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第四章(最終編)悠久の時を越えて
22 結界魔術師の応援
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《シュン視点》
テストニアにジャンプした俺は、ローファートに会いに行った。結界を使える魔術師と言って思い浮かべるのが彼しかいなかった。
ローファートは魔動砲の量産で工作施設に詰めている。魔術師の塔の近くの森を切り開いて大きな工作作業場を建てたのだ。
入り口の扉を開いて工場に入ると、大勢の人間の熱気にむせ返っており広いはずの中が狭く感じた。
普段は様々な魔道具を制作したり研究したり、みんなが思い思いに作業場を使っているのだが、今は全員が同じ魔道具を口も利かずに物凄い勢いで作っていた。
王都の職人も加勢に来ているのか、ざっと百人は下らない人間が作業している。
そして次々と仕上がって来る魔動砲に三十人ほどの魔術師が最終作業を行っていた。
盤のようなものを黒い液に浸しては、魔動砲の内部にスタンプしているのだ。ただのスタンプと違うところは、盤を押しあてるとぶわっと魔法陣が空中に浮かび、次いでそれが中に吸収されるように付着することだろうか。
「魔法陣を型取りした版に魔法液を付けて、魔力で固定させているんだよ。すごいよね。これまでのように一つ一つ描いていたら時間がかかって、幾らも作れないからね」
ローファートが後ろに立って、作業を眺めていた俺に解説してくれた。内心驚いて飛び上がりそうだったのは秘密だ。いつの間に後ろに来ていたんだ? 気づかなかったぞ。ほんと、魔力で生きている連中の気配は掴みにくい、
「これを考案したのは弟子のクシランなんだ。魔動通信機もそう。彼は僕より発明の才能があるんだよ」
ローファートは嬉しそうに自慢した。
「それで、僕にやってほしいことは?」
聡いローファートは俺が用事もなくこちらに来ることがないことをわかっている。
「結界を張れる魔術師が必要だ。なるべく強力な結界が張れて、なるべく多くの人員を連れて行きたい」
「それはスターヴァーを?」
一を聞いて十がわかる。説明の手間がなくていい。ローファートはやっぱりできる男だ。
「ああ。今、マトラスのネルバが一人で結界を張ってスターヴァーを足止めしている。けれど、もう限界だ」
「急ぐね。わかったよ。直ぐに集めるね」
ポケットから出した紙にさらさらと名前を書き連ね、手近にいた魔術師に渡して「招集して」と告げた。走って行く彼に続いて、彼自身も駆け出して行く。
魔術師たちは全員総出で魔動石や魔動砲作りをしていたのだろうが、ローファートはたちまちのうちに求める魔術師を二十人集めてきた。そして、自身もその中に加わる。
「え? 魔動砲の方は?」
俺が驚いて問うと、ローファートは事も無げに言った。
「そっちはクシランに任せておけば大丈夫。あいつは僕より、よほど優秀だからね。それに僕が行かなきゃ始まらないでしょ?」
気負いでなく、当然の事実として言い放つローファート。テスニア王国一の結界魔術師で、ひょっとしたら世界中でも有数のうちに入る彼が来てくれるのは、俺としても心強い。
「じゃ、行くよ」
互いに手をつなぎ団子状態になった魔術師とともに、俺はマトラス国にテレポートした。
瓦礫が散乱し廃墟と化したネルバの奥宮跡に出た。ジャンプに経験のあるローファートは大丈夫だが、ほかの面々は初めてのテレポートによる悟性の調整に暫し行動不可となる。
「うわっ。ひどい有様だな。スターヴァーがやったんだね」
ローファートが惨状を見て至極当然の声を上げた。調整を終えた魔術師たちからも同様の声や怒りの感想が続く。俺は彼らの誤解を解かずに黙っていることにした。
ロワクレスって、セネルスでも城の一部をぶっ壊してたし、砂漠では巨大クレーター作ったし、北の隠れ里では火山を噴火させたし……。うん。歩く災害、トラブルメーカーだな。それが外交も任されてるなんて……いいのかな?
落ち着いた頃合いに、スターヴァーのところに今一度ジャンプする。二度目以降は悟性の混乱は生じない。人体が記憶して馴染むのだ。
あれから一時間ほどか。明るい朝の日差しの中で、二百人ほどの騎士がスターヴァーを相手に戦っている様子が見える。転移魔法陣が固定され、テスニアから続々と騎士が送り込まれているようだ。
その中にロワクレスの金色の髪がひときわ輝いて映る。もう戦闘に復帰したのか。でも、元気そうで安心した。
ローファートたちに結界の魔法陣を展開して、スターヴァーの足止めを頼んだ。
空を覆うような巨大な不定形の塊が自在に伸びたり膨らんだりする異様な敵に、魔術師たちは腰が引けたように怯んだが、ローファートが果敢に結界を展開していくのを見て、彼らも続いた。
陰の魔力の塊のようなスターヴァーは結界に移動を阻まれても、鋭い触手で結界の壁を突き破り、術者や騎士を攻撃してくる。だが、少なくとも手に負えなくなるほどに広く拡散していくのは押し留められる。これが自由に移動を始めたら、もうスターヴァーを倒すことは不可能だろう。
結界が張られたのを見定めて、俺はネルバの所へと走った。顔色がひどく悪い。ネルバも彼女を支えるクワイもぐったりと座り込んでいるが、それでもなけなしの魔力を振り絞っていた。
「応援の魔術師たちが結界を続けているから、もう術を解いても大丈夫です。お疲れ様でした。休んでください」
声も出ないようで、こくこくと頷いたネルバはそのままくたりと意識を手放した。
「宮殿の方へ移動します」
気を失ったネルバを腕に座り込んだまま立てないクワイに告げると、二人一緒に宮殿の執務室へとジャンプする。
執務室には役人や兵士が残って、王都の人々の避難指示やらなにやら慌ただしく動いていた。
そこへ、いきなり現れた俺たちに一様に驚いていたが、ネルバに気づいた宰相が声を上げた。
「女王とクワイ様をすぐに客間の寝室にお運びいたせ! 医者を呼べ。他の者は引き続き続けろ!」
客間へと移動する宰相たちに、ともに走りながらこれまでの状況を説明する。
「テスニア王国が援軍に。ありがたいことです。我々ではどうすることもできなかった」
「事は全世界存亡の危機ですから。ネルバ女王はよくやってくれました。おかげでまだ、スターヴァーをこの地に留めていられる。あとは俺たちに任せて、避難してください。ここは危険です」
「わかりました。ご武運を祈っております」
角を曲がって去って行くのを見届けると、俺は再びテストニアへジャンプする。
結界でスターヴァーの足止めをするのも、結界から出て来る触手を切り落とすのも、ただの時間稼ぎだ。いつまでも続けられるものではない。
騎士たちや魔術師たちの限界が早いか、迎え撃つ準備が早いか。時間との競争であることは変わりがなかった。
俺はテレポートを駆使して、魔動石を各地から搔き集める事に専念した。
テストニアにジャンプした俺は、ローファートに会いに行った。結界を使える魔術師と言って思い浮かべるのが彼しかいなかった。
ローファートは魔動砲の量産で工作施設に詰めている。魔術師の塔の近くの森を切り開いて大きな工作作業場を建てたのだ。
入り口の扉を開いて工場に入ると、大勢の人間の熱気にむせ返っており広いはずの中が狭く感じた。
普段は様々な魔道具を制作したり研究したり、みんなが思い思いに作業場を使っているのだが、今は全員が同じ魔道具を口も利かずに物凄い勢いで作っていた。
王都の職人も加勢に来ているのか、ざっと百人は下らない人間が作業している。
そして次々と仕上がって来る魔動砲に三十人ほどの魔術師が最終作業を行っていた。
盤のようなものを黒い液に浸しては、魔動砲の内部にスタンプしているのだ。ただのスタンプと違うところは、盤を押しあてるとぶわっと魔法陣が空中に浮かび、次いでそれが中に吸収されるように付着することだろうか。
「魔法陣を型取りした版に魔法液を付けて、魔力で固定させているんだよ。すごいよね。これまでのように一つ一つ描いていたら時間がかかって、幾らも作れないからね」
ローファートが後ろに立って、作業を眺めていた俺に解説してくれた。内心驚いて飛び上がりそうだったのは秘密だ。いつの間に後ろに来ていたんだ? 気づかなかったぞ。ほんと、魔力で生きている連中の気配は掴みにくい、
「これを考案したのは弟子のクシランなんだ。魔動通信機もそう。彼は僕より発明の才能があるんだよ」
ローファートは嬉しそうに自慢した。
「それで、僕にやってほしいことは?」
聡いローファートは俺が用事もなくこちらに来ることがないことをわかっている。
「結界を張れる魔術師が必要だ。なるべく強力な結界が張れて、なるべく多くの人員を連れて行きたい」
「それはスターヴァーを?」
一を聞いて十がわかる。説明の手間がなくていい。ローファートはやっぱりできる男だ。
「ああ。今、マトラスのネルバが一人で結界を張ってスターヴァーを足止めしている。けれど、もう限界だ」
「急ぐね。わかったよ。直ぐに集めるね」
ポケットから出した紙にさらさらと名前を書き連ね、手近にいた魔術師に渡して「招集して」と告げた。走って行く彼に続いて、彼自身も駆け出して行く。
魔術師たちは全員総出で魔動石や魔動砲作りをしていたのだろうが、ローファートはたちまちのうちに求める魔術師を二十人集めてきた。そして、自身もその中に加わる。
「え? 魔動砲の方は?」
俺が驚いて問うと、ローファートは事も無げに言った。
「そっちはクシランに任せておけば大丈夫。あいつは僕より、よほど優秀だからね。それに僕が行かなきゃ始まらないでしょ?」
気負いでなく、当然の事実として言い放つローファート。テスニア王国一の結界魔術師で、ひょっとしたら世界中でも有数のうちに入る彼が来てくれるのは、俺としても心強い。
「じゃ、行くよ」
互いに手をつなぎ団子状態になった魔術師とともに、俺はマトラス国にテレポートした。
瓦礫が散乱し廃墟と化したネルバの奥宮跡に出た。ジャンプに経験のあるローファートは大丈夫だが、ほかの面々は初めてのテレポートによる悟性の調整に暫し行動不可となる。
「うわっ。ひどい有様だな。スターヴァーがやったんだね」
ローファートが惨状を見て至極当然の声を上げた。調整を終えた魔術師たちからも同様の声や怒りの感想が続く。俺は彼らの誤解を解かずに黙っていることにした。
ロワクレスって、セネルスでも城の一部をぶっ壊してたし、砂漠では巨大クレーター作ったし、北の隠れ里では火山を噴火させたし……。うん。歩く災害、トラブルメーカーだな。それが外交も任されてるなんて……いいのかな?
落ち着いた頃合いに、スターヴァーのところに今一度ジャンプする。二度目以降は悟性の混乱は生じない。人体が記憶して馴染むのだ。
あれから一時間ほどか。明るい朝の日差しの中で、二百人ほどの騎士がスターヴァーを相手に戦っている様子が見える。転移魔法陣が固定され、テスニアから続々と騎士が送り込まれているようだ。
その中にロワクレスの金色の髪がひときわ輝いて映る。もう戦闘に復帰したのか。でも、元気そうで安心した。
ローファートたちに結界の魔法陣を展開して、スターヴァーの足止めを頼んだ。
空を覆うような巨大な不定形の塊が自在に伸びたり膨らんだりする異様な敵に、魔術師たちは腰が引けたように怯んだが、ローファートが果敢に結界を展開していくのを見て、彼らも続いた。
陰の魔力の塊のようなスターヴァーは結界に移動を阻まれても、鋭い触手で結界の壁を突き破り、術者や騎士を攻撃してくる。だが、少なくとも手に負えなくなるほどに広く拡散していくのは押し留められる。これが自由に移動を始めたら、もうスターヴァーを倒すことは不可能だろう。
結界が張られたのを見定めて、俺はネルバの所へと走った。顔色がひどく悪い。ネルバも彼女を支えるクワイもぐったりと座り込んでいるが、それでもなけなしの魔力を振り絞っていた。
「応援の魔術師たちが結界を続けているから、もう術を解いても大丈夫です。お疲れ様でした。休んでください」
声も出ないようで、こくこくと頷いたネルバはそのままくたりと意識を手放した。
「宮殿の方へ移動します」
気を失ったネルバを腕に座り込んだまま立てないクワイに告げると、二人一緒に宮殿の執務室へとジャンプする。
執務室には役人や兵士が残って、王都の人々の避難指示やらなにやら慌ただしく動いていた。
そこへ、いきなり現れた俺たちに一様に驚いていたが、ネルバに気づいた宰相が声を上げた。
「女王とクワイ様をすぐに客間の寝室にお運びいたせ! 医者を呼べ。他の者は引き続き続けろ!」
客間へと移動する宰相たちに、ともに走りながらこれまでの状況を説明する。
「テスニア王国が援軍に。ありがたいことです。我々ではどうすることもできなかった」
「事は全世界存亡の危機ですから。ネルバ女王はよくやってくれました。おかげでまだ、スターヴァーをこの地に留めていられる。あとは俺たちに任せて、避難してください。ここは危険です」
「わかりました。ご武運を祈っております」
角を曲がって去って行くのを見届けると、俺は再びテストニアへジャンプする。
結界でスターヴァーの足止めをするのも、結界から出て来る触手を切り落とすのも、ただの時間稼ぎだ。いつまでも続けられるものではない。
騎士たちや魔術師たちの限界が早いか、迎え撃つ準備が早いか。時間との競争であることは変わりがなかった。
俺はテレポートを駆使して、魔動石を各地から搔き集める事に専念した。
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