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1章
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前世は日本生まれの日本育ちの平凡な主婦。
今世の名前はレティシア・ファーマイド。
ファーマイド公爵家の一人娘。2つ下の弟はシリス。ここは大陸の中程に位置するティネス王国。
記憶が戻ったのは12才の誕生日。
娘がハマっていた乙女ゲームの世界かもしれないと気がついた。
娘はネット小説もよく読んでいた。 小説は娘に勧められ、書籍化したものを一回全部読んだ。
何だか西洋風で貴族とか王族が出てくるのだ。
女の子は王子様好きねーって思いながら読んだのを覚えている。細かい名称は覚えていないがヒロイン、ヒーロー、悪役令嬢が出てくるような作品だった。
記憶を取り戻してからの3年間、勉強や魔法の練習、公爵令嬢としての作法の他に体術やこの国の情報収集に努めた。
なぜなら、この国の第一王子が同じ年だと分かったからだ。
12歳に王子の婚約者候補となる令嬢を集めてのお茶会に参加し、そこで初めてここは乙女ゲームの世界か小説の世界なのでは?と思い当たった。
第一王子は綺麗な子どもだった。金髪碧眼で整った顔立ち。女の子が好みそうな外見と身分、優しい性格に、ヒーローだと確信した。
お茶会中は常に穏やかな笑みをたたえ、強く自己主張することもなく、感情の起伏もあまり無さそうにみえた。良い子という印象。
私は特に会話することもなかったが…
公爵令嬢で同じ年の私は残念な事に婚約者候補の筆頭。
まるで悪役令嬢?と思い至り、今後の事を考えて情報収集や味方づくりに奔走した。
私の前世の記憶を話して協力を求めたのは侍女のミリーと庭師のロイズだ。
ミリーは私の護衛も兼ねており剣の腕がたつ。
またロイズも諜報員を兼ねており、身体能力とともに魔法にも秀でている。
我が家には優秀な使用人が多い。
というのも、我が公爵領には隣国と国境を接する場所もあるため、日本でいう外務大臣のような役割を父が担っており、諜報部や軍の保持も許されている。
私が誘拐されれば、他国への交渉材料にされかねないため、私の周囲の使用人は護衛も兼ねることになる。
辺境泊も軍の保持が許されているが、魔の森に隣するため、諜報部などは持たない。
そのような事情もあり、王家は我が公爵家との繋がりを大切にしている。反旗を翻さないように。
だから私が第一王子の婚約者候補筆頭となるわけだ。
前世の記憶がある私には第一王子であるアルバートには何の恋愛感情もない。
何とか婚約者にならないように両親に働きかけ王子の婚約者は決まっていない。
この国では後宮があり、王家は側室を3人迎えることが出来る。その他にも愛妾などが後宮に住んでいる。王家や上位貴族は魔力が高いせいで妊娠しにくいみたい。
そんなの現代日本の価値観で育った私には無理。だから王家には嫁ぎたくない。
あと、閨での作法も私には…
男性の魔力、体力が充分な時に受精しないと、強い魔力の子が出来ないって信じられている。
閨では、準備、後片付けはすべて女性。自分で身体の準備を整え、相手の身体にもやる気?を出させ、騎乗位でいたすのだ。終わった後の後始末も女性が行い、男性はベッドで仰向けになったまま。体力の消費を最小限にして、次の女性の元へ向かう。
夜伽のある日は男性は執務の調整がなされ、一日ゆったりと過ごす。執務の調整が出来る日は限られるため、その日は何人もの女性を渡り歩くそうだ。一晩に何回もしたら薄まるんじゃ?と思うが、それが代々続いてきたそうだ。
王族の閨事情をよく調べられたなと感心するが、執務調整が入る段階で城で働くものたちは感づくようだ。
それをミリーから聞いた時、ちょっとどころでなく無理だと感じた。
この国の高位貴族の女性にはそれが当然の事と受け止められている。高位貴族も魔力が高い人が多いため、王族程ではないが、愛妾を持つことはよくあるそうだ。
好きな人が他の女に通うの容認なんて出来ない。私は嫉妬深い。そこは悪役令嬢らしいと思う。
そして閨、自分で全部するって、あり得ない。
今世の名前はレティシア・ファーマイド。
ファーマイド公爵家の一人娘。2つ下の弟はシリス。ここは大陸の中程に位置するティネス王国。
記憶が戻ったのは12才の誕生日。
娘がハマっていた乙女ゲームの世界かもしれないと気がついた。
娘はネット小説もよく読んでいた。 小説は娘に勧められ、書籍化したものを一回全部読んだ。
何だか西洋風で貴族とか王族が出てくるのだ。
女の子は王子様好きねーって思いながら読んだのを覚えている。細かい名称は覚えていないがヒロイン、ヒーロー、悪役令嬢が出てくるような作品だった。
記憶を取り戻してからの3年間、勉強や魔法の練習、公爵令嬢としての作法の他に体術やこの国の情報収集に努めた。
なぜなら、この国の第一王子が同じ年だと分かったからだ。
12歳に王子の婚約者候補となる令嬢を集めてのお茶会に参加し、そこで初めてここは乙女ゲームの世界か小説の世界なのでは?と思い当たった。
第一王子は綺麗な子どもだった。金髪碧眼で整った顔立ち。女の子が好みそうな外見と身分、優しい性格に、ヒーローだと確信した。
お茶会中は常に穏やかな笑みをたたえ、強く自己主張することもなく、感情の起伏もあまり無さそうにみえた。良い子という印象。
私は特に会話することもなかったが…
公爵令嬢で同じ年の私は残念な事に婚約者候補の筆頭。
まるで悪役令嬢?と思い至り、今後の事を考えて情報収集や味方づくりに奔走した。
私の前世の記憶を話して協力を求めたのは侍女のミリーと庭師のロイズだ。
ミリーは私の護衛も兼ねており剣の腕がたつ。
またロイズも諜報員を兼ねており、身体能力とともに魔法にも秀でている。
我が家には優秀な使用人が多い。
というのも、我が公爵領には隣国と国境を接する場所もあるため、日本でいう外務大臣のような役割を父が担っており、諜報部や軍の保持も許されている。
私が誘拐されれば、他国への交渉材料にされかねないため、私の周囲の使用人は護衛も兼ねることになる。
辺境泊も軍の保持が許されているが、魔の森に隣するため、諜報部などは持たない。
そのような事情もあり、王家は我が公爵家との繋がりを大切にしている。反旗を翻さないように。
だから私が第一王子の婚約者候補筆頭となるわけだ。
前世の記憶がある私には第一王子であるアルバートには何の恋愛感情もない。
何とか婚約者にならないように両親に働きかけ王子の婚約者は決まっていない。
この国では後宮があり、王家は側室を3人迎えることが出来る。その他にも愛妾などが後宮に住んでいる。王家や上位貴族は魔力が高いせいで妊娠しにくいみたい。
そんなの現代日本の価値観で育った私には無理。だから王家には嫁ぎたくない。
あと、閨での作法も私には…
男性の魔力、体力が充分な時に受精しないと、強い魔力の子が出来ないって信じられている。
閨では、準備、後片付けはすべて女性。自分で身体の準備を整え、相手の身体にもやる気?を出させ、騎乗位でいたすのだ。終わった後の後始末も女性が行い、男性はベッドで仰向けになったまま。体力の消費を最小限にして、次の女性の元へ向かう。
夜伽のある日は男性は執務の調整がなされ、一日ゆったりと過ごす。執務の調整が出来る日は限られるため、その日は何人もの女性を渡り歩くそうだ。一晩に何回もしたら薄まるんじゃ?と思うが、それが代々続いてきたそうだ。
王族の閨事情をよく調べられたなと感心するが、執務調整が入る段階で城で働くものたちは感づくようだ。
それをミリーから聞いた時、ちょっとどころでなく無理だと感じた。
この国の高位貴族の女性にはそれが当然の事と受け止められている。高位貴族も魔力が高い人が多いため、王族程ではないが、愛妾を持つことはよくあるそうだ。
好きな人が他の女に通うの容認なんて出来ない。私は嫉妬深い。そこは悪役令嬢らしいと思う。
そして閨、自分で全部するって、あり得ない。
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