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主要団員選抜団体戦

総当たり戦―後編

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 私とアイカさんとのチームでの対戦に発展してしまいました。団長どうしの戦いという事で外野は、負けて訓練が決まりうちひしがれていたのに盛り上がってきました。指笛や歓声に罵声も混じってえらい盛り上がりです。こうなってしまったら、とことん戦うしかありませんね。

「アカリちゃん、さあ戦闘トークの時間だよ。力で語り合いましょう」

 アイカさんは戦慄しそうな笑みを浮かべて舌舐めずりしています。あれは、本気です。マジです。気を引き締めなくては。

「はい、頑張りますよー!」


 お互いにチームの連携のために牽制するようにジリジリと歩を進めます。

った!」

 ナタシャが、相手の魔術師を不意を打ち昏倒させました。流石です!

「疾っ!」

 私はそれに気をとられた相手のスカウトを体術で近付き鳩尾に掌打を叩き込みました。やはり、この女の子がアイカさん以外で一番タフだ。耐えたようなので、私は離れて斬心。

「そこそこチームの連携がいいようね」

 アイカさんは余裕綽々といった威風だ。まだまだこれから、こんなに、簡単には沈みませんよね。一人は昏倒までいけましたが。あとの三人はアイカさんを信頼してか余裕そうです。

「火の陣!」

 アイカさんはそう叫んで命令しました。なんでしょうか?

「――っ?!」

 一斉に魔術を放ってきました! しかも、強烈です。殺す気ですか?! 避ける間もなく被弾した仲間たちが膝をつきました。やりますね。ですが、私も大魔術は練習しました――死なないでくださいね?

「大いなる竜の爆炎よ!」

 魔力に任せて放ちます。これくらいならば死なないと制御しながら。マーリンとは違うから!

「「「ぐっあー!」」」


 アイカさんは耐えましたが、他は衣服は無事という不思議現象が、ありますが耐えきれなかったようでプスプスと煙を口から吐いています。

「一騎討ちね!」

 片手剣を抜いて、アイカさんに襲いかかります。しかし、攻めきれない。捌かれてしまいます。逆に押されぎみです。経験が違いますからねっ……。

 ならば、気を練り強化です。素早さを強化して攻めます。手数で勝負です!

「くっ――!」

 捌ききれなくなりましたね? 終わりです!


「破っ!」

 ロングソードを跳ね上げて、胴体ががら空きです。今はガチガチの鎧ではないので。

「ぐぁっ!」

 ほら、気を練った掌打をモロに食らわせられました。

「勝負あり!」

 国王が宣言して終わりです。ちょっと疲れましたね。いい汗をかきました。イオリたちとのレベル1での訓練より楽でしたが。

 さあ、後は事後処理ですね。どう納めましょうか?
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