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裏切られて救われて愛されて

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※内容:レイプ(未遂) 最後溺愛 など

―――――――――――――――――――――――
祖国のために剣を振るうレオナにふりかかった受難。
そして、救い。
―――――――――――――――――――――――





「ハァッ!!」



 レオナは振りかざした剣から風の魔法を放ち、敵を一閃した。

 ここは、隣国との戦場。



 特殊精鋭部隊に配属されたレオナは、敵国将軍の首を獲る伏兵チームとして戦場を駆け抜けていた。



 ターゲットのテントに回り込むまであと少し。

 今の戦闘で、私達のルートにもう敵は現れないはず――。



「……私はここまでよ。あなたたち、あとは任せたわ。うまく行ったら私をあとで回収してちょうだい」



 レオナは風の魔法を使って、邪魔な敵兵を吹き飛ばす露払いの役目を担っていた。



 チームを無事、目的地点まで送り届けられたと、魔力がカラになったレオナは剣を手に膝をついた。





「いやー助かったよ。レオナ」

「あとは俺等にまかせろや」

「しかし、これで最後かもしれんな、オマエと会えるのも」



 彼らは共に騎士団で訓練してきた仲間たちだった。

 女であるレオナを蔑むことなく、訓練を共にしてくれた。



「そんな事言わないで。ちゃんと戻ってきて頂戴」

 レオナはハアハアと息をしながら、微笑んだ。



「……オマエもここに置いていったら死ぬかもしれないんだよなぁ」

「俺等も最後かもしれねえし……」

「なあレオナ……オレたち、昨晩話し合ったんだけどさ」



「……?」

「最後に俺等でパーティしね?」



「パーティ? でも早く行かないとまた敵が……。 え!?」



 ――仲間の1人、グロシンが、私を背後から羽交い締めにし、仰向きに寝転がせた。



「前々から、おまえとヤリてえなぁって男どもで話してたんだよ」

 

 そう言いながら私の足を掴んだのはハンセン、そして私の上にまたがるようにダイナーが膝をついた。



「あなたたち、なにを、しているの……?」



 レオナは3人が何をしているのか、思い至るのに時間がかかった。

 なぜなら、ずっと信じてきた騎士団の仲間だからだ。



「あー……そのかわいらしい桃色の髪に、顔もベイビーフェイス、さらに乳はでかい、ときたもんだ。ホントオマエ……なんで騎士団なんて入っちゃったわけ? あ~汗かいてるわりには、良い匂いすんな……」



 背後からグロシンが、レオナの頭に顔を近づけて言った。



「わ、私は祖国のために、戦いたくてって言ってあったでしょう。放して!」



 それもあったが、家に居場所がなかったのもある。母が死んで父が連れてきた愛人とその娘に、跡取り娘としての立場を奪われたのだ。

 運動神経と魔法に自信があったし、騎士爵を得れば独立できると思って騎士団に苦労して入ったのだ。



 そして血の滲む努力をして騎士になった途端、隣国と戦争が始まり、戦場へ出ることになった。

 それだけでもついてないと思うのに……この、状況は……何。



「まあ、どうでもいいや。さっさとヤろうぜ。俺等この先に進んだら死ぬ確率が高いんだし、最後に楽しませてもらわないと」



 ……最後に、楽しむ。

 この人たち、まさか私を――。



 ビリッ!!



 ダイナーがレオナの軍服を、騎士の誇りである剣で引き裂いた。



「きゃあ!!」



「ああ、サラシなんか巻きやがって。いま楽にしてやるかんな」



 サラシがとかれ、3人の男の前で、レオナの乳房がこぼれる。



「うお」

「いいね」

「ちっ、オレ最後なんだよな」



「一番、わるいねぇ」

 そう言ってダイナーがレオナの胸に吸い付いた。



「いやあああ!!」

 レオナは暴れたが、魔力は切れ、男三人相手では抵抗する手段が何も無い。



「ほら、静かにしろよ」



 背後のグロシンに口を塞がれ、首筋を舐められる。

 そのナマコが這うような感覚に、鳥肌が立つ。



「んーーーーーっ!!」



 カチャカチャと音がして、レオナのズボンが降ろされる。

 ブーツも脱がされ、無防備な素足となった。



「綺麗なあんよだなぁ。へへ。ほら、ダイナー早くしろよ」



 ハンセンが足の裏を舐め回しながら言った。



「まあ、まてよ。どうせこいつ処女だろ。ほぐさねえと」



 下着を下ろされて、ダイナーの指が膣口にふれた。



「んんっ」



「あー、だめ。全然濡れてねぇ。ちょっとほぐさねぇとオレも痛ぇからな」



 そういうと、ダイナーがまたレオナの乳房に吸い付き、乳首を甘く噛みはじめた。



「んん! んんんっ」



 レオナは真っ赤になって身悶えした。



 ダイナーの指が膣口とその上方にある突起をまさぐると、レオナのそこはしっとりとしてきた。

 続けて、ダイナーがそこを舐め始めた。



 次第にピチャピチャと音がして、レオナは気持ち悪さに涙を浮かべた。



「んんっ ん!」



「ヒクヒクしてんな。感じてるのか? レオナ」

「ハハ、まさか本当にヤれる日がくるとはな」

「綺麗な色してんなぁ」



 信じてきた仲間が、じろじろと自分の身体を観察し、まさぐりしゃぶり、信じられない言葉を吐いている。

 恥辱と裏切られたショックでレオナは目の前がクラクラした。



 ――下腹部に違和感を感じた。



「んんん!」



 違和感に開かれた足を反射的に閉じようとしたが、足はがっちりと固定されている。

 見ると、ダイナーのズボンから出されたものが、自分の秘部に押し当てられている。



「入りそうか?」

「いや、やっぱまだちょっと早かったわ」



 大きくなった男のソレを初めて見たレオナは気が遠くなった。



「ほらほら、しっかりしろよ。せっかくだからオマエも楽しまないと」



 グロシンに後ろから揺さぶられる。



「んー! んー!!」



 レオナは涙を流して首を振った。

 やめて、やめてと叫びたかった。



 しかし、それは奴らを喜ばせるだけだった。



「いや、そそるね。さてと」

「んっ!」



 ダイナーの中指が、撫でるようにしてレオナの膣口を探り、中に侵入してきた。



「んんーー!!」



 自分でも、触ったことのない場所に男の指が入ってきて、レオナは錯乱した。



 中をかき回され、グチュグチュピチャピチャと、音をたてられる。



「ん……ん……」



「お、力が抜けてきたぜ」

「こっちもだ」



「はは、気持ちよくなって諦めたか」





 ああ。

 こんなことなら敵兵に殺されたほうがマシだった。



 知りたくなかった、こんな仲間の裏切り。

 騎士団のみんなは、私のことをこんな風に扱おうと、思っていたの……?



 レオナは何もかもに絶望した。

 もうどうでもいい。



 父親からも見放された。

 居場所だと思った騎士団にも裏切られた。

 いまや貞操まで失おうとしている。





 なにもかも早くおわって、もう……死なせて。



 ――ザシュッ!!



 レオナの瞳から、光が消えかけたとその時、目の前のダイナーの首がその音と共に無くなった。

 次に、その向こうにいたハンセンの首もずり落ちた。

 さらに、レオナを羽交い締めにしていた、クロセンの手が力を失って剥がれた。

 

「え……?」





「下賤な奴らだ。……大丈夫か、レディ」



 見上げると、背の高い黒髪の男が、ちょうど剣についた血を振り払うところだった。



「返り血を浴びせてしまったな。雑な助け方ですまない、そして汚いマントで失礼する」



 そういうと男は自分のマントでレオナをくるんだ。



「あなた、は……」



 レオナは青ざめた。

 見ると男の軍服には敵国の印章があった。

 そして、身なりを見るに、この人は――。



「オレのテントの近くが騒がしいものだから、見に来たらとんでもないパーティ会場だった」



「ワディンガム将軍……」

「おう、そうだ。よっと」

「きゃ!?」



 レオナはまるで姫君のように抱き上げられた。



「捕虜ゲット」



 ああ、捕虜。

 たしかにそうだ。



 これから敵国で、またさっきのような目にあうのだろうか。



「はは、冗談だ。心配するな、オレの国では、さっきみたいな目には合わせない」



 レオナは顔を上げた。

 ワディンガムは恐ろしい男と聞いていたのに、目の前の彼はとても優しい瞳をしている。

 敵だというのに、レオナの心に安堵が広がった。



「いいか、おまえの国は腐ってる。そしてもうすぐ敗戦する」

「え……」



「おまえは一足さきに我が国の国民になるだけだ、安心しろ」



 そう言ってワディンガムは、レオナを自分のテントに連れ帰り、戦争に勝利し国に帰るまでレオナを保護してくれた。



 数日後、両国の戦は終わり、レオナの祖国は敗戦国となった。

 腐敗していた王族と貴族だけは、問答無用で排除、処刑された。

 その中にレオナの実家もあったことは、後日、ニュースに載っていたリストで知った。





 ワディンガムは使用人が足りないからと、そのまま彼の屋敷にレオナを連れ帰った。

 屋敷の使用人たちも、優しい人ばかりで人間関係は円満、レオナはそれまでの人生と違い、とても平和な生活を得た。



 そして数年が経ったある日、ワディンガムの執務室に呼び出された。



 彼の国において、彼には恐ろしい噂がたっており、……嫁の来てがなくてな、と切り出された。



「え、つまり」

「オレと結婚してくれ」



 レオナもその頃には、敬愛する主人として彼に仕えていたが、心の奥底では彼への恋心を募らせていた。



「でも、私は……一度はあなたの命を狙った……」

「まだそれを言うか?」



 ワディンガムに抱き寄せられる。



「実は一目惚れでな」

「えっ」



「あの日助けた時、オマエがオレを頼るように震えて――オレの腕の中に身を預けた、その時に、ああ……こいつを守りたい、と思った。……オレは、いやか?」



「……いやなわけ、ありません……ですが」



 やはり身の程が……、と伝えようとしたところ、口づけされ、そのままベッドに連れて行かれた。

 少し強引ではあったが、嫌なことなど欠片もなかった。むしろ悦びを感じた。



 以前、祖国の男たちに襲われた時に感じた恐怖と気持ち悪さは払拭され、レオナはもうワディンガムしか見えなくなり、彼の腕の中で、心地よく喘いだ。



「愛している、レオナ」

 逞しく温かい腕の中で囁かれた。



 母が死んで以来、久しぶりに聞いた、その愛しているという言葉に涙がでた。

 そして――



「私も……愛しています、御主人様」



 と返したら、旦那様だろ、と。



 コツっとげんこつされたのだった。


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