122 / 219
第三章 続続編 古代魔法陣の罠
21 魔動石産業革命の胎動
しおりを挟む
《ローファート視点》
王都では魔動石製作の準備も順調に進んでいるよ。結晶体は工場で試作品が既に続々と作られつつあったんだ。その出来具合を調べて、本格的に工場生産を稼動させる運びとなるんだよ。
試作品には魔術師のほかに、有志の一般市民も参加している。実際に工場で生産を担っていくのは市民たちだからね。
次の行程である魔力を結晶体に注いで最終的に魔動石として完成させるほうも、結晶体の試作品を使って始められている。これにも応募に応じた一般市民たちが力を貸してくれている。彼らが熟練してきたら、魔動石工場の管理者として働いてもらうことになっている。
生産が安定してきたら、第二第三の工場を全国規模であちこちに建てて稼動させていく計画がもう出来上がっているという話だった。
お役所の割りには仕事が早いね。リーベック老師の尽力も大きいんだろうけれど、やっぱり王宮の大臣たちもこの新しい産業に期待を寄せているからだね。
結晶体の材料はセネルスの山岳鉱山と契約が済んでいる。魔物使いのテートが巨大ミミズの『ミンミンちゃん』部隊と一緒に掘削に入っているはず。テートの穴掘り専門部隊に任せておけば、早く安全に掘削できるから安心だよね。これによって、セネルスの産業も潤って来るね。
ちなみにセネルスで拘束された政犯のマウリシオは王族を弑した罪で死罪、エンベレとダーギラスも禁断の魔法陣によって千人余りの犠牲を出した罪でやはり死罪、彼らに連なる者たちも悉く罪を問われたということだ。
セネルスのほうもいろいろ片付いて落ち着いたらしい。良かった良かった。
さらに魔道具の専門の建物が魔術師の塔の後ろの雑木林を伐採して建てられた。魔動石を使う様々な魔道具を研究、考案、製作する施設だ。
身近なものなら部屋の照明や湯沸し器、大きなものなら魔動石を動力にする移動手段や上下水道などの大規模インフラ設備まで。それらを扱う道具や機械を製作するんだ。
そこで働くのは錬金術師や魔法陣魔術師、魔道具専門の技術系魔術師たち。さらに公募して集まった技術者や機械製作に長けた工房製作者、ほかに知識のある者、アイデアに富む者などの多くの一般人も採用された。
多くのセクションに分かれた巨大な製作施設だが、中は異常な熱気に包まれている。みんな熱病病みみたいに熱くなり、怒号と喧騒と活気で異様な興奮状態だ。
だって、考えてみてごらんよ。できたらいいな、あったらいいなって夢でしか思い描けなかったあーんなことやこーんなことが実現可能かもしれないんだよ。工夫と創作次第で実現しちゃうんだよ! そういう可能性を魔動石は見せてくれる。
無我夢中で熱くなっちゃうのも無理もない。
建設ラッシュに相次いで、職を求めて多くの人々が王都に集まってくるから、街も賑やかで潤っている。そして革命的な産業の新たな発展の期待にみんな浮かれていた。まるで、一年間のお祭りがいっぺんに来たみたいな大騒ぎなんだ。
そんな様子に陛下は相も変わらず、『良い、良い。活気があってなにより』ってにこにこおっしゃるもんだから、王宮も王都も魔術師協会も、老師も大臣も総司令官も、猫も杓子もみんな走り回っている。
今が平和で良かったなあと思うよ。こんな状態では、戦争なんかやってられないよ、まったく。
で、かくいう僕も走り回っている一人なんだ。たぶん、一番忙しく走り回っているかもしれない。
この産業革命の真っただ中にあって、僕は自分の趣味のほうの事業も佳境にかかっていたからなんだ。
王都郊外の元貴族邸で行っている断片修復作業なんだけど、ずいぶん仕上がって来ていた。こっちのほうの作業者は、技術者というより工芸家や美術家のような芸術家たちだ。絵画や彫刻などの文化財の修復をする技術をもつ人たちを雇っている。
実際欠落している部分も多いので、作業は難航したし、たいへんな苦労があったと思う。いまだに埋められない部分もあちこちにある。古代文字や古代文様なので、無理やり繋げてしまうより、そこは空白のままで良しとした。
集めた断片も残り少なくなっている。たぶん、明日、明後日あたりには最後のパーツが入るだろう。いよいよ、古代文様の全景が完成するんだ。わくわくして、今夜は眠れないかもしれないね。
今日はシュン様と護衛のように側から離れないロワクレス隊長と一緒に、魔動石工場に来ていた。試作品として出来上がった結晶体はいずれも純度が高くて良い出来に仕上がっていたよ。
試作品一号の五十個が今日魔動石として完成したところ。今回は三十人ずつの三時間交代で、七十二時間、延べ七百二十人分の魔力を注いだ。
赤い炎属性の魔動石が三十個、黄色の風属性が十個、茶色の土属性が十個完成した。なかなかの仕上がりで、一緒に出来具合を見ているリーベック老師もほくほく顔だね。今も第二号の分が充填中だ。
魔力を注ぐ人の属性に拘わらず、装置の方で属性の誘導ができることが判っている。魔力提供者の魔力のパワーさえ集めればいいので助かるね。
老師は無属性の純粋な魔力を蓄積できないか検討中だ。属性に左右されないで魔力の力を使えたら、万能な動力源になる。僕も興味があるよ。
あとは、魔力不足になるまで力を注がないように注意しないとならない。提供者がつい張り切り過ぎて、立てなくなったり倒れたりすることが相次いだんだ。
みんなから無理のない範囲で少しずつ提供してもらえばいいんだってことを徹底させる必要があるね。設備的に工夫できないか、これは今後の課題だね。
細かい調整や問題点も出てきてさらに改良する必要もあるにはあるけれど、工場生産としては概ね始動できると判断が出たよ。
いよいよ、本格的に生産が始まる。同時に、各所でも工場建設が始まるはず。浮き浮きしちゃうよ。
「やったね! ローファートさん!」
「はい! シュン様!」
シュン様とハイタッチだ。ロワクレス隊長が睨んできたけれど、これは同志仲間の歓びの表現なんだから妬かないでよ。
今夜はリーベック老師はじめ、これまで頑張ってきた魔術師や協力者の皆さんと一緒に、大成功打ち上げ会が予定されている。シュン様にももちろん参加してもらうよ。ロワクレス隊長もそもそも最初の魔動石作成の功労者なんだからご招待しているんだよ。
その時、僕の魔道具『文送り』が文書を送って来た。小さな紙には、いよいよあと数個で巨大文様が完成するので、僕を待っているというものだった。
――いよいよかあ!
僕はシュン様や老師に事情を話して、郊外の元貴族邸に駆け付けることにした。
最初の魔動石も完成したし、断片修復作業も完成するし。今日は、なんていい日なんだろう!
王都では魔動石製作の準備も順調に進んでいるよ。結晶体は工場で試作品が既に続々と作られつつあったんだ。その出来具合を調べて、本格的に工場生産を稼動させる運びとなるんだよ。
試作品には魔術師のほかに、有志の一般市民も参加している。実際に工場で生産を担っていくのは市民たちだからね。
次の行程である魔力を結晶体に注いで最終的に魔動石として完成させるほうも、結晶体の試作品を使って始められている。これにも応募に応じた一般市民たちが力を貸してくれている。彼らが熟練してきたら、魔動石工場の管理者として働いてもらうことになっている。
生産が安定してきたら、第二第三の工場を全国規模であちこちに建てて稼動させていく計画がもう出来上がっているという話だった。
お役所の割りには仕事が早いね。リーベック老師の尽力も大きいんだろうけれど、やっぱり王宮の大臣たちもこの新しい産業に期待を寄せているからだね。
結晶体の材料はセネルスの山岳鉱山と契約が済んでいる。魔物使いのテートが巨大ミミズの『ミンミンちゃん』部隊と一緒に掘削に入っているはず。テートの穴掘り専門部隊に任せておけば、早く安全に掘削できるから安心だよね。これによって、セネルスの産業も潤って来るね。
ちなみにセネルスで拘束された政犯のマウリシオは王族を弑した罪で死罪、エンベレとダーギラスも禁断の魔法陣によって千人余りの犠牲を出した罪でやはり死罪、彼らに連なる者たちも悉く罪を問われたということだ。
セネルスのほうもいろいろ片付いて落ち着いたらしい。良かった良かった。
さらに魔道具の専門の建物が魔術師の塔の後ろの雑木林を伐採して建てられた。魔動石を使う様々な魔道具を研究、考案、製作する施設だ。
身近なものなら部屋の照明や湯沸し器、大きなものなら魔動石を動力にする移動手段や上下水道などの大規模インフラ設備まで。それらを扱う道具や機械を製作するんだ。
そこで働くのは錬金術師や魔法陣魔術師、魔道具専門の技術系魔術師たち。さらに公募して集まった技術者や機械製作に長けた工房製作者、ほかに知識のある者、アイデアに富む者などの多くの一般人も採用された。
多くのセクションに分かれた巨大な製作施設だが、中は異常な熱気に包まれている。みんな熱病病みみたいに熱くなり、怒号と喧騒と活気で異様な興奮状態だ。
だって、考えてみてごらんよ。できたらいいな、あったらいいなって夢でしか思い描けなかったあーんなことやこーんなことが実現可能かもしれないんだよ。工夫と創作次第で実現しちゃうんだよ! そういう可能性を魔動石は見せてくれる。
無我夢中で熱くなっちゃうのも無理もない。
建設ラッシュに相次いで、職を求めて多くの人々が王都に集まってくるから、街も賑やかで潤っている。そして革命的な産業の新たな発展の期待にみんな浮かれていた。まるで、一年間のお祭りがいっぺんに来たみたいな大騒ぎなんだ。
そんな様子に陛下は相も変わらず、『良い、良い。活気があってなにより』ってにこにこおっしゃるもんだから、王宮も王都も魔術師協会も、老師も大臣も総司令官も、猫も杓子もみんな走り回っている。
今が平和で良かったなあと思うよ。こんな状態では、戦争なんかやってられないよ、まったく。
で、かくいう僕も走り回っている一人なんだ。たぶん、一番忙しく走り回っているかもしれない。
この産業革命の真っただ中にあって、僕は自分の趣味のほうの事業も佳境にかかっていたからなんだ。
王都郊外の元貴族邸で行っている断片修復作業なんだけど、ずいぶん仕上がって来ていた。こっちのほうの作業者は、技術者というより工芸家や美術家のような芸術家たちだ。絵画や彫刻などの文化財の修復をする技術をもつ人たちを雇っている。
実際欠落している部分も多いので、作業は難航したし、たいへんな苦労があったと思う。いまだに埋められない部分もあちこちにある。古代文字や古代文様なので、無理やり繋げてしまうより、そこは空白のままで良しとした。
集めた断片も残り少なくなっている。たぶん、明日、明後日あたりには最後のパーツが入るだろう。いよいよ、古代文様の全景が完成するんだ。わくわくして、今夜は眠れないかもしれないね。
今日はシュン様と護衛のように側から離れないロワクレス隊長と一緒に、魔動石工場に来ていた。試作品として出来上がった結晶体はいずれも純度が高くて良い出来に仕上がっていたよ。
試作品一号の五十個が今日魔動石として完成したところ。今回は三十人ずつの三時間交代で、七十二時間、延べ七百二十人分の魔力を注いだ。
赤い炎属性の魔動石が三十個、黄色の風属性が十個、茶色の土属性が十個完成した。なかなかの仕上がりで、一緒に出来具合を見ているリーベック老師もほくほく顔だね。今も第二号の分が充填中だ。
魔力を注ぐ人の属性に拘わらず、装置の方で属性の誘導ができることが判っている。魔力提供者の魔力のパワーさえ集めればいいので助かるね。
老師は無属性の純粋な魔力を蓄積できないか検討中だ。属性に左右されないで魔力の力を使えたら、万能な動力源になる。僕も興味があるよ。
あとは、魔力不足になるまで力を注がないように注意しないとならない。提供者がつい張り切り過ぎて、立てなくなったり倒れたりすることが相次いだんだ。
みんなから無理のない範囲で少しずつ提供してもらえばいいんだってことを徹底させる必要があるね。設備的に工夫できないか、これは今後の課題だね。
細かい調整や問題点も出てきてさらに改良する必要もあるにはあるけれど、工場生産としては概ね始動できると判断が出たよ。
いよいよ、本格的に生産が始まる。同時に、各所でも工場建設が始まるはず。浮き浮きしちゃうよ。
「やったね! ローファートさん!」
「はい! シュン様!」
シュン様とハイタッチだ。ロワクレス隊長が睨んできたけれど、これは同志仲間の歓びの表現なんだから妬かないでよ。
今夜はリーベック老師はじめ、これまで頑張ってきた魔術師や協力者の皆さんと一緒に、大成功打ち上げ会が予定されている。シュン様にももちろん参加してもらうよ。ロワクレス隊長もそもそも最初の魔動石作成の功労者なんだからご招待しているんだよ。
その時、僕の魔道具『文送り』が文書を送って来た。小さな紙には、いよいよあと数個で巨大文様が完成するので、僕を待っているというものだった。
――いよいよかあ!
僕はシュン様や老師に事情を話して、郊外の元貴族邸に駆け付けることにした。
最初の魔動石も完成したし、断片修復作業も完成するし。今日は、なんていい日なんだろう!
10
お気に入りに追加
937
あなたにおすすめの小説
願いの守護獣 チートなもふもふに転生したからには全力でペットになりたい
戌葉
ファンタジー
気付くと、もふもふに生まれ変わって、誰もいない森の雪の上に寝ていた。
人恋しさに森を出て、途中で魔物に間違われたりもしたけど、馬に助けられ騎士に保護してもらえた。正体はオレ自身でも分からないし、チートな魔法もまだ上手く使いこなせないけど、全力で可愛く頑張るのでペットとして飼ってください!
チートな魔法のせいで狙われたり、自分でも分かっていなかった正体のおかげでとんでもないことに巻き込まれちゃったりするけど、オレが目指すのはぐーたらペット生活だ!!
※「1-7」で正体が判明します。「精霊の愛し子編」や番外編、「美食の守護獣」ではすでに正体が分かっていますので、お気を付けください。
番外編「美食の守護獣 ~チートなもふもふに転生したからには全力で食い倒れたい」
「冒険者編」と「精霊の愛し子編」の間の食い倒れツアーのお話です。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/2227451/394680824
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
【ドS勇者vsオレ】オレ様勇者に執着&溺愛されてるけど、ドSだから大変。
悠里
BL
第12回BL大賞にエントリーしています✨
異世界に飛ばされた先は、勇者と魔王の決戦のど真ん中。ソラに気を取られている間に、勇者は、魔王に逃げられてしまう。
「魔王を倒すまで、オレの好きにさせろ」
ドS勇者のルカに執着されて、散々好き勝手にされるけど、「こっちだってお前を利用してるんだからなっ」と思う、強気なソラ。
執着されて、溺愛されて。最初は嫌々だったけど、常に一緒に居させられると、どうしても、ルカに惹かれていって…??
表紙絵:西雲ササメさま(@nishigumo_ss)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
※過激なシーンもあるので、R18です。
※初の異世界設定をいいことに、自由に色々しています(^^)
異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
BLが蔓延る異世界に転生したので大人しく僕もボーイズラブを楽しみます~愛されチートボーイは冒険者に溺愛される~
はるはう
BL
『童貞のまま死ぬかも』
気が付くと異世界へと転生してしまった大学生、奏人(かなと)。
目を開けるとそこは、男だらけのBL世界だった。
巨根の友人から夜這い未遂の年上医師まで、僕は今日もみんなと元気にS〇Xでこの世の窮地を救います!
果たして奏人は、この世界でなりたかったヒーローになれるのか?
※エロありの話には★マークがついています
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
【完結】壊された女神の箱庭ー姫と呼ばれていきなり異世界に連れ去られましたー
秋空花林
BL
「やっと見つけたましたよ。私の姫」
暗闇でよく見えない中、ふに、と柔らかい何かが太陽の口を塞いだ。
この至近距離。
え?俺、今こいつにキスされてるの?
「うわぁぁぁ!何すんだ、この野郎!」
太陽(男)はドンと思いきり相手(男)を突き飛ばした。
「うわぁぁぁー!落ちるー!」
「姫!私の手を掴んで!」
「誰が掴むかよ!この変態!」
このままだと死んじゃう!誰か助けて!
***
男とはぐれて辿り着いた場所は瘴気が蔓延し滅びに向かっている異世界だった。しかも女神の怒りを買って女性が激減した世界。
俺、男なのに…。姫なんて…。
人違いが過ぎるよ!
元の世界に帰る為、謎の男を探す太陽。その中で少年は自分の運命に巡り合うー。
《全七章構成》最終話まで執筆済。投稿ペースはまったりです。
※注意※固定CPですが、それ以外のキャラとの絡みも出て来ます。
※ムーンライトノベルズ様でも公開中です。第四章からこちらが先行公開になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる