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70 審査結果後の顛末は見ても意味は無い

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これは悩むな。
悪いのはどっちなんだと思ったが、どっちも悪い。
それなら罰を与えてもいいのかなと思う。
2つ目の選択肢である浄化サイクルというものだ。
ただ気に可掛かるのは、“地獄の苦しみ”だ。
これが何を意味しているのかが分からない。

「想像は難しいですが、灼熱に晒されるという感じでしょうか…おや、死因と被っていますね」

偶然?
魂に痛覚なんてあるのだろうか。
分からない、分からない。
でも、審査結果を決めなければならない。
悩んだ。
これまでにないくらい考えた。
そして結論は…

「地上に戻し、転生の輪に戻す。ただし、人としての転生を望む」

転生は、人だけでなく動植物や星や宇宙まであるらしい。
地上で生まれた場合の転生対象は、地上だけのものになるけれど、人としての転生回数はそんなに多くないのが実情で、虫系が多いらしくその寿命も短い。
虫は、転生の主流で地上の輪廻転生の輪に必ず入っているとのこと。
だけど、あえて今回は人としての転生を繰り返してもらって、自力浄化を努力してもらいたいと思ったのだ。
家庭環境が変われば、本人の考え方や行動も変わるはずだと思って。
もちろん、そういったものが表に出てくるのは、自分の意思で動けるようになってから。
時間は掛かるが、その点は仕方が無い。

「審査終了となります。お疲れ様でした」

こうして3回目の審査が終了した。
1回目の審査結果は、俺と同じく審査官になるということ。
2回目の審査結果は、魂魄分割転生という選択で、輪廻に戻すが分割により寿命が最大12歳までとなる。
3回目は今回で、地上戻しの輪廻の輪に人としての転生という条件付き。
正直に言って、今回は迷ったし悩んだし考え込んだ。

「この結果は、知ろうとすれば直ぐに分かります。最も、意味は無いですけれど」
「審査結果で出た影響などを知ることができるのか」
「以前話をしたかと思いますが、ここ天界1年は地上25年という時間差があります。そして、審査対象者にとっての地上は、朝日さんが住んでいた地上とは限りません。別の世界の可能性もあります。この場合、ここの1年はその別の世界の100年に換算できる場合もあります。時間の流れはどこも一定ではないのです。その時間差を利用して、ずっと先にある出来事をすぐに見ることができます」
「しかし、意味は無いと言った」
「はい。意味はありません。なぜなら、対象者は審査結果を忘れていますし、ある意味自由に周辺からの圧力などで影響を受けているからです。審査内容で影響を受けている訳では無いので、見ても意味がないのです」
「なんとなく分かったような、分からないような。審査結果の影響はないということか」
「ないから、見ても意味は無い。審査結果がまた生きてくるのは、次回の審査の時になります」
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