私が大聖女の力を失った訳

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番外編③※R18

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ノヴァ視点

 長く想い続けたフェリが今、俺の腕の中にいる……。はじめはガチガチに緊張して小刻みに震えていた彼女が、今では俺の胸に頬を当ててほっと力を抜いている。それが堪らなく可愛い。

「フェリ、キスは慣れた?」

 彼女が恥ずかしがるのを知っていて、わざと至近距離で目を合わせる。
 キスを何回もしたせいか、赤く腫れた唇は艶やかにしっとりと濡れていた。

 美味しそうでーー

「……ぁ……ン」

 質問したくせに答えを待たずに口づける。フェリの甘い唇を堪能しながら、頭の中では『女性の身体の準備が先』という会話を思い出していた。

 騎士団の中では猥談を好む奴も多い。
 確か『挿れる前に女性には身体の準備が必要だ』なんて言ってた。濡れる前に挿れると、女性に嫌がられるそうだ。
 乱暴で娼館すら追い出される奴もいた。

 その頃の俺は未来のことなんて考えられなくて、話を殆ど聞いて無かったことが悔やまれる。

 白く細い首筋に唇を押し付け、チラチラと舌で擽ると、フェリは鼻に抜けるような声を漏らしてぶるりと小さく身震いした。

「フェリ……可愛い……。」

 ささやかで柔らかい胸を揉みほぐしながら、指の腹で捏ねるように先端を押し潰す。

「……っあん……ッ」

 フェリが背中を仰け反らせ、甘い艶声をあげるのが嬉しくて、頭を胸元に押しつけるように抱き込んだ。

「ねぇ、どこが気持ちいいか教えて……。」

 耳許に顔を寄せ少し意地悪な声で囁く。
 彼女の頬は上気し、瞳は涙で潤んでいるのが堪らない。その涙を掬うようにぺろりと舐めた。

「っん……。」
「フェリのここ、硬くなってきたよ」

 言いながらくにくにと胸の先端を執拗に弄る。
 彼女の反応は分かりやすくて、気持ち良い時にびくりと身体に力がはいる。俺はつんと勃ち上がった先端をわざと避け、乳輪の周りだけに優しく舌を這わせた。

「……む、胸を……ッ」

 潤んだ瞳で、恥ずかしそうに乞われ、胯間の熱杭が痛いほどに持ち上がる。

「胸、ここ?」

 俺を待つよう健気にしこった先端を、咥内に含んで貪るように舐めしゃぶる。

「……ふぅーん……ン……あっ……だ……め」

 快感を逃すように、いやいやと首を振る彼女の顎を捉えて唇を強く重ね合わせる。
 フェリーー
 俺の最愛。

 彼女は時々驚くような事をする。シレークスに来たのもそうだし、自分の命を投げだして俺を助けようとしたことにも驚いた。そして、結婚式のキスも。
 けれど、俺の下で喘いで身を捩るフェリは、ひどく扇情的でか弱くみえた……。

「……ん……っは……あん……っ。」

 唇から漏れる彼女の声は、いつもの彼女からは想像出来ないほど艶めかしい。

 清らかな彼女をこんなに淫靡に変えたのは自分だと思うと、股間が滾る。
 すべすべの背中を撫でてから背骨を辿るように指を滑らせた。

「……ぃや……くすぐったい……。」

「くすぐったいだけ?」
 
「……ぅうん、気持ちいい……。」
 
 なんて素直で可愛いーー

 彼女の肌は温かくてふにふにしてて、ずっと触っていたいほど心地良い。彼女も俺に触れられるのが気持ち良いのか、身を委ね、時折声を漏らす。

「はぁー、フェリ……全部柔らかくて……。いい匂い……。」

「……っん……恥ずかし……っ。」

 太腿を撫で臀部を辿り、時折身体がびくりと反応すれば唇を寄せその白い肌に痕をつける。

 フェリが可愛いやきもちをやいてくれたことが嬉しかった。ずっと気になっていた。女慣れしていそうなビクター殿下にフェリは触れられたりしなかったのだろうか?フェリのことは信じているのに、俺のものだという証を刻みたくなる。

「ごめん、フェリ……。」

 小さく呟く。こんな嫉妬深い俺を受け入れて……。君に俺を求めて欲しい。
 ドロドロになるまで感じて俺を受け入れてーー。

 太腿を撫でていた手を彼女の下着の中に忍び込ませるとくちゅりと湿った水音が響いた。

 ーー濡れてる。
「あっ……。ノヴァ……」

 フェリは恥ずかしそうに身体を強張らせた。

 俺の愛撫で感じてくれたんだ。
 喜びと同時に嗜虐心がわき上がる。

「……すごい濡れてる。ぐしょぐしょだよ」
「……いや……」

 わざと下品な言い方で羞恥を煽ると彼女は堪えるように、ぎゅっと瞳を閉じる。

「いやじゃない。俺を見て……」

 秘所にある敏感な粒を探り当て、嬲るようにぬるぬると捏ねる。気持ち良さに喘ぐ彼女の表情をじっくり見つめて堪能する。

 俺の……可愛い……フェリ……。

 そろそろほぐれたか?
 彼女のぬかるんだ蜜壺につぷりと中指の先端を埋めると、彼女のナカは熱くて……ぐぐっと指を締め付けた。
 
「……狭い……。」

 この小さな身体と、狭い隘路で俺を受け入れられるのか?
 不安がよぎるーー

 その時不安そうに俺を見つめる彼女と目が合った。

「大丈夫。初めては狭いものだ。」

 経験なんて無い癖に、安心させるようにフェリに囁く。とにかく、ここを柔らかく解さないと……。

 ぐいっと押さえるように彼女の足を開いてそこに自らの身体を入れた。

 薄い下這えの奥にある、ぴったりと閉じた慎ましやかな割れ目……。

「ここも可愛い……」

 俺を誘うように切なげに息づく花芽に口づけを落とす。
 全部味わいたい。
 もう止まらない。
 俺は恥ずかしがる彼女の足を押さえて秘壺に顔を埋めた。

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