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第22話 流体魔方陣
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ヒキルトの集団は、まだ街へ向かうという雰囲気ではなかった。個体数が、やや少ないのが原因のようだが、この時点でも2,000体を超えていることから、一定ランク以上への討伐命令であっても、殲滅は不可能だった。
ヒキルト自体への攻撃も、その特徴から難しいとなれば、取れる手立ては1つしかない。
「湖、広げても構わないよな」
「あまり状況を選べないから、仕方がないわね」
遠くの方に見えるキラキラした湖面を2人で見ながら、
「あれ…、やるか。久しぶりだけどな」
「そうね…、本当に久しぶりだけどね」
二人で顔を見合わせていると、彼女は少し顔を赤らめながら、目を閉じたので、俺がその唇にほんの少しだけ自らの唇を合わせると、周囲に膨大な気配が出現した。
「もう少し…」
そんなことを言っても、この状況はそれを許さない。
その場で、胡座を組み、その後ろから覆い被さるように彼女が寄りかかってくる。
俺たちの周囲には、何も言わずの精霊王たちがいる。
彼らは、俺らの力に引きずられて強制的に引き込んだもの。2人の合算精霊魔法力は、非常識な量だけではなく、質も密度も高いもの。
覆い被さる彼女の体温と身体を感じながらも、意識を身体の外側へ向けていく。
周囲に魔方陣が形成されていく…
いくつもの円形と角形が組み合わされ、始原紋様と言霊も記述されていく。
魔方陣は、地面に描いた1枚ものではない、球体になっている外側と内側の2面に別々の記述が行われる。
周囲の環境の変化に伴い、刻一刻と魔方陣の姿は、微妙に変わっていく。
”流体魔方陣”
周囲の環境の変化を魔方陣に取り込み、目的とする効果を、環境が変化しても、確実に実現するための難易度が高い術。
普通の魔法使いや精霊使いでは、この魔方陣を作るのは無理だろうし、そもそも自分たちだけの魔力や精霊力では、陣形を保てない。
それを2人で陣形の形成から実行までができることから、どんなに非常識な能力を持っているのかが分かる。
周囲に出現した、精霊王たちは、言葉を掛けることも出現した位置から動くこともしない。
今までの出現パターンからすれば、異様な光景かもしれないが、2人が本気になった時に呼び出された場合の対処として過去に学んだ結果。
早い話が、とばっちりに遭いたくないから、口を出さないということなのだが、呼び出された事自体が、すでに迷惑を被っている…とも言える。
ヒキルト自体への攻撃も、その特徴から難しいとなれば、取れる手立ては1つしかない。
「湖、広げても構わないよな」
「あまり状況を選べないから、仕方がないわね」
遠くの方に見えるキラキラした湖面を2人で見ながら、
「あれ…、やるか。久しぶりだけどな」
「そうね…、本当に久しぶりだけどね」
二人で顔を見合わせていると、彼女は少し顔を赤らめながら、目を閉じたので、俺がその唇にほんの少しだけ自らの唇を合わせると、周囲に膨大な気配が出現した。
「もう少し…」
そんなことを言っても、この状況はそれを許さない。
その場で、胡座を組み、その後ろから覆い被さるように彼女が寄りかかってくる。
俺たちの周囲には、何も言わずの精霊王たちがいる。
彼らは、俺らの力に引きずられて強制的に引き込んだもの。2人の合算精霊魔法力は、非常識な量だけではなく、質も密度も高いもの。
覆い被さる彼女の体温と身体を感じながらも、意識を身体の外側へ向けていく。
周囲に魔方陣が形成されていく…
いくつもの円形と角形が組み合わされ、始原紋様と言霊も記述されていく。
魔方陣は、地面に描いた1枚ものではない、球体になっている外側と内側の2面に別々の記述が行われる。
周囲の環境の変化に伴い、刻一刻と魔方陣の姿は、微妙に変わっていく。
”流体魔方陣”
周囲の環境の変化を魔方陣に取り込み、目的とする効果を、環境が変化しても、確実に実現するための難易度が高い術。
普通の魔法使いや精霊使いでは、この魔方陣を作るのは無理だろうし、そもそも自分たちだけの魔力や精霊力では、陣形を保てない。
それを2人で陣形の形成から実行までができることから、どんなに非常識な能力を持っているのかが分かる。
周囲に出現した、精霊王たちは、言葉を掛けることも出現した位置から動くこともしない。
今までの出現パターンからすれば、異様な光景かもしれないが、2人が本気になった時に呼び出された場合の対処として過去に学んだ結果。
早い話が、とばっちりに遭いたくないから、口を出さないということなのだが、呼び出された事自体が、すでに迷惑を被っている…とも言える。
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