痛みの代価 【俺目線】

痛みの代価 【俺目線】

【痛みの代価】

冷たく凍てつき赤々と深紅に染まり床に滴る
鈍いこの感触
鋭い痛み…お前の…。

【俺目線】
すれ違っていたのは解っていた
だけど何処かで満身していたのかも知れない
お前が一番独りを怖がり孤独や不安で
押しつぶされるくらい…
そんな苦しみを抱えているのに…。
俺はお前がメールしないからと、「大丈夫」
その一言だけを信じて…馬鹿みたいに信じて
解っていた筈なのに…お前が震えている事

そんな時に…俺に
手を伸ばしているお前に俺は気づけなくて
彼奴が俺を呼び出した…俺の部屋に集まろう
そんないつもの柔らかな物腰で…。
気づくことに遅れた愚かな末路に待っているのは
唯の空虚だけだ…俺とお前と歪な表情の彼奴
俺が次に目にしたのは…深紅の赤に染まった
お前の姿…抱きしめられながら、目の前で
精気のないお前に彼奴は見せ付ける様に
彼奴はキスをし…彼奴は言った

「それじゃあ…ばいばい？大嫌いな親友」
次の瞬間また目にする
赤 赤 赤
俺の目の前には白磁の首筋から深紅に染まり
もう以前の様に笑わない、『お前』
その傍で歪に歪んだ笑みを浮かべて
赤に染めた『彼奴』
俺は唯2人の元にくずおれ…お前の頭を撫でる
撫でられると幸せそうに笑う…お前

「はは…な…んで、今頃…俺は…俺…は」
嗚呼なんて馬鹿馬鹿しい…
俺は一番大切なものを…自分から手放したのか
「はは…ははは…あははははははは！！」
冷たい部屋には俺の狂気に染まった
其の声だけが響いていた。