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第2章 血の追求者
2-01:新態勢始動
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「朝早くにも関わらず集まってくれてありがとう」
警視庁警視総監室に集められた上層部である良歌と2名が総監に呼び出された。
「いいえ、今後の捜査に必要なことなので構いませんよ」
この男性は警視庁のナンバー3で黒髪の短髪で目つきは鋭いが穏やかな性格をしている岩方総矢であり怜司の従兄である。
「改めてお話とは何でしょう?」
おずおずと物静かなこの女性は警視庁ナンバー4で、やや垂れ目のショートヘア―で少し暗めの茶色い髪色をした神城朱実であり時光たちと同い年である。
「まず再確認だが小堂君が脱退して本部を潰しにかかると宣言してから約1か月半が経とうとするが、行方はもちろん、彼らしき姿を目撃した証言もないこと、ここまで大丈夫かな?」
鉄茂が確認を取ると、
「はい、捜査官を数百人から数千人単位で捜索しているそうですが簡単に現れることがないようですね」
総矢が苦い顔をして言うと続けて朱実も感想を述べる。
「相手が相手なだけにそう上手く見つからないと思っていましたがここまでとは…」
2人の言葉に頷き改めて鉄茂がゆっくりと息をついて話を始める。
「うむ。2人の意見はもっともなことだ。メンバーに選抜した私の責任であり1日でも早く見つけ出さないことには何を仕掛けてくるかわからないからな」
ここで言葉を区切り立ち上がって話を続ける。
「可能性は極めて低くても万が一のことに備えてここにいる3人の耳に入れておきたいことを言わせてもらう。小堂君に遭遇して戦闘になったとして自分を含めた周囲の人の命が脅かされる状況になった場合、彼を抹殺しても構わない」
「「「っ⁉」」」
その言葉に3人は驚き目を見開き言葉が詰まるが、総矢が切り返す。
「総監、それは文字通り彼が殺しにかかってきた時に容赦なく殺しても構わないと?状況にもよりますが彼を抹殺するやり方は俺たちに一任するという解釈でよろしいですか?」
「岩方君それは――」
良歌がその先の言葉を言おうとしたところ鉄茂が右手で待ったをかけ言葉を遮り総矢の問いに答える。
「もちろん、ただしあくまでそれは最終手段で大前提としては彼を捕らえて脱退して本部を潰しにかかろうとした理由について追求すること。それを踏まえた上で今のような質問をした、そう捉えていいかな?」
強く釘を打つように念を押して確認を取ると静かに頷き答える。
「はい。でなければこのような質問はしませんし、殺してしまったところで総監たちにご迷惑かかることは自明の理ですから」
そう言って総矢は良歌に向いて話を続ける。
「それに村富警視監、言いかけた言葉を返すようですが、もし小堂君が今目の前に現れて俺たちを殺しにかかってきたとしたら同じ台詞を二度吐けるほど悠長なことを言っていられる状況じゃないと思いますよ。
「っ!」
総矢の厳しい指摘に良歌は言葉を詰まらせ微妙な空気になってしまったところをどうしようか鉄茂が考えていたところ、遠慮気味に朱実が手を挙げ鉄茂に質問する。
「あの~一つよろしいですか?」
「ん?何かな神城さん」
「小堂君の対処のことについて大体わかりましたが、その他にも私たちのやることってありますか?」
その言葉に睨み合っていた2人も総監の話に耳を傾ける。
「そうだな。もう少しだけ話が続くが重要なことだから把握してもらいたい」
そう言って3人に協力してもらうための項目を鉄茂は伝えるのである。
警視庁警視総監室に集められた上層部である良歌と2名が総監に呼び出された。
「いいえ、今後の捜査に必要なことなので構いませんよ」
この男性は警視庁のナンバー3で黒髪の短髪で目つきは鋭いが穏やかな性格をしている岩方総矢であり怜司の従兄である。
「改めてお話とは何でしょう?」
おずおずと物静かなこの女性は警視庁ナンバー4で、やや垂れ目のショートヘア―で少し暗めの茶色い髪色をした神城朱実であり時光たちと同い年である。
「まず再確認だが小堂君が脱退して本部を潰しにかかると宣言してから約1か月半が経とうとするが、行方はもちろん、彼らしき姿を目撃した証言もないこと、ここまで大丈夫かな?」
鉄茂が確認を取ると、
「はい、捜査官を数百人から数千人単位で捜索しているそうですが簡単に現れることがないようですね」
総矢が苦い顔をして言うと続けて朱実も感想を述べる。
「相手が相手なだけにそう上手く見つからないと思っていましたがここまでとは…」
2人の言葉に頷き改めて鉄茂がゆっくりと息をついて話を始める。
「うむ。2人の意見はもっともなことだ。メンバーに選抜した私の責任であり1日でも早く見つけ出さないことには何を仕掛けてくるかわからないからな」
ここで言葉を区切り立ち上がって話を続ける。
「可能性は極めて低くても万が一のことに備えてここにいる3人の耳に入れておきたいことを言わせてもらう。小堂君に遭遇して戦闘になったとして自分を含めた周囲の人の命が脅かされる状況になった場合、彼を抹殺しても構わない」
「「「っ⁉」」」
その言葉に3人は驚き目を見開き言葉が詰まるが、総矢が切り返す。
「総監、それは文字通り彼が殺しにかかってきた時に容赦なく殺しても構わないと?状況にもよりますが彼を抹殺するやり方は俺たちに一任するという解釈でよろしいですか?」
「岩方君それは――」
良歌がその先の言葉を言おうとしたところ鉄茂が右手で待ったをかけ言葉を遮り総矢の問いに答える。
「もちろん、ただしあくまでそれは最終手段で大前提としては彼を捕らえて脱退して本部を潰しにかかろうとした理由について追求すること。それを踏まえた上で今のような質問をした、そう捉えていいかな?」
強く釘を打つように念を押して確認を取ると静かに頷き答える。
「はい。でなければこのような質問はしませんし、殺してしまったところで総監たちにご迷惑かかることは自明の理ですから」
そう言って総矢は良歌に向いて話を続ける。
「それに村富警視監、言いかけた言葉を返すようですが、もし小堂君が今目の前に現れて俺たちを殺しにかかってきたとしたら同じ台詞を二度吐けるほど悠長なことを言っていられる状況じゃないと思いますよ。
「っ!」
総矢の厳しい指摘に良歌は言葉を詰まらせ微妙な空気になってしまったところをどうしようか鉄茂が考えていたところ、遠慮気味に朱実が手を挙げ鉄茂に質問する。
「あの~一つよろしいですか?」
「ん?何かな神城さん」
「小堂君の対処のことについて大体わかりましたが、その他にも私たちのやることってありますか?」
その言葉に睨み合っていた2人も総監の話に耳を傾ける。
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そう言って3人に協力してもらうための項目を鉄茂は伝えるのである。
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