルラはひょんなことから転移で飛ばされ世界の旅へと出かける羽目になる。 未熟なエルフの姉妹がハチャメチャな冒険を繰り広げながら、おいしいものを食べたり探したり作ったりして故郷のエルフの村へ旅をするお話です。 まったりとゆるりとめちゃくちゃな冒険の旅をして行きましょう! *いい加減なお話、ギャグ要素が強い作品となっておりますのであらかじめご了承ください。 *本作品に登場する食べ物は全て架空のモノです。マネして不味くても当方は責任を負いかねますのでご了承ください。 *本作品お料理以外のお話が多くなっておりますので予めご了承ください。

【完結】やり直しの人形姫、二度目は自由に生きていいですか?

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
「俺の愛する女性を虐げたお前に、生きる道などない! 死んで贖え」  これが婚約者にもらった最後の言葉でした。  ジュベール国王太子アンドリューの婚約者、フォンテーヌ公爵令嬢コンスタンティナは冤罪で首を刎ねられた。  国王夫妻が知らぬ場で行われた断罪、王太子の浮気、公爵令嬢にかけられた冤罪。すべてが白日の元に晒されたとき、人々の祈りは女神に届いた。  やり直し――与えられた機会を最大限に活かすため、それぞれが独自に動き出す。  この場にいた王侯貴族すべてが記憶を持ったまま、時間を逆行した。人々はどんな未来を望むのか。互いの思惑と利害が入り混じる混沌の中、人形姫は幸せを掴む。  ※ハッピーエンド確定  ※多少、残酷なシーンがあります 2022/10/01 FUNGUILD、Webtoon原作シナリオ大賞、二次選考通過 2022/07/29 FUNGUILD、Webtoon原作シナリオ大賞、一次選考通過 2021/07/07 アルファポリス、HOT3位 2021/10/11 エブリスタ、ファンタジートレンド1位 2021/10/11 小説家になろう、ハイファンタジー日間28位 【表紙イラスト】伊藤知実さま(coconala.com/users/2630676) 【完結】2021/10/10 【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ

狙って追放された創聖魔法使いは異世界を謳歌する

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーから追放される~異世界転生前の記憶が戻ったのにこのままいいように使われてたまるか!  【第15回ファンタジー小説大賞の爽快バトル賞を受賞しました】 ここは異世界エールドラド。その中の国家の1つ⋯⋯グランドダイン帝国の首都シュバルツバイン。  主人公リックはグランドダイン帝国子爵家の次男であり、回復、支援を主とする補助魔法の使い手で勇者パーティーの一員だった。  そんな中グランドダイン帝国の第二皇子で勇者のハインツに公衆の面前で宣言される。 「リック⋯⋯お前は勇者パーティーから追放する」  その言葉にリックは絶望し地面に膝を着く。 「もう2度と俺達の前に現れるな」  そう言って勇者パーティーはリックの前から去っていった。  それを見ていた周囲の人達もリックに声をかけるわけでもなく、1人2人と消えていく。  そしてこの場に誰もいなくなった時リックは⋯⋯笑っていた。 「記憶が戻った今、あんなワガママ皇子には従っていられない。俺はこれからこの異世界を謳歌するぞ」  そう⋯⋯リックは以前生きていた前世の記憶があり、女神の力で異世界転生した者だった。  これは狙って勇者パーティーから追放され、前世の記憶と女神から貰った力を使って無双するリックのドタバタハーレム物語である。 *他サイトにも掲載しています。

チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

芽狐@書籍発売中
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️ ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。  嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる! 転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。 新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか?? 更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!

魔法の廃れた魔術の世界 ~魔法使いの俺は無事に生きられるのだろうか?~

雨露霜雪
ファンタジー
底辺貴族の末っ子で七歳の少年であるブリッツェンへと転生した、三十五歳で無気力なライン工。 魔術の才能がない彼は、公言するのは憚られる魔法の力があるのだが、それを隠して生きていかねばならない。 そんな彼が様々な人と巡り合い、時には助け時には助けられ、エッチな妄想を抑えつつ十、二十代と心がじっくり成長していく様を描いた、日常的まったり成長記である。 ※小説家になろうとカクヨムにも投稿しております。 ※第五章から、小説家になろうに投稿している原文のままですので、ルビや傍点が見辛いと思います。

異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜

アーエル
ファンタジー
女神に愛されて『加護』を受けたために、元の世界から弾き出された主人公。 「元の世界へ帰られない!」 だったら死ぬまでこの世界で生きてやる! その代わり、遺骨は家族の墓へ入れてよね! 女神は約束する。 「貴女に不自由な思いはさせません」 異世界へ渡った主人公は、新たな世界で自由気ままに生きていく。 『小説家になろう』 『カクヨム』 でも投稿をしています。 内容はこちらとほぼ同じです。

外れスキル持ちの天才錬金術師 神獣に気に入られたのでレア素材探しの旅に出かけます

蒼井美紗
ファンタジー
旧題:外れスキルだと思っていた素材変質は、レア素材を量産させる神スキルでした〜錬金術師の俺、幻の治癒薬を作り出します〜 誰もが二十歳までにスキルを発現する世界で、エリクが手に入れたのは「素材変質」というスキルだった。 スキル一覧にも載っていないレアスキルに喜んだのも束の間、それはどんな素材も劣化させてしまう外れスキルだと気づく。 そのスキルによって働いていた錬金工房をクビになり、生活費を稼ぐために仕方なく冒険者になったエリクは、街の外で採取前の素材に触れたことでスキルの真価に気づいた。 「素材変質スキル」とは、採取前の素材に触れると、その素材をより良いものに変化させるというものだったのだ。 スキルの真の力に気づいたエリクは、その力によって激レア素材も手に入れられるようになり、冒険者として、さらに錬金術師としても頭角を表していく。 また、エリクのスキルを気に入った存在が仲間になり――。

処理中です...