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第三章 続続編 古代魔法陣の罠
14 シュンの思い
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《シュン視点》
思いがけない来客があった。ちょうどブルナグムから第二騎士隊の連中からの新居祝いを届けたいと連絡があって、ロワクレスが騎士隊宿舎まで迎えに出ていた。
颯爽と入って来た女性はうら若く美しいお姫様だった。宰相で大侯爵のお嬢様のわりには、なかなか闊達ではっきりした物言いの――ありていに言えば怖いもの知らずのお嬢様だった。
どうどうと名乗りを上げるお嬢様を見ながら、この方がロワクレスと婚約することになっていた娘さんなのかと納得する。
美しいお嬢様だった。決断力も行動力もあり、ロワクレスには似合いの女性に見えた。
だが、不思議に俺の心は動かない。彼女の責めるようなきつい視線を真っすぐに受け止めるだけだった。
以前だったら、きっと俺の心は動揺し、悩み、ロワクレスにはその女性の方が相応しいと判断して、彼のためだと本気で身を引こうと考えただろう。
彼女が俺に向けて言った事は貴族社会であるこの世界にとって常識的な妥当なものだったし、俺には社会的にロワクレスを支える力が何もないこともその通りだ。
これらの事実を指摘され言葉を投げつけられれば、心が折られ、卑屈になり、悄然となるべきはずだった。
しかし、俺は平然とそれらを聞き流していた。彼女が何を言っても、俺の中のロワクレスへの信頼は揺るがなかった。どんな言葉も俺を傷つけることはなかった。
あのセネルスの荒れた一室で、俺は嫌というほど知ったのだから。
ロワクレスには俺が必要で、俺はロワクレスが居なくては生きていけないのだということを。互いが唯一無二なのだと確かめ合ったのだ。その事実の前では、いかなる事どもでも勝ることはない。
帰って来たロワクレスがミリンダお嬢様の身勝手な言動に腹を立てていたが、そんな必要などないことだった。
「ひどいことを言われたな。大丈夫か? 何も気にしなくていいのだぞ。私にはお前さえいればいいのだ。他には何も要らないのだから」
「そうですよ。奥様。お貴族のお嬢様かなんだか知りませんが、言いたい放題言って! あたし、悔しくて! 塩、撒きましょうね! 塩!」
「シュン様、よくぞ冷静に対処されておりましたな。私、感服いたしておりました」
ロワ、アニータさん、ヨハネスさん、心配いりません。俺、本当に、平気だったんです。何を言われたって、俺、揺らがないんです。自分でもびっくりするくらい泰然としていた。
ロワクレスをどこまでも信じているから。自分の想いに自信があるから。
ロワと二人一緒なら、どこへでも行ける。どこででも生きていける。必ず幸せになれる。
異能者という人間以下の扱いで戦争の道具とだけにしか価値がなく、半分人形かロボットのように感情さえ殺して戦場で生きて来た俺が、こんなに強い想いを持てるようになるなんて奇跡みたいだ。
ロワクレスは俺を人間にしてくれた。さらには愛と人生を与えてくれた。俺、この世界に落ちてきて本当に良かった。
嬉しさと感動がこみ上げてきて、ついロワクレスに縋りついて胸に顔を埋めてしまった。ロワクレスはそんな俺を抱き締めると、優しく背中をぽんぽんと叩いてくれる。
――ちょっと待ってくれ? ロワ、誤解してないか? 俺はミリンダに言われたことに傷ついているわけじゃないんだぞ?
「おいしい焼き菓子を出してきましょうね。お茶も温かく淹れ直しましょうね」
――アニータさん、だから、違うんだって。そんな生温かい気遣いは無用だから。いや、焼き菓子は食べたいけど。
ここの人たちはどうしてこんなにも優しくて暖かいんだろう。俺、こんなに幸せでいいんだろうか?
扉が開いて大きな荷物が入って来た。ブルナグムだ。第二騎士隊からのお祝いの品は、寝室に置いてもいいような小さめのサイドボードだった。寝台やテーブルを買った同じ店で見繕ったらしく、同じ工房の作品だとわかる。
小型とはいえ、かなり大きくて重そうだ。ブルナグムじゃなかったら、一人で担いでこれないだろう。
それを床に降ろしながら、ブルナグムは申し訳なさそうに眉をへなりと下げた。
「すんません。さっき、これ、ぶん投げちまったっす。壊れてはいないみたいっすけど、ちょっと傷がついちまったっす」
「どうして投げたのだ?」
ロワクレスが笑いを噛み殺しながら訊いてきた。恐縮して小さくなった熊って、ほのぼのと可愛いもんな。
「突然、どっかのお嬢様が走ってきて、荷馬車に轢かれそうになったっす。それを止めようと咄嗟に。すんませんっす」
ロワクレスも俺も、はっとした顔になった。心当たりが大ありだった。
「その娘は無事だったのか?」
「はい。荷馬車のほうもそれほど速度を出していなかったっす。ので、接触もせずに済んだっす。怪我もなかったようっす」
「それは良かった。で、ほかに何かあったのか? ブル?」
大丈夫だったと言うわりにはなんだか複雑な表情を見せるブルナグムに、ロワクレスが怪訝そうに問いかけた。
「いあ、その、なんだか訳在りそうなご様子だったんすけどね? そのあと、駆け付けて来たお供の方がたにも、物凄く感謝されて。で、どうしてもお礼したいからって、次のお休みの日にご招待されちまって。なんだか随分とご身分の高そうな貴族のお嬢様みたいだし。でも、お嬢様もすごく熱心に懇願してくるしで。それでも一生懸命、なんとか断ろうと頑張ってたんすよ。そうしたら、ハンカチ返しに来てくださいって言われて。俺、どうしたら……」
涙を拭うようにと思わず自分のハンカチをお嬢さんに渡した。そうしたら綺麗な刺繍のある上品な絹のハンカチを代わりにって渡された。そんな上等な物はもらえないって断ったら、屋敷に来た時に返してくれればいいと言われてしまった。
そう述懐するブルナグムは本当に困っているようだった。
俺はロワクレスと顔を見合わせた。どうやら、ミリンダお嬢様は新しいお気に入りを見つけたらしい。
彼女の逞しさに感心するとともに、ロックオンされたブルナグムはこれから彼女に振り回されるに違いないとそっと同情のため息をついた。
思いがけない来客があった。ちょうどブルナグムから第二騎士隊の連中からの新居祝いを届けたいと連絡があって、ロワクレスが騎士隊宿舎まで迎えに出ていた。
颯爽と入って来た女性はうら若く美しいお姫様だった。宰相で大侯爵のお嬢様のわりには、なかなか闊達ではっきりした物言いの――ありていに言えば怖いもの知らずのお嬢様だった。
どうどうと名乗りを上げるお嬢様を見ながら、この方がロワクレスと婚約することになっていた娘さんなのかと納得する。
美しいお嬢様だった。決断力も行動力もあり、ロワクレスには似合いの女性に見えた。
だが、不思議に俺の心は動かない。彼女の責めるようなきつい視線を真っすぐに受け止めるだけだった。
以前だったら、きっと俺の心は動揺し、悩み、ロワクレスにはその女性の方が相応しいと判断して、彼のためだと本気で身を引こうと考えただろう。
彼女が俺に向けて言った事は貴族社会であるこの世界にとって常識的な妥当なものだったし、俺には社会的にロワクレスを支える力が何もないこともその通りだ。
これらの事実を指摘され言葉を投げつけられれば、心が折られ、卑屈になり、悄然となるべきはずだった。
しかし、俺は平然とそれらを聞き流していた。彼女が何を言っても、俺の中のロワクレスへの信頼は揺るがなかった。どんな言葉も俺を傷つけることはなかった。
あのセネルスの荒れた一室で、俺は嫌というほど知ったのだから。
ロワクレスには俺が必要で、俺はロワクレスが居なくては生きていけないのだということを。互いが唯一無二なのだと確かめ合ったのだ。その事実の前では、いかなる事どもでも勝ることはない。
帰って来たロワクレスがミリンダお嬢様の身勝手な言動に腹を立てていたが、そんな必要などないことだった。
「ひどいことを言われたな。大丈夫か? 何も気にしなくていいのだぞ。私にはお前さえいればいいのだ。他には何も要らないのだから」
「そうですよ。奥様。お貴族のお嬢様かなんだか知りませんが、言いたい放題言って! あたし、悔しくて! 塩、撒きましょうね! 塩!」
「シュン様、よくぞ冷静に対処されておりましたな。私、感服いたしておりました」
ロワ、アニータさん、ヨハネスさん、心配いりません。俺、本当に、平気だったんです。何を言われたって、俺、揺らがないんです。自分でもびっくりするくらい泰然としていた。
ロワクレスをどこまでも信じているから。自分の想いに自信があるから。
ロワと二人一緒なら、どこへでも行ける。どこででも生きていける。必ず幸せになれる。
異能者という人間以下の扱いで戦争の道具とだけにしか価値がなく、半分人形かロボットのように感情さえ殺して戦場で生きて来た俺が、こんなに強い想いを持てるようになるなんて奇跡みたいだ。
ロワクレスは俺を人間にしてくれた。さらには愛と人生を与えてくれた。俺、この世界に落ちてきて本当に良かった。
嬉しさと感動がこみ上げてきて、ついロワクレスに縋りついて胸に顔を埋めてしまった。ロワクレスはそんな俺を抱き締めると、優しく背中をぽんぽんと叩いてくれる。
――ちょっと待ってくれ? ロワ、誤解してないか? 俺はミリンダに言われたことに傷ついているわけじゃないんだぞ?
「おいしい焼き菓子を出してきましょうね。お茶も温かく淹れ直しましょうね」
――アニータさん、だから、違うんだって。そんな生温かい気遣いは無用だから。いや、焼き菓子は食べたいけど。
ここの人たちはどうしてこんなにも優しくて暖かいんだろう。俺、こんなに幸せでいいんだろうか?
扉が開いて大きな荷物が入って来た。ブルナグムだ。第二騎士隊からのお祝いの品は、寝室に置いてもいいような小さめのサイドボードだった。寝台やテーブルを買った同じ店で見繕ったらしく、同じ工房の作品だとわかる。
小型とはいえ、かなり大きくて重そうだ。ブルナグムじゃなかったら、一人で担いでこれないだろう。
それを床に降ろしながら、ブルナグムは申し訳なさそうに眉をへなりと下げた。
「すんません。さっき、これ、ぶん投げちまったっす。壊れてはいないみたいっすけど、ちょっと傷がついちまったっす」
「どうして投げたのだ?」
ロワクレスが笑いを噛み殺しながら訊いてきた。恐縮して小さくなった熊って、ほのぼのと可愛いもんな。
「突然、どっかのお嬢様が走ってきて、荷馬車に轢かれそうになったっす。それを止めようと咄嗟に。すんませんっす」
ロワクレスも俺も、はっとした顔になった。心当たりが大ありだった。
「その娘は無事だったのか?」
「はい。荷馬車のほうもそれほど速度を出していなかったっす。ので、接触もせずに済んだっす。怪我もなかったようっす」
「それは良かった。で、ほかに何かあったのか? ブル?」
大丈夫だったと言うわりにはなんだか複雑な表情を見せるブルナグムに、ロワクレスが怪訝そうに問いかけた。
「いあ、その、なんだか訳在りそうなご様子だったんすけどね? そのあと、駆け付けて来たお供の方がたにも、物凄く感謝されて。で、どうしてもお礼したいからって、次のお休みの日にご招待されちまって。なんだか随分とご身分の高そうな貴族のお嬢様みたいだし。でも、お嬢様もすごく熱心に懇願してくるしで。それでも一生懸命、なんとか断ろうと頑張ってたんすよ。そうしたら、ハンカチ返しに来てくださいって言われて。俺、どうしたら……」
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そう述懐するブルナグムは本当に困っているようだった。
俺はロワクレスと顔を見合わせた。どうやら、ミリンダお嬢様は新しいお気に入りを見つけたらしい。
彼女の逞しさに感心するとともに、ロックオンされたブルナグムはこれから彼女に振り回されるに違いないとそっと同情のため息をついた。
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