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77 神々の戯れ→運営③ とある患者の感想
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私は、とある病気が原因で寝たきりになっていました。
脳の病気が原因で、意思疎通ができなくなっていて、でも、それ以外が普通な状況。
周囲の音も聞えていたけれど、周りの人はそれに気がついた感じがない。
いわば、孤独な状況。
そんな時、転院が決まったというお話。
転院先は、どこかの研究所という話を聞いて、不安に思った。
実験台になっちゃうのかな?
切り刻まれちゃうのかな?
とても不安だった。
転院で、研究所内に入ったのは、雰囲気で分かった。
「聞えているはずよね?」
「脳波の波形から、聞えているはず」
「では、私はこの研究室で責任者をしています。この度、家族の了解の元、脳にあるネットワーク…ニューロンの再建を行う術を試行することになりました。現状、他に有効な手段がないので、手探りに近い状態になりますが、成功すれば、以前と全く同じに近い日常を送ることができます」
「大丈夫。波形は出てる。続けて」
「この術は、身体はもちろん脳にも負担が少ない方法を採用しています。具体的には、こちらが用意した世界へ、転生という形で入って頂きます。ただし、病気で寝ているという事実とは異なった背景を設定します。そちらで、行動することで、ある程度の回復は期待できますが、条件を設定させて頂き、その条件を満たした場合は、こちらの方へ戻って頂けるだけです」
…何のこと?
私が消えるということ?
本当なら、ちょっとしたパニックになるのかもしれないけれど、今の私はそのパニックすら起きづらい状態。
ちょっと混乱していたけれど、結局???って感じで、終了。
「では、始めます」
脳波を見ていたと思う機械から、ちょっと強めの刺激が来る。
そして、私は夢を見始める。
乙女ゲームという名のゲームの中で、公爵令嬢になっているという夢を。
何回も巡った。
ただし、本当の私を知らないまま。
何故か死んで、その世界に転生したと思い込まされていた。
そして、あの時が来た。
私が、本当の私になるときが。
もう1人の王さまと王妃さまが、ご褒美と称して、私に元の世界に転移できる。
転生できるようにしてくれるって。
実際のところ、転生ではなくて、治療完了とリハビリ開始の意味だったのだけれど。
一緒にクリアした男爵令嬢の女性も、同じ研究所だったから、2人でリハビリを頑張った。
ゲームの世界で会った人、全員がこの研究所にいる訳ではないと聞いた。
誰が、病気でなのかは聞いても、個人情報だからという理由で教えてくれなかった。
でも、2人で頑張ったおかげか、リハビリ終了も同じ。
ゲーム内での対立から始まった関係は、今、かけがえのない親友を得たという結果を生んだ。
それにしても、特別なゲームじゃなくて、一般に出回っているゲームに入れるなんて、どうかしてない?
登場人物が私たちのような病人で
育成介入&普通にファンタジーが、ユーザー
王さま、王妃さまが、運営。
ナゾの者とか勇者とかもユーザーだったんだけど、いわゆるヘビーユーザー。
別の意味で病気という。
そのゲーム。
普通にやってみたいね…と、お姉さんと話してた。
あ、お姉さんというのは、元男爵令嬢さん。
私よりも、少しだけ年上だったの。
脳の病気が原因で、意思疎通ができなくなっていて、でも、それ以外が普通な状況。
周囲の音も聞えていたけれど、周りの人はそれに気がついた感じがない。
いわば、孤独な状況。
そんな時、転院が決まったというお話。
転院先は、どこかの研究所という話を聞いて、不安に思った。
実験台になっちゃうのかな?
切り刻まれちゃうのかな?
とても不安だった。
転院で、研究所内に入ったのは、雰囲気で分かった。
「聞えているはずよね?」
「脳波の波形から、聞えているはず」
「では、私はこの研究室で責任者をしています。この度、家族の了解の元、脳にあるネットワーク…ニューロンの再建を行う術を試行することになりました。現状、他に有効な手段がないので、手探りに近い状態になりますが、成功すれば、以前と全く同じに近い日常を送ることができます」
「大丈夫。波形は出てる。続けて」
「この術は、身体はもちろん脳にも負担が少ない方法を採用しています。具体的には、こちらが用意した世界へ、転生という形で入って頂きます。ただし、病気で寝ているという事実とは異なった背景を設定します。そちらで、行動することで、ある程度の回復は期待できますが、条件を設定させて頂き、その条件を満たした場合は、こちらの方へ戻って頂けるだけです」
…何のこと?
私が消えるということ?
本当なら、ちょっとしたパニックになるのかもしれないけれど、今の私はそのパニックすら起きづらい状態。
ちょっと混乱していたけれど、結局???って感じで、終了。
「では、始めます」
脳波を見ていたと思う機械から、ちょっと強めの刺激が来る。
そして、私は夢を見始める。
乙女ゲームという名のゲームの中で、公爵令嬢になっているという夢を。
何回も巡った。
ただし、本当の私を知らないまま。
何故か死んで、その世界に転生したと思い込まされていた。
そして、あの時が来た。
私が、本当の私になるときが。
もう1人の王さまと王妃さまが、ご褒美と称して、私に元の世界に転移できる。
転生できるようにしてくれるって。
実際のところ、転生ではなくて、治療完了とリハビリ開始の意味だったのだけれど。
一緒にクリアした男爵令嬢の女性も、同じ研究所だったから、2人でリハビリを頑張った。
ゲームの世界で会った人、全員がこの研究所にいる訳ではないと聞いた。
誰が、病気でなのかは聞いても、個人情報だからという理由で教えてくれなかった。
でも、2人で頑張ったおかげか、リハビリ終了も同じ。
ゲーム内での対立から始まった関係は、今、かけがえのない親友を得たという結果を生んだ。
それにしても、特別なゲームじゃなくて、一般に出回っているゲームに入れるなんて、どうかしてない?
登場人物が私たちのような病人で
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王さま、王妃さまが、運営。
ナゾの者とか勇者とかもユーザーだったんだけど、いわゆるヘビーユーザー。
別の意味で病気という。
そのゲーム。
普通にやってみたいね…と、お姉さんと話してた。
あ、お姉さんというのは、元男爵令嬢さん。
私よりも、少しだけ年上だったの。
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