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第16話 精霊のお父さん?
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次は、あの山のような視界全部が精霊たちの相手をしなきゃいけないのか。
「えへへ~」
そんな言葉と共に山の精霊たちから、時の精霊王がやってきた。
「あれ?1人だけ?」
「うん。みんなの代表なんだって」
「…、話し方…」
「ちょっと年齢を上げてみました」
時の精霊だけあって、年齢は自由自在。
精霊には、性別もないので、どっちの言い方もできるが、その性質上、女性体が多い。
「代表?」
「うん、代表。それでね、今度から、みんなも『お父さん』って、呼んでもいいかな」
「ま、まぁ、仕方がないな」
そういうと、時の精霊が、みんなの方へVサインをすると…
「「「せーの!」」」
『お父さ~ん、きゃあぁぁあ』
精霊たちが、一斉に俺を「お父さん」呼びをして歓声を上げていた。
歓声が段々小さくなっていく。
精霊たちが、元の場所に戻るように消えていくから。
最後まで残っていたのは、高低の精霊王と星霊王、神霊の10人?
神霊までいるとは、思わなかった。
神霊は、世界樹の上の存在。ほとんど神で、神霊として降りてくることは滅多にない。
俺も見るのは、2回目だったような。
でも、神霊は何も言わずに見つめている。
なぜか、いたずらを我慢しているような雰囲気で…
時の精霊王が、
「これで、名実ともに、今のお父さんから、許可が出ました。ん~、すっごく嬉しいよ。お父さん!」
「今の?」
「そそ、今の。でも、これ以上は教えてあげな~い。」
なんだろう、よく分からないが、もっととんでもないことが起きている。そんな感じがする。
「さてと、私たちも行きますか」
「私のところへ寄って行け。送迎付きだ」
神霊がそういうと、目の前の空間に線状の切れ目が生じ、そこから光が漏れてくる。
おそらく、空間に裂け目を入れて、そこが目的地なんだろう。
「お父さん。またね」
時の精霊王がそう言うと、その切れ目へ飛んでいく。
他の精霊王も俺を「お父さん」呼びしてから、次々と切れ目へ入り消えていく。
最後に残ったのは、神霊。
さっきのいたずら顔を我慢していたのが、爆発したのか、とてもいい顔で…
「ふふ。これで、あいつも文句は言えなくなった。なにしろ、本人が、良いと言ったのだからな。それでは、我が夫よ、しばしの別れだ」
「は?」
疑問を投げた時には、既に空間の切れ目も残光もなく、森の入口に、ぽつんと1人立っていた。
夜の森特有の静けさの中に小さく虫の鳴き声が聞こえる。
「帰るか」
そう、つぶやくと、帰路についた。
「えへへ~」
そんな言葉と共に山の精霊たちから、時の精霊王がやってきた。
「あれ?1人だけ?」
「うん。みんなの代表なんだって」
「…、話し方…」
「ちょっと年齢を上げてみました」
時の精霊だけあって、年齢は自由自在。
精霊には、性別もないので、どっちの言い方もできるが、その性質上、女性体が多い。
「代表?」
「うん、代表。それでね、今度から、みんなも『お父さん』って、呼んでもいいかな」
「ま、まぁ、仕方がないな」
そういうと、時の精霊が、みんなの方へVサインをすると…
「「「せーの!」」」
『お父さ~ん、きゃあぁぁあ』
精霊たちが、一斉に俺を「お父さん」呼びをして歓声を上げていた。
歓声が段々小さくなっていく。
精霊たちが、元の場所に戻るように消えていくから。
最後まで残っていたのは、高低の精霊王と星霊王、神霊の10人?
神霊までいるとは、思わなかった。
神霊は、世界樹の上の存在。ほとんど神で、神霊として降りてくることは滅多にない。
俺も見るのは、2回目だったような。
でも、神霊は何も言わずに見つめている。
なぜか、いたずらを我慢しているような雰囲気で…
時の精霊王が、
「これで、名実ともに、今のお父さんから、許可が出ました。ん~、すっごく嬉しいよ。お父さん!」
「今の?」
「そそ、今の。でも、これ以上は教えてあげな~い。」
なんだろう、よく分からないが、もっととんでもないことが起きている。そんな感じがする。
「さてと、私たちも行きますか」
「私のところへ寄って行け。送迎付きだ」
神霊がそういうと、目の前の空間に線状の切れ目が生じ、そこから光が漏れてくる。
おそらく、空間に裂け目を入れて、そこが目的地なんだろう。
「お父さん。またね」
時の精霊王がそう言うと、その切れ目へ飛んでいく。
他の精霊王も俺を「お父さん」呼びしてから、次々と切れ目へ入り消えていく。
最後に残ったのは、神霊。
さっきのいたずら顔を我慢していたのが、爆発したのか、とてもいい顔で…
「ふふ。これで、あいつも文句は言えなくなった。なにしろ、本人が、良いと言ったのだからな。それでは、我が夫よ、しばしの別れだ」
「は?」
疑問を投げた時には、既に空間の切れ目も残光もなく、森の入口に、ぽつんと1人立っていた。
夜の森特有の静けさの中に小さく虫の鳴き声が聞こえる。
「帰るか」
そう、つぶやくと、帰路についた。
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