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じゅー!
しおりを挟む※ 雰囲気ぶち壊しυ
ピキリと音がするくらいの勢いでヴィンスさまが固まった。
んん?
想像していた反応と違う。
『めちゃめちゃにしてぇ』は夜を盛り上げるための定番のセリフ。なのに……?
キョトンとしているとヴィンスさまは「分かっているのか……?」なんて呟いている。
もちろん分かっていますとも。
大好きなヴィンスさまとの初夜を最高の想い出にしたい。
でも……
実は私には不安があった。
不感症かもしれないっていう不安……。
感度を上げるために自慰をしてみようと閨本を片手にその図の通り女体の性感帯を触ってみたけど、痛いだけで……。
ヴィンスさまに、不感症だっていうのを気付かれたくなかった。
愛され妻を目指すんだから!
適度な恥じらい。そして、夫だけに見せる淫らな姿。そのギャップに多くの男性は萌えるのだという。
夜伽の心得を実践しなければ……。
気を取り直したヴィンスさまが、私の胸を優しく揉みしだく。
私は意識を集中してその時を待った。
今だ!
「ああ~ん。うふ~ん」
ヴィンスさまの指が、胸の突起に触れるタイミングで、身をくねらせて声を上げた。
「……」
ヴィンスさまの手が止まる。
そして、向けられる疑惑の目。
あれ?
声が大き過ぎたかも……。
続けられる愛撫に合わせるよう矯声を上げるタイミングを待つ。
そして……ヴィンスさまが秘裂に指を這わせた瞬間
「あっはぁーん。いくぅ~」
手足をバタバタと動かし、絶頂をむかえる演技を頑張った。
すると突然ヴィンス様が手を止めて身体を離し、頭に手を当て深く息を吐いた。
ん?
「フロウ、演技してる?」
バレちゃった!
やっぱりわざとらしかったのかしら?
「……ごめんなさい。閨本で、ベッドでの振る舞いは勉強したのですが……」
「……勉強って」
「だって……私、ヴィンスさまと仲の良い夫婦になりたいんです。初夜が上手くいかなくて嫌われたらどうしようって。だから……」
「声の出し方を勉強したの?」
「は、はい。間違っていましたか?」
「……いや……間違っては無いし、俺のために頑張ってくれるのは嬉しいけど」
ヴィンス様は頭を抱え暫く考え込んだ後、寝室の奥に消えると暫くして紐を持って現れた。
「フロウの素の反応が見たいから、少し動きを封じるよ」
ええ?
☆
私は手足を広げた状態で、ベッドに括り付けられてしまった。
「え?そんな……」
「めちゃめちゃにしてって言っただろ?」
ヴィンスさまはちゃんと柔らかい素材の紐を用意してくれたけど、意外にきちっと結ばれていて動けない。
いつも穏やかで優しいヴィンスさまが少し意地悪に見えた。
恥ずかしい。なによりこれじゃイク演技が出来ない。どうすればいいの?
全く抵抗が出来なくなった私をヴィンス様が見下ろす。じっとりとした視線。まだ、大切な所は薄衣で隠れているけれど、このまま脱がされたら隅々まで見られちゃう。
「いいね?閨教育の内容は忘れるんだ」
「……?」
(どうして?)
「演技出来ないようにするよ」
私は更に目隠しをされ小さな布を噛まされた。
見えない。動けない。声を出せない。
ベッドの軋む音が聞こえ、ヴィンスさまが私に覆い被さった気配がする。
「ぅ゛ーーっ」
突然耳に生温かい何かが触れ、変な声が出そうになるが、その声は布の隙間から微かに漏れるだけだった。
続く耳への不思議な感触とくちゅくちゅ響く淫らな音。
今度は鎖骨を撫でられて、続けて身体のあちこちを優しい手つきで触られた。
「ん゛……っーー」
どうしよう!擽ったいから逃げたいよー。
※ようやく最初のシーン。
次回からはR18エロ注意です。
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