魔力なしの私と魔術師を目指した少年

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小話(ハムちゃん視点)

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この食堂は僕の天国!
美味しい物がいっぱい貰える。

「ハムちゃん。ちょっぴり太ったね。運動するおもちゃを作ってみるね。」

ディアナは僕のお腹が床に擦れることを心配しておもちゃを作ってくれた。
丸いおもちゃの中で走って遊ぶらしい。

僕は精霊なんだ。
おもちゃで喜ぶ年齢でもないよ!

………しょうがないなー
せっかく作ってくれたんだ。
ちょっとだけだよ?

カラカラカラカラカラカラーーーーー

なに?これ?

えっ?なに?楽しーーー

うおーーーーー!!!

カラカラカラカラカラカラーー

ハァハァハァ………

精霊なのに楽しんじゃった…。
僕は子供じゃないのに!

他の精霊にはこんな姿、見せられないや。

ディアナとイーリスさんは僕が太り過ぎないように用意してくれる野菜の量を減らしてしまった。

けれどリックさんがこっそり野菜をくれるんだ。

「どうだ、ハムちゃん美味しいだろう?これはムノー農場のヤック爺さんの作ったキャベツの芯だ。安全で美味しいぞ。」

リックさんは僕が食べている間なにかずっと喋ってる。

……………この甘味………みずみずしくて………

僕は夢中で食べてるから聞いてないけど、リックさんは満足そうにニコニコしている。

「ヤック爺さんもこれだけ美味しそうに食べてくれたら喜ぶぞ。」

……リック、僕、聞いてないからね………

シャクシャクシャクーー

「土にも拘っていてな…………。」


……美味しー……?リックまだなにか喋ってる?

………

何?リック、そんなに見ててもあげないよ?

★★★

ディアナはお店が終わった後、いつも大きな紙をテーブルに広げて眺めている。
その表情は不安そうで、僕は何だか心配だった。
「キュー?」
「ハムちゃん。心配してくれるの?ありがとう。」
「キュー!」
「バルドルが帰って来たんだよ。」
えっ?
会いに行かないの?
きっと会いたがってるよ?
「はぁーー。」
ディアナは寂しそうに溜め息を吐いた。

店で働いている時はいつも笑顔でいるディアナが、この時だけは辛そうに見えた。
僕、ディアナのその顔には弱いんだ。

よし!任せて。精霊の僕が連れて来るよ!!
「キュッキュー!!」

★★★

僕は精霊の力を使いバルドルを迎えに行った。
バルドルは『オウサマ』のいる所にいた。
よう!久しぶりだな!ディアナのいる所に案内するぜ!

「頼む。ディアナの所まで連れて行ってくれ!」

任せて。僕についてきて!!


ーーーーでも、


……ハァハァハァハァ……

疲れちゃった……。身体が重いよ。
バルドルはポケットから細長い草を取り出した。

「ハムちゃん、これお土産の魔素を多く含む植物。食べるか?」

魔素!魔素って魔力の元だ!
精霊にとってはご馳走。

うん!勿論食べるよ。

モグモグーー

…ん?………何だか……刺激的な味……

あれ?身体が…熱い……

漲ってくる!力が漲ってくるよー!

よし、元気が出たよ!
ディアナの所までひとっ飛びだ!
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