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37 王さまと王妃さま・① 傑作!
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「あっはっはっ」
「おほほほ」
高笑いしているのは、王と王妃。
他には誰もいない場所で笑っている。
ここは、王城内でも特別な場所で、王族でも王と王妃だけしか入ることが出来ない場所。
最も、この場所があること自体が秘匿情報なのだが。
「みたか?あの間抜け面」
「ダメですよ。そんなこと言っちゃ」
今、見ているのは王子…王太子として育てられ、次期王となる、その人である。
「なあ、宣言するの早すぎたよな」
「まぁ、世間体もありますから、早すぎてもいいのですよ」
「そんなもんか?」
「まぁ、実質的に、どちらの権力が強いのかなど、平民はもちろん貴族も知っていますよ」
この夫婦。
対外的には、表で取り仕切っているのは、王。
裏や各種の工作を担当。
実質的なトップは、王妃である。
どちらに権力が集中しているかなど、一目瞭然。
ただし、それを指摘したりするのはNGである。
闇に消された人物は…
「私たちのようになれればいいし、もし、そうならなければ廃嫡してしまいましょう」
「滅多なこと言わないでくれ」
「ふふ」
王太子は、れっきとした彼らの子どもである。
しかし、公爵令嬢は王弟の娘に当たることから、王位継承権を持っている。
しかも、第2位。
王弟自身は、
「そんな面倒くさいのはパス。継承権も娘にやるよ」
その言葉で、王太子の第1位に次いだ継承権になった。
ただ、当人達は知らない。
王太子と公爵令嬢の婚約すら、カモフラージュの1つだった。
次期王にどちらがふさわしいか、その都度この部屋から見ていた。
もっとも、今回は婚約すらしていない。
この部屋。
王城はもちろん、城下町に張られた結界の中で起きたことを全て見ることができる。
いわば、監視装置の最上位端末である。
結界内の魔力調整も行っている。
公爵令嬢の魔力増強についても見ていたが、なぜ急激に魔力が上がったのは分からなかった。
しかも、全属性だという。
男爵令嬢の無属性魔法もナゾ。
将軍の息子の空中浮遊もナゾ。
監視装置を持ってしても、ナゾはナゾで、裏を動員しても、ナゾは深まるばかりだった。
まぁ、推測はついていた。
アレだなと。
「おほほほ」
高笑いしているのは、王と王妃。
他には誰もいない場所で笑っている。
ここは、王城内でも特別な場所で、王族でも王と王妃だけしか入ることが出来ない場所。
最も、この場所があること自体が秘匿情報なのだが。
「みたか?あの間抜け面」
「ダメですよ。そんなこと言っちゃ」
今、見ているのは王子…王太子として育てられ、次期王となる、その人である。
「なあ、宣言するの早すぎたよな」
「まぁ、世間体もありますから、早すぎてもいいのですよ」
「そんなもんか?」
「まぁ、実質的に、どちらの権力が強いのかなど、平民はもちろん貴族も知っていますよ」
この夫婦。
対外的には、表で取り仕切っているのは、王。
裏や各種の工作を担当。
実質的なトップは、王妃である。
どちらに権力が集中しているかなど、一目瞭然。
ただし、それを指摘したりするのはNGである。
闇に消された人物は…
「私たちのようになれればいいし、もし、そうならなければ廃嫡してしまいましょう」
「滅多なこと言わないでくれ」
「ふふ」
王太子は、れっきとした彼らの子どもである。
しかし、公爵令嬢は王弟の娘に当たることから、王位継承権を持っている。
しかも、第2位。
王弟自身は、
「そんな面倒くさいのはパス。継承権も娘にやるよ」
その言葉で、王太子の第1位に次いだ継承権になった。
ただ、当人達は知らない。
王太子と公爵令嬢の婚約すら、カモフラージュの1つだった。
次期王にどちらがふさわしいか、その都度この部屋から見ていた。
もっとも、今回は婚約すらしていない。
この部屋。
王城はもちろん、城下町に張られた結界の中で起きたことを全て見ることができる。
いわば、監視装置の最上位端末である。
結界内の魔力調整も行っている。
公爵令嬢の魔力増強についても見ていたが、なぜ急激に魔力が上がったのは分からなかった。
しかも、全属性だという。
男爵令嬢の無属性魔法もナゾ。
将軍の息子の空中浮遊もナゾ。
監視装置を持ってしても、ナゾはナゾで、裏を動員しても、ナゾは深まるばかりだった。
まぁ、推測はついていた。
アレだなと。
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