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挿話(王太子妃セイディ)
しおりを挟む王太子妃セイディは隣国ルーベスから嫁いできた銀髪の少女。
容姿こそ美しいが、嫁いできた当初はそれほど大歓迎されていた訳ではない。
かつて文化水準の低かったルーベス王国を嫌う国民もいたからだ。
けれど彼女は徐々に国民の人気を得ていった。
ルーベス王国からの持参金の一部を孤児院に寄付したり、災害地にも積極的に赴いた。お高くとまることなく、貧しい人たちの声に耳を傾ける姿勢に国民たちは心を動かされた。
そしてフィオレンティナ姫とルーファス王子を生んだ後、彼女は子供たちを視察に同行させた。
かつての王族では考えられない事。
仲睦まじい王太子夫婦を直接見た国民は、セイディや子供たちに親しみを感じ、その成長を喜んだ。
国民に寄り添う姿勢を見せるセイディと共に、空色の髪をもつフィオレンティナ王女と美しい金髪のルーファス王子は大人気。
その姿絵は飛ぶように売れた。
そして王太子妃セイディの子育てにも注目が集まった。乳母やナニーに任せきりではなく、夫婦で子育てする方針は賞賛を浴び、セイディの人気は王太子レオポルドを凌ぐほどになっていった。
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