時空超越ストライカーズ!~A Football Tale in Great Britain~

雪銀海仁@自作絵&小説商業連載中

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第四章 Repatriation

18話

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       18

 桐畑がヴィクターのマークに付いてから、二十分近くが経過した。いまだ、試合は動いていなかった。
 ホワイトフォードが、大きくクリアをした。ペナルティー・アークのやや後ろのヴィクターが、足の甲に当てた。ボールは勢いが消されて、ヴィクターの足元に収まる。
 駆け寄った桐畑は、二m弱の間を取って立ち止まった。半身の姿勢で、ヴィクターの臍の辺りを注視。神経を研ぎ澄ませて、動きを観察する。
 ヴィクターは、直立姿勢で動きを止めた。だが唐突に、右足で内から外へとボールを跨ぐ。
 桐畑は動じず、さらに集中を高め始めた。ヴィクターのシザースが、速度を増していく。
 四回目の跨ぎで、ヴィクターの左足がボールに当たった。桐畑は意表を突かれるが、必死でパスの先へ向かう。
 受け手の6番は外に行く振りを入れて、ダイレクトで戻した。桐畑は追随できず、ヴィクターの左足のシュートを許す。
 浮き玉がゴールの左隅へと飛んだ。大きく跳躍したキーパーはなんとかキャッチし、斜め後ろへと倒れ込む。
(ちっ、まーた別の選手を使いやがった。一対一じゃあ、対等にバトれるんだがな。ヴィクターは、マジでクレバーに周りを利用しやがるぜ。このままじゃあ、ジリ貧だよな。さぁて、どうすっか)
 桐畑は、苦々しく考えながら前線に移動する。まもなくして、キーパーがロング・ボールを蹴った。だが、ホイッスルが鳴った。前半の終了だった。
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