恋愛下手な私の今まで。

miyu.

文字の大きさ
上 下
40 / 116

翔太の彼女12

しおりを挟む
翔太はしばらく何も言わずに車を走らせる。

私も特に話す事が思い付かず、ずっと窓の外を見てた。

長い長い沈黙が続いた。

10分くらい経ってからかな?翔太がゆっくり口を開いた。

「、、みゆ元気だった?」

「、、うん。翔太は?」

「まあまあかな!」

たった一言話しただけだけど、気まずい空気からいつもの2人の感じに戻った。

久しぶりに会ったからお互い話したい事は沢山あった。

翔太は最近の身の回りの事、新しいバイトの事、共通の友達の話などを一通り話してくれた。

やっぱりバイトが忙しいみたいで、毎日ヘトヘトになって、家に帰るとすぐ寝てしまう生活が続いていたみたい。

疲れるとは言ってたけど、バイトの話をする翔太はすごく活き活きしてた。

私の近況も聞かれたので、ゼミやサークルの話をした。

「そっか。入室試験頑張ってたもんな。みゆの目、すごくキラキラしてるよ。」

翔太は少し寂しそうに笑った。

翔太の顔を見て胸が苦しくなった。

ゼミの話になるとつい熱が入ってしまう。

空気も読まず、翔太の気持ちも考えずに楽しそうに話してしまっていた事を反省した。

こんな時でも、無理にでも笑って私の気持ちを理解してくれる翔太は本当に優しい人。

お互いの近況報告をした後は、連絡の頻度が減ってしまった事、会う頻度が減ってしまった事。

お互いに頑張りたい事が出来た事、恋愛との両立が難しくなってしまった事。

私達の付き合い方について色々話し合った。

最終的には翔太から「俺たち別れよう。」って言われた。

こうなるとは思ってたし、この時心の底から翔太を大好きだったかって言ったらそれは違った。
今までと比べて気持ちは冷めてた。

だけどすごく悲しい気持ちになった。

私の思考回路は少し人とズレてて、1度付き合うと、別れるという選択肢にはなかなか辿り着かない。 

だからこんな状況でも私の中で別れるって選択肢はなかった。

翔太を嫌いになったわけではない。前より少し気持ちが冷めてしまっただけ。翔太の優先順位が少し後回しになってしまっただけ。

翔太に別れようって言われて、私は別れたくなかったけど、もう一度やり直そうって言うのも違う気がして何も言えなかった。

翔太に返事しなくちゃって思って、長い長い沈黙の後に「わかった。。」と言った。

たった一言だけど、精一杯の返事をした。

悲しくて寂しくて涙が溢れて来そうだったけど、翔太の前では何とか堪えた。

その後は家まで送ってもらって翔太とバイバイした。

翔太の車が見えなくなった瞬間に涙が止まらなくなってしまい、そのまますぐに友達に電話してたくさん話を聞いてもらった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

好きな人がいるならちゃんと言ってよ

しがと
恋愛
高校1年生から好きだった彼に毎日のようにアピールして、2年の夏にようやく交際を始めることができた。それなのに、彼は私ではない女性が好きみたいで……。 彼目線と彼女目線の両方で話が進みます。*全4話

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

人違いラブレターに慣れていたので今回の手紙もスルーしたら、片思いしていた男の子に告白されました。この手紙が、間違いじゃないって本当ですか?

石河 翠
恋愛
クラス内に「ワタナベ」がふたりいるため、「可愛いほうのワタナベさん」宛のラブレターをしょっちゅう受け取ってしまう「そうじゃないほうのワタナベさん」こと主人公の「わたし」。 ある日「わたし」は下駄箱で、万年筆で丁寧に宛名を書いたラブレターを見つける。またかとがっかりした「わたし」は、その手紙をもうひとりの「ワタナベ」の下駄箱へ入れる。 ところが、その話を聞いた隣のクラスのサイトウくんは、「わたし」が驚くほど動揺してしまう。 実はその手紙は本当に彼女宛だったことが判明する。そしてその手紙を書いた「地味なほうのサイトウくん」にも大きな秘密があって……。 「真面目」以外にとりえがないと思っている「わたし」と、そんな彼女を見守るサイトウくんの少女マンガのような恋のおはなし。 小説家になろう及びエブリスタにも投稿しています。 扉絵は汐の音さまに描いていただきました。

ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~ その後

菱沼あゆ
恋愛
その後のみんなの日記です。

教え子に手を出した塾講師の話

神谷 愛
恋愛
バイトしている塾に通い始めた女生徒の担任になった私は授業をし、その中で一線を越えてしまう話

粗暴で優しい幼馴染彼氏はおっとり系彼女を好きすぎる

春音優月
恋愛
おっとりふわふわ大学生の一色のどかは、中学生の時から付き合っている幼馴染彼氏の黒瀬逸希と同棲中。態度や口は荒っぽい逸希だけど、のどかへの愛は大きすぎるほど。 幸せいっぱいなはずなのに、逸希から一度も「好き」と言われてないことに気がついてしまって……? 幼馴染大学生の糖度高めなショートストーリー。 2024.03.06 イラスト:雪緒さま

わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑 side story

岡暁舟
恋愛
本編に登場する主人公マリアの婚約相手、王子スミスの物語。スミス視点で生い立ちから描いていきます。

処理中です...