1 / 88
1 暗躍する者→男爵令嬢編① 私は、主人公!。
しおりを挟む
乙女ゲーム。
それは、いわゆる成り上がりの男爵令嬢が、身分が上の公爵令嬢に下剋上をすることを言う。
そこでは、身分の低い者が“作った行動”で、面白いように高位貴族が堕ちていく。
まぁ、生まれつき前世の記憶があったし、このゲームもしたことがあったから、途中までは順調に事を進めることができたのだけど。
乙女ゲームは3部作だったけれど、お小遣いが少なかったこともあって、最初だけしか買えなかった。
それでも、シナリオはばっちり覚えているわ。
公爵令嬢は、シナリオ通りに動いたし、王太子や宰相令息、大商人の息子や軍部の将軍の息子、魔王を討ち取った勇者の息子など、よりどりみどりだった。
婚約、結婚、そして王妃。
王妃教育はダメダメだから、私は専ら国王の癒やしとしての公務を行い、外交や内務などは側室にやってもらうつもりだった。
一応、計画は立てたのよ。
乙女ゲームでの最難関は、王妃教育だから。
シナリオでも、王妃で終わっていなかった。
でも、それは第2部で描かれたものだったから、その内容を又聞きして回避方法を考えたの。
最も、婚約式で自爆してしまったのだけど。
ちょっと、公爵令嬢たちの最期を思い出し笑いがてら、どんな事だったのかを口を滑らせたのが原因。
前世での最期の記憶は、王太子が私に剣を振り下ろしている姿。
その一瞬あとに、身体が熱くなって痛む間もなく、貧しかった村で生まれた私になっていたわ。
もちろん、その後に起きた事なんてしらないわ。
村での過ごし方や今後の身の振り方は、前に一度やっているから、それを踏襲すればいいだけ。
少しだけ、魔力はもちろん能力を上げることを忘れずに。
しかし、私が生まれた時から見えるローブを被った人が近くにいる。
男か女か分からない。
声を出していないのに、言葉が聞える。
この人、私以外には見えない・聞えない・知らないらしい。
しかも、どこへ行くにも付いてくる。
これって、背後霊?
ストーカーの強力版のような気がするけれど、なんなのかしらね。
ある時…
『ふむ、右へ行った方が良いだろう』
そんな言葉を聞いたのは、私が裁縫を習うために近くのおばさんの家に行く途中のことだ。
その右道に行くと、何もないはず。
ただし、左道に行くと馬車に跳ねられそうになった際に、私の本当の父親たる男爵と会うはずなのだが…
だから、私は言葉に従わずに左へ行こうとしたのに、いつの間にかに手を捕まれて、ずるずると右側に連れて行かれてしまった。
しかも、振りほどけないと分かるほど捕まれているのに、痕が残っていない。
器用な…
それよりも、男爵と会わなければ、私が貴族になることも出来ない!
どうしてくれるのよ!
『…そのうち、良いことがあるだろう』
そんな言葉を投げてきても、今の私には余裕がなかった。
それは、いわゆる成り上がりの男爵令嬢が、身分が上の公爵令嬢に下剋上をすることを言う。
そこでは、身分の低い者が“作った行動”で、面白いように高位貴族が堕ちていく。
まぁ、生まれつき前世の記憶があったし、このゲームもしたことがあったから、途中までは順調に事を進めることができたのだけど。
乙女ゲームは3部作だったけれど、お小遣いが少なかったこともあって、最初だけしか買えなかった。
それでも、シナリオはばっちり覚えているわ。
公爵令嬢は、シナリオ通りに動いたし、王太子や宰相令息、大商人の息子や軍部の将軍の息子、魔王を討ち取った勇者の息子など、よりどりみどりだった。
婚約、結婚、そして王妃。
王妃教育はダメダメだから、私は専ら国王の癒やしとしての公務を行い、外交や内務などは側室にやってもらうつもりだった。
一応、計画は立てたのよ。
乙女ゲームでの最難関は、王妃教育だから。
シナリオでも、王妃で終わっていなかった。
でも、それは第2部で描かれたものだったから、その内容を又聞きして回避方法を考えたの。
最も、婚約式で自爆してしまったのだけど。
ちょっと、公爵令嬢たちの最期を思い出し笑いがてら、どんな事だったのかを口を滑らせたのが原因。
前世での最期の記憶は、王太子が私に剣を振り下ろしている姿。
その一瞬あとに、身体が熱くなって痛む間もなく、貧しかった村で生まれた私になっていたわ。
もちろん、その後に起きた事なんてしらないわ。
村での過ごし方や今後の身の振り方は、前に一度やっているから、それを踏襲すればいいだけ。
少しだけ、魔力はもちろん能力を上げることを忘れずに。
しかし、私が生まれた時から見えるローブを被った人が近くにいる。
男か女か分からない。
声を出していないのに、言葉が聞える。
この人、私以外には見えない・聞えない・知らないらしい。
しかも、どこへ行くにも付いてくる。
これって、背後霊?
ストーカーの強力版のような気がするけれど、なんなのかしらね。
ある時…
『ふむ、右へ行った方が良いだろう』
そんな言葉を聞いたのは、私が裁縫を習うために近くのおばさんの家に行く途中のことだ。
その右道に行くと、何もないはず。
ただし、左道に行くと馬車に跳ねられそうになった際に、私の本当の父親たる男爵と会うはずなのだが…
だから、私は言葉に従わずに左へ行こうとしたのに、いつの間にかに手を捕まれて、ずるずると右側に連れて行かれてしまった。
しかも、振りほどけないと分かるほど捕まれているのに、痕が残っていない。
器用な…
それよりも、男爵と会わなければ、私が貴族になることも出来ない!
どうしてくれるのよ!
『…そのうち、良いことがあるだろう』
そんな言葉を投げてきても、今の私には余裕がなかった。
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
魔法のせいだからって許せるわけがない
ユウユウ
ファンタジー
私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。
すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
断罪される一年前に時間を戻せたので、もう愛しません
天宮有
恋愛
侯爵令嬢の私ルリサは、元婚約者のゼノラス王子に断罪されて処刑が決まる。
私はゼノラスの命令を聞いていただけなのに、捨てられてしまったようだ。
処刑される前日、私は今まで試せなかった時間を戻す魔法を使う。
魔法は成功して一年前に戻ったから、私はゼノラスを許しません。
私達、政略結婚ですから。
黎
恋愛
オルヒデーエは、来月ザイデルバスト王子との結婚を控えていた。しかし2年前に王宮に来て以来、王子とはろくに会わず話もしない。一方で1年前現れたレディ・トゥルペは、王子に指輪を贈られ、二人きりで会ってもいる。王子に自分達の関係性を問いただすも「政略結婚だが」と知らん顔、レディ・トゥルペも、オルヒデーエに向かって「政略結婚ですから」としたり顔。半年前からは、レディ・トゥルペに数々の嫌がらせをしたという噂まで流れていた。
それが罪状として読み上げられる中、オルヒデーエは王子との数少ない思い出を振り返り、その処断を待つ。
あなたを忘れる魔法があれば
七瀬美緒
恋愛
乙女ゲームの攻略対象の婚約者として転生した私、ディアナ・クリストハルト。
ただ、ゲームの舞台は他国の為、ゲームには婚約者がいるという事でしか登場しない名前のないモブ。
私は、ゲームの強制力により、好きになった方を奪われるしかないのでしょうか――?
これは、「あなたを忘れる魔法があれば」をテーマに書いてみたものです――が、何か違うような??
R15、残酷描写ありは保険。乙女ゲーム要素も空気に近いです。
※小説家になろう、カクヨムにも掲載してます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる