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Ⅳ 第4の審判
chapter 15 dark side Ⅵ
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「気持ち悪いんだよ」
「なんで学校来るんだよ」
「お前なんて居なくなればいいのに」
「消えろ」
「しね」
いつもの言葉を投げかけてくる奴らがいた。
少年は、こいつらが嫌いだった。
そのとき、この『世界』にいる唯一の『大人』と目が合った。
その大人は少年がよく知っている顔だった。
なぜならその『大人』は少年を産んだ人間だったから。
しかし、少年はその『大人』に自分の存在を気付いてほしくはなかった。
自分が奴らから、いじめられている、なんて知られたくなかったのだ。
目が合っても、その『大人』は少年を助けてはくれなかった。
少年はそれを
「母親には、未だ『いじめ』のことを知られてはいない」
として、安心していた。
* * * * *
夕方の台所に傷だらけの少年が立っていた。
台所には夕飯の暖かい匂いが、窓から突き抜ける柔らかな心地よい風と共に流れてきていた。
トントントン……と包丁とまな板が叩き合う音が響く。母親は夕飯の支度をしていた。
少女が少年の母親のもとへ駆け寄り、告げた。
「充お兄ちゃん、傷だらけなの。お願い、充お兄ちゃんを守って」
トントントン……という心地の良い音色が途絶え、ゆっくりと母親は傷だらけの少年のいる方へと振り返った。
そして、告げた。
「どうして私が守らなきゃいけないの?」
「なんで学校来るんだよ」
「お前なんて居なくなればいいのに」
「消えろ」
「しね」
いつもの言葉を投げかけてくる奴らがいた。
少年は、こいつらが嫌いだった。
そのとき、この『世界』にいる唯一の『大人』と目が合った。
その大人は少年がよく知っている顔だった。
なぜならその『大人』は少年を産んだ人間だったから。
しかし、少年はその『大人』に自分の存在を気付いてほしくはなかった。
自分が奴らから、いじめられている、なんて知られたくなかったのだ。
目が合っても、その『大人』は少年を助けてはくれなかった。
少年はそれを
「母親には、未だ『いじめ』のことを知られてはいない」
として、安心していた。
* * * * *
夕方の台所に傷だらけの少年が立っていた。
台所には夕飯の暖かい匂いが、窓から突き抜ける柔らかな心地よい風と共に流れてきていた。
トントントン……と包丁とまな板が叩き合う音が響く。母親は夕飯の支度をしていた。
少女が少年の母親のもとへ駆け寄り、告げた。
「充お兄ちゃん、傷だらけなの。お願い、充お兄ちゃんを守って」
トントントン……という心地の良い音色が途絶え、ゆっくりと母親は傷だらけの少年のいる方へと振り返った。
そして、告げた。
「どうして私が守らなきゃいけないの?」
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