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「これを慣れるのか、想像もつかないぞ」
「メリットが無ければそうかもね。でも、レベルを上げないと大変だから。今日は2人でスライム10匹とゴブリン2匹を狩りました。これくらいやっていればレベルも1くらいは上がっているはずよ」
「レベルが上がるのか」
「そうよ。早く宿へ行って確認してみましょう。その前にギルドへも行かないとね」
「そうだな。早く行こう」

一刻も早くこの場所から立ち去りたかった。
またゴブリンと遭遇したら面倒くさいからだが…。

「ちょっとストップ。おかしいわ」
「ん、何が?」
「ゴブリンがまた2匹でいる」
「それのどこが…」
「やっつけるわよ」
「お、おい」

「火炎弾」

火弾に比べて一回り大きい火弾が2匹のゴブリンのうちの1匹に突き刺さる。1発で1匹を倒すともう1匹は逃げてしまった。

「あ、しまった」

逃げ出したことに気がついて、追うのかと思ったが、こっちへ向いて。

「今のうちにここから離れるわよ」

そう言って、音も気にせずにどんどん森から出ることになった。
森から出てしばらくして後ろを振り返る。
森からは何も出てこなかった。
どうやらゴブリンもいないようだ。

「さっきのは何だ」
「あ~変な行動をしているゴブリン達がいたのよ。2匹ずつで6グループ。索敵範囲ぎりぎりに赤い点がびっしり。ゴブリンの村でもできているのか、危険な場所があったの」
「それは怖い」
「街へ行って情報を渡さなきゃ。私たちじゃ対処できない。私たちの異常なスキルは隠さないといけないし」

そうだった。
自分達が容赦なく魔法を放てるなら殲滅も可能だったかもしれない。
でも、火の魔法だけというスキルなら危険は避けるべきだろう。
俺とすれば、ゴブリンを殺すのに慣れていないのに何が出来るという感じだ。

「街まで急ぎましょう」

太陽は既に夕焼けに時間を変えつつあった。
直に暗くなってしまうだろう。

街へ辿りついた頃には、夕闇が迫っていた。
ギルドへ直行して、ギルド職員に森で見たことを話したいことがあると言って、3階へ上がる。
3階は応接室がいくつかあるのだそうだ。

「それで何を見たのだ」
「森の中でゴブリンが2匹で何グループかに別れて警戒しているように見えました。又、私の危険察知がゴブリンの集団があるという感覚を伝えてきました」

魔法の気配察知は内緒なのだろう。

「そうか。実はその森で2つのグループがゴブリンの集落があると情報を寄せていてな、今ギルド職員が調査に向う予定になっている。いや、追加の情報感謝する。スライム討伐の魔石の売却に情報提供の謝金も合わせて渡そう」

そう言って、魔石10個で銀貨20枚、情報提供でも同じで銀貨20枚をもらった。
今日の収入は、銀貨40枚になった。
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