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ローズの気持ち
しおりを挟む「ローズ、そのネックレス素敵ね。誰かの贈り物?」
「フフッ、今の恋人よ」
「へぇ、誰よ?ローズのハートを射止めた幸運な男性は?」
「内緒っ」
有名ブランドの新作ネックレス。
こういう物って、いい女にこそ似合うのよね。
あんまりおおっぴらには言わないけれど、私は自分の容姿には自信がある。
結婚するなら、その辺にいる普通の男じゃ無くて、上等な男じゃないと釣り合わない。
友人たちからも、私は絶対に良い男を掴まえそうって言われているし、妥協するつもりはない。
メゾン・ラウルスのオーナーであるテオは結婚しているけどイイ男。イケメンで背は高いし、顔立ちだって整っている。
彼の奥さんは野暮ったい田舎者だって聞いたから、早く離婚して欲しいな。
*⋆꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈໒꒱⋆*
「ねぇ、テオ、まだ奥さんは離婚してくれないの?」
「ああ。もうすぐ息子も寄宿学校に入るし、そろそろ離婚出来るだろう」
「うふっ。やっとテオと一緒になれるのね」
「そうだな」
最近、テオは私とあまりデートしてくれなくなった。
それでも、定期的に会ってやる事はやっているし、クリスマスは必ず私と過ごしてくれるから、彼の本命は私だと思う。
他に女の影も無いし、野暮ったい奥さんに今更夢中になるなんて思えない。ただ、恋の最初の頃の熱情が冷めて、今は安定期ってとこかな。
私も若さが無くなって以前のようにはモテなくなったし、そろそろ結婚したい。
けど、あの奥さんなかなかしぶとくて困る。
テオのバッグに私のピアスを入れたり、服に香水を付けたり……。絶対女の存在に気付いているはずなのに、離婚しようとしないなんて……。
やっぱり、テオほどの男は手放したくないのかしら?
愛されてもいないのに、みっともない。
「今年のクリスマスは家族で過ごす」
「ええっ!何でよっ?」
「家を建て直して新築祝いを兼ねているんだ。来年には息子が寄宿学校に入るし、今年だけだ」
「嫌よっ。クリスマスだけは私と過ごすって約束じゃない!」
「ローズ、理解してくれ。そんなわがまま言われても困るんだ」
そしてクリスマス。
テオは家族と過ごすと言って帰ってしまった。
もう、おとなしくしているのは止めた。
いつまでも日陰の身でいるつもりは無い。
奥さんに私達の関係をバラしてやる。そうしたら、きっと彼は離婚される。
テオは少し怒るかもしれないけど、いずれ別れるつもりなんだし。遅かれ早かれ、よね?
これで彼は私のもの。
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