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夜空のかけら

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第26話 ギルド合同会議

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 塩山関係の依頼に連なる事情説明などを目的とした、8つの近隣ギルド合同会議を行うことになった。

 塩山の代理人を通じて、ギルドに対して3段階の依頼があったのち、その後の進展により依頼自体が無効となったため、取り扱いについて検討することとなったのだ。

 当事者である、塩山の代理人は辞職したらしく、ここにはその塩山の主…彼女?と彼女曰く夫と言われている、オリオン・スパイシーが来ている。

***

 「今回の議事進行は、私。白い海の街冒険者ギルドのセレネが行います」

 そんな挨拶とともに、ギルド合同会議が始まった。

 「まず、今回の会議に当たり、今回の議題において重要な人物であるお二方のご紹介からさせて頂きます」

 そう言われても、挨拶するのは、俺だけ。
 彼女は何も言わずに分厚いローブーのフードの中に頭を入れたまま動こうとしない。近くに寄っても、そのまま動いていない様に見えるのだが、実は周囲に、いくつかの精霊たちが飛んでいる。俺にも、精霊がべったりくっついているのは、最近の日常だが、これで相手が何を考えているかやこちらに不都合な合意形成を妨げることをしている。

 「オリオン・スパイシー様とその奥様でいらしゃいます」

 何だって?奥さん??
 いや、驚いている場合じゃないか。

 「あ~、ご紹介に預かりました、オリオン・スパイシーです。こちらは、幼なじみの”彼女”です。」

 普通、”彼女”の名前を付けるのが普通なのだが、とある事情から、彼女の名前を言うことを禁じられている。彼女の名前を言えるのは、真の意味で2人だけの場合で、こういった人前では厳禁なのだ。
 まぁ、こっちも偽名だから、本来は”彼氏”になるのかもしれないな。

 「奥様のご紹介ともども、オリオン様ありがとうございます」

 うん、無視されたようだ。
 いつもと同じだね。

 隣の彼女を見れば、温かな気持ちが伝わってくるようだ。
 きっと、作戦成功だと思っているんだろうね。

 「さて、先般こちらの塩山の主様より出されました依頼におきまして、依頼遂行の前段階における募集がスムーズに出来なかったこと、命令拒否が多かったこと、全ての依頼を受けなかったことによるペナルティーなど、山積する問題が生じました。個々のギルドでの対応よりも、8つのギルドで一括して交渉した方が効率が良いと判断し、今回の合同会議に出席をお願いしました。つきましては、こちらからのペナルティーに対する回答を言いたいと思いますが、よろしいですか」

 「とりあえず、内容を聞きますので、どうぞ」

 こちらとしては、金銭での解決を考えていた。同居するとした時に、お祝いだから~と言うことで、話がまとまっていたからだったが、もちろん、安い金額にするつもりはない。

 「ありがとうございます。こちらとしては、現状を鑑みて、依頼に対するペナルティーはなくてもいいのではないかと思っております」
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