恋愛下手な私の今まで。

miyu.

文字の大きさ
上 下
109 / 116

大和との出会い11

しおりを挟む
次の日の夜。

電話が鳴って表示を見ると大和くん。

「みゆちゃん昨日ごめんね。」

「ううん。なんかあったのかと思ったよ。」

「心配してくれてたの?」

「うん。」

「ごめんね。」

「うん。」

「元カノとめっちゃ久しぶりに会ってたんだ。」

元カノ!!?

「そうなんだ。」

「付き合ってた時、俺金なくてすげー迷惑かけてさ。嫌な別れ方だったし最後に恩返ししたくて。」

「そうなんだ。」

「でも結局焼肉奢ってもらっちゃった。まじ情けないよな。」

大和くんとはこれまでにお互いの過去の恋愛の話は一通りしていた。

包み隠さず教えてくれたので、チャラいって噂が立つ理由は理解できていた。

二股して彼女を傷つけたとか、大和くんを狙ってた子と付き合う気はないのに関係を持ったとか、元カノとセフレになったとか。

「みゆちゃんはいつも褒めてくれるけど、俺本当は最低なやつなんだよ。」って所から話を切り出したから、過去を反省してるのかな?って思ってた。

言わなければ私は知らないままなのに、わざわざ伝えてくれるなんて誠実な人なんだなーとも思ってた。

私が関わってきた大和くんは真面目で誠実な人。

真剣に研究に取り組む姿とか仲間を思う熱いところ、家族を思う優しさなど、チャラいとかけ離れた所ばっかり見てきた。

そう思ってたのに。

元カノと会ってたって聞いて、かける言葉が見つからなかった。

彼が指す元カノとは、別れた後もずるずるとセフレ関係が続いていた人。

昨日連絡がなかったってことはそういうことだと思った。

彼女じゃない私が口出しできる立場ではないし、本当に何て言っていいか分からなかった。

この後何を話したか覚えてなくて、気付いたら電話を切ってベッドの上で泣いていた。

この元カノは大和くんの周りでも美人でスタイルが良いと評判で、別れた時には周りの友達から「もったいない」って言われまくったと聞いたことがあった。

私の想像の中のキラキラした元カノさんと自分の容姿を比べて更に落ち込む。

セフレに戻っちゃうのかな?

私に電話くれることもなくなっちゃうのかな?

また電話に出てくれないと色々妄想して落ち込んじゃうから、帰り道に電話掛けるのもやめよう。

帰り道は唯一私からかけれる電話だったのにな。

昨晩どうやって電話を切ったのか覚えていないのに、なぜか大和くんから電話がくることもうはないだろうと思っていた。

だから早く寝ようと思ってベッドに入ったけど、ソワソワして結局携帯ばっかり見てしまう。

寝る前に大和くんの声を聞かないと落ち着かない。

いつまで経っても眠れなくてゴロゴロしていたら電話が鳴った。

相手は大和くん。

もう電話こないと思ってたのに。

大和くんの声を待ち侘びていたのに、何を話されるのかこわくて一瞬出るか迷った。

でも無視する勇気は当たり前になくて通話ボタンを押す。

「みゆちゃん何してた?」

あれ?いつも通りの大和くんだ。

構えてたから拍子抜けしてしまう。

「そういえばみゆちゃん昨日大丈夫だった?」

「何のこと?」

「なんか電話の途中から元気なかったからさ。」

「そうかな?よく覚えてないけど眠かったんだと思う。」

「そっか!なら良かった!」

元カノに会った話は気になるけど深堀りできなかった。

聞けば教えてくれたと思うけど勇気がなかった。 

だから実際に男女の関係があったかは謎。

後にも先にも電話がなかったのは私の記憶にある限りあの日だけ。

基本的に私たちは隠し事がなくて、大和くんはこっちから聞かなくても何でも話してくれる。

私のことも何でも知りたいみたいで色々聞いてくれる。

元カノと会ったのはあの日だけで、彼の中では本当に恩返しのつもりだったみたい。

次の日もその次の日も大和くんから電話をくれて、また毎日電話をする仲に戻った。

大和くんにとっての私って何なんだろう?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

初めてなら、本気で喘がせてあげる

ヘロディア
恋愛
美しい彼女の初めてを奪うことになった主人公。 初めての体験に喘いでいく彼女をみて興奮が抑えられず…

彼氏の前でどんどんスカートがめくれていく

ヘロディア
恋愛
初めて彼氏をデートに誘った主人公。衣装もバッチリ、メイクもバッチリとしたところだったが、彼女を屈辱的な出来事が襲うー

今、夫と私の浮気相手の二人に侵されている

ヘロディア
恋愛
浮気がバレた主人公。 夫の提案で、主人公、夫、浮気相手の三人で面会することとなる。 そこで主人公は男同士の自分の取り合いを目の当たりにし、最後に男たちが選んだのは、先に主人公を絶頂に導いたものの勝ち、という道だった。 主人公は絶望的な状況で喘ぎ始め…

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

ずぶ濡れで帰ったら彼氏が浮気してました

宵闇 月
恋愛
突然の雨にずぶ濡れになって帰ったら彼氏が知らない女の子とお風呂に入ってました。 ーーそれではお幸せに。 以前書いていたお話です。 投稿するか悩んでそのままにしていたお話ですが、折角書いたのでやはり投稿しようかと… 十話完結で既に書き終えてます。

これ以上ヤったら●っちゃう!

ヘロディア
恋愛
彼氏が変態である主人公。 いつも自分の部屋に呼んで戯れていたが、とうとう彼の部屋に呼ばれてしまい…

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

処理中です...